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第5章 シドニア訪問編
5.6.7 シドニアの学園見学
「ジルベール様、どうかしましたか」
グランフェスタ様が僕の目線を不審に思ったのか話しかけてきた。
「あの、そこの侍女は貴族ですよね?」
今日のお茶会での最初の会話がこれで良いのかという質問をしてしまったが、まあ良いだろう。気になるのだ。
「そうですよ。下位貴族の子女は結婚前に花嫁修業として王家や上位貴族の家で侍女として働く者が多いのです。今日のお茶会はそうした子達が侍女役をやっています」
グランフェスタ様が答えてくれた。
「ああ、そう言えば侍女長や執事は男爵家や子爵家の人が多いのでしたね」
「侯爵家以上で雇われる執事は、学園を卒業後にさらに上位の学校へ進んだ者達です。領主代行を行う場合もありますから、高い能力が求められます。国で高位文官として働く者達とかわらないレベルの教育を受けた者しかなれない職業です。私もそれを目指しています。侯爵家に勤める侍女長や、嫡男に付く専属侍女は、王宮勤めの経験者が多いのです。王宮に勤めることができるのは学園での成績が上位であった者だけ。魔力は生まれに起因しますが学力だけでも上級貴族並みでなければならないのです」
一緒の席にいた最上級性の男性が答えてくれた。確か伯爵家の人だ。
「へー、そうですか」
「ジルベール様はこの子に興味が、エリン。どうしたのですか?」
侯爵令嬢グランフェスタ様が後ろを振りかえり緑の髪の女の子がいつもと違う様子だと気が付いたようだ。
「あ、すいません。あの」
「僕のせいです。イシス、ガルダ。皆に姿を見せて」
そういうと、エリンの胸の前にイシスが。頭の上をくるくるとガルダが回った姿が皆にも見えるようになった。
「彼女に抱かれているがイシス。頭の上を回っているのがガルダ。どちらも本来は聖獣ですがその姿は妖精体と言う仮の姿です」
「え、これが伝説の聖獣様ですか」
そう言っている間に、ガルダがグランフェスタ様の膝の上に降りた。
「普通は見えないのですが、どうもその子、エリン様には姿が見えるようだったので試してみたら。後で彼女と話をしたいのですがよろしいですか?」
「ええ、もちろんよ」
許可を出すのは後ろに居る女の子本人では無くこの場を取り仕切る侯爵令嬢グランフェスタ様だ。
「エリンとは話せるようにしましょう。ところでパーティでお見かけした時、ジルベール様は両金眼だったと思うのですが」
どうやら、グランフェスタ様は先日のパーティの時にも会っていたらしい。人が多すぎて覚えていなかった。
一度会えば忘れそうもない美人なのだが、僕もけっこう緊張していたということか。
「はい、今日は高位貴族以外にも会いますから、余計なトラブルを避けるためにイヤリングで隠しています。この場では外した方がよろしいですか?」
「ええ、できれば」
そう言われたら、外すしかないのでイヤリングを外す。
「本当に両金眼だ。あ失礼」
2年生の男性の言葉だ。だがそれ以上の突っ込みはなかった。さすが教育された上位貴族の子女たち。
「そろそろイシスとガルダを隠しますね。落ち着かないですよね」
そう言って、イシスとガルダを再び見えないようにする。
「あら残念。ですが聖獣を使役されるってすごいですね。ジルベール様は聖獣を思い通りの動かせるのですか」
「いえ。そうですね、僕の使っている使役の契約ではあまり行動を縛ることはできません。他の方の使役を知らないので普通なのかも解りませんが。イシスとガルダの他にもスライムのライムとピーチも使役獣なのですが、ピーチはうちの屋敷でおとなしく飼われていますが、ライムは結局前の主人の墓を守ったまま外にいます。その場での命令に従いますが、その場から離れる事はありません。あと黒狼も僕と一緒にいるよりもエイミーと一緒に居る方を選んでます。
イシスもガルダも妖精体の時は勝手にどこかに飛んで行ってます。
みんな好き勝手にしてますよ。魔力パスが繋がっていますが敵対せず友好関係を結んでいるだけなのかもしれません」
「へー、スライムって使役できるんですか。それにスライムが前の主人の墓を守るなんて。知能の高いスライムも居るのですね」
伯爵家の男子から質問なのか感想なのか言われた。
「ライムは特殊ですよ。僕の前にも仕える主人が居たわけですから。でもピーチも分裂したラズベリーも魔法も使えたな」
「へー、さすがジルベール様が使役される魔獣ですね」
「え、ええ。まあ」
話が進むと途中でグランフェスタ様がベルを鳴らした。エリンがグランフェスタ様の後ろに来て声を聴き、その後で裏へ行ってしまった。
僕がちらちらと見ていたせいだろうか。退場してしまった。僕のせいで悪い評価がついたかもしれない。申し訳ないな。
それからは、女性陣が中心になってシドニアの噂話を教えてくれたので、失敗しないようにちゃんと話を聞いた。
話をしていたら、エリンとは別の年上の侍女が2人来た。一人がそっとグランフェスタ様の近づいて後ろでささやく。
「お茶を変えて頂戴。私は少しだけ失礼を」
そう言ってグランフェスタ様が席を立ち、後ろの侍女と少し話してから席に戻って来た。
そのまま侍女が代わるようだ。どうやらエリンは退場となってしまったようだ。そう思っていたら、顔に出てしまったのかもしれない。
「ジルベール様、後でエリンと話す時間は取りますから心配なさらないでください。彼女には別に準備をしてもらっているだけです」
グランフェスタ様がそう言ってくれた。どうやら僕のせいで退場になったわけではないようだ。良かった。
グランフェスタ様が僕の目線を不審に思ったのか話しかけてきた。
「あの、そこの侍女は貴族ですよね?」
今日のお茶会での最初の会話がこれで良いのかという質問をしてしまったが、まあ良いだろう。気になるのだ。
「そうですよ。下位貴族の子女は結婚前に花嫁修業として王家や上位貴族の家で侍女として働く者が多いのです。今日のお茶会はそうした子達が侍女役をやっています」
グランフェスタ様が答えてくれた。
「ああ、そう言えば侍女長や執事は男爵家や子爵家の人が多いのでしたね」
「侯爵家以上で雇われる執事は、学園を卒業後にさらに上位の学校へ進んだ者達です。領主代行を行う場合もありますから、高い能力が求められます。国で高位文官として働く者達とかわらないレベルの教育を受けた者しかなれない職業です。私もそれを目指しています。侯爵家に勤める侍女長や、嫡男に付く専属侍女は、王宮勤めの経験者が多いのです。王宮に勤めることができるのは学園での成績が上位であった者だけ。魔力は生まれに起因しますが学力だけでも上級貴族並みでなければならないのです」
一緒の席にいた最上級性の男性が答えてくれた。確か伯爵家の人だ。
「へー、そうですか」
「ジルベール様はこの子に興味が、エリン。どうしたのですか?」
侯爵令嬢グランフェスタ様が後ろを振りかえり緑の髪の女の子がいつもと違う様子だと気が付いたようだ。
「あ、すいません。あの」
「僕のせいです。イシス、ガルダ。皆に姿を見せて」
そういうと、エリンの胸の前にイシスが。頭の上をくるくるとガルダが回った姿が皆にも見えるようになった。
「彼女に抱かれているがイシス。頭の上を回っているのがガルダ。どちらも本来は聖獣ですがその姿は妖精体と言う仮の姿です」
「え、これが伝説の聖獣様ですか」
そう言っている間に、ガルダがグランフェスタ様の膝の上に降りた。
「普通は見えないのですが、どうもその子、エリン様には姿が見えるようだったので試してみたら。後で彼女と話をしたいのですがよろしいですか?」
「ええ、もちろんよ」
許可を出すのは後ろに居る女の子本人では無くこの場を取り仕切る侯爵令嬢グランフェスタ様だ。
「エリンとは話せるようにしましょう。ところでパーティでお見かけした時、ジルベール様は両金眼だったと思うのですが」
どうやら、グランフェスタ様は先日のパーティの時にも会っていたらしい。人が多すぎて覚えていなかった。
一度会えば忘れそうもない美人なのだが、僕もけっこう緊張していたということか。
「はい、今日は高位貴族以外にも会いますから、余計なトラブルを避けるためにイヤリングで隠しています。この場では外した方がよろしいですか?」
「ええ、できれば」
そう言われたら、外すしかないのでイヤリングを外す。
「本当に両金眼だ。あ失礼」
2年生の男性の言葉だ。だがそれ以上の突っ込みはなかった。さすが教育された上位貴族の子女たち。
「そろそろイシスとガルダを隠しますね。落ち着かないですよね」
そう言って、イシスとガルダを再び見えないようにする。
「あら残念。ですが聖獣を使役されるってすごいですね。ジルベール様は聖獣を思い通りの動かせるのですか」
「いえ。そうですね、僕の使っている使役の契約ではあまり行動を縛ることはできません。他の方の使役を知らないので普通なのかも解りませんが。イシスとガルダの他にもスライムのライムとピーチも使役獣なのですが、ピーチはうちの屋敷でおとなしく飼われていますが、ライムは結局前の主人の墓を守ったまま外にいます。その場での命令に従いますが、その場から離れる事はありません。あと黒狼も僕と一緒にいるよりもエイミーと一緒に居る方を選んでます。
イシスもガルダも妖精体の時は勝手にどこかに飛んで行ってます。
みんな好き勝手にしてますよ。魔力パスが繋がっていますが敵対せず友好関係を結んでいるだけなのかもしれません」
「へー、スライムって使役できるんですか。それにスライムが前の主人の墓を守るなんて。知能の高いスライムも居るのですね」
伯爵家の男子から質問なのか感想なのか言われた。
「ライムは特殊ですよ。僕の前にも仕える主人が居たわけですから。でもピーチも分裂したラズベリーも魔法も使えたな」
「へー、さすがジルベール様が使役される魔獣ですね」
「え、ええ。まあ」
話が進むと途中でグランフェスタ様がベルを鳴らした。エリンがグランフェスタ様の後ろに来て声を聴き、その後で裏へ行ってしまった。
僕がちらちらと見ていたせいだろうか。退場してしまった。僕のせいで悪い評価がついたかもしれない。申し訳ないな。
それからは、女性陣が中心になってシドニアの噂話を教えてくれたので、失敗しないようにちゃんと話を聞いた。
話をしていたら、エリンとは別の年上の侍女が2人来た。一人がそっとグランフェスタ様の近づいて後ろでささやく。
「お茶を変えて頂戴。私は少しだけ失礼を」
そう言ってグランフェスタ様が席を立ち、後ろの侍女と少し話してから席に戻って来た。
そのまま侍女が代わるようだ。どうやらエリンは退場となってしまったようだ。そう思っていたら、顔に出てしまったのかもしれない。
「ジルベール様、後でエリンと話す時間は取りますから心配なさらないでください。彼女には別に準備をしてもらっているだけです」
グランフェスタ様がそう言ってくれた。どうやら僕のせいで退場になったわけではないようだ。良かった。
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