転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

文字の大きさ
391 / 532
第5章 シドニア訪問編

5.6.7 シドニアの学園見学

「ジルベール様、どうかしましたか」
 グランフェスタ様が僕の目線を不審に思ったのか話しかけてきた。
「あの、そこの侍女は貴族ですよね?」
 今日のお茶会での最初の会話がこれで良いのかという質問をしてしまったが、まあ良いだろう。気になるのだ。
「そうですよ。下位貴族の子女は結婚前に花嫁修業として王家や上位貴族の家で侍女として働く者が多いのです。今日のお茶会はそうした子達が侍女役をやっています」
 グランフェスタ様が答えてくれた。
「ああ、そう言えば侍女長や執事は男爵家や子爵家の人が多いのでしたね」
「侯爵家以上で雇われる執事は、学園を卒業後にさらに上位の学校へ進んだ者達です。領主代行を行う場合もありますから、高い能力が求められます。国で高位文官として働く者達とかわらないレベルの教育を受けた者しかなれない職業です。私もそれを目指しています。侯爵家に勤める侍女長や、嫡男に付く専属侍女は、王宮勤めの経験者が多いのです。王宮に勤めることができるのは学園での成績が上位であった者だけ。魔力は生まれに起因しますが学力だけでも上級貴族並みでなければならないのです」
 一緒の席にいた最上級性の男性が答えてくれた。確か伯爵家の人だ。
「へー、そうですか」
「ジルベール様はこの子に興味が、エリン。どうしたのですか?」
 侯爵令嬢グランフェスタ様が後ろを振りかえり緑の髪の女の子がいつもと違う様子だと気が付いたようだ。
「あ、すいません。あの」
「僕のせいです。イシス、ガルダ。皆に姿を見せて」
 そういうと、エリンの胸の前にイシスが。頭の上をくるくるとガルダが回った姿が皆にも見えるようになった。
「彼女に抱かれているがイシス。頭の上を回っているのがガルダ。どちらも本来は聖獣ですがその姿は妖精体と言う仮の姿です」
「え、これが伝説の聖獣様ですか」
 そう言っている間に、ガルダがグランフェスタ様の膝の上に降りた。
「普通は見えないのですが、どうもその子、エリン様には姿が見えるようだったので試してみたら。後で彼女と話をしたいのですがよろしいですか?」
「ええ、もちろんよ」
 許可を出すのは後ろに居る女の子本人では無くこの場を取り仕切る侯爵令嬢グランフェスタ様だ。
「エリンとは話せるようにしましょう。ところでパーティでお見かけした時、ジルベール様は両金眼だったと思うのですが」
 どうやら、グランフェスタ様は先日のパーティの時にも会っていたらしい。人が多すぎて覚えていなかった。
 一度会えば忘れそうもない美人なのだが、僕もけっこう緊張していたということか。
「はい、今日は高位貴族以外にも会いますから、余計なトラブルを避けるためにイヤリングで隠しています。この場では外した方がよろしいですか?」
「ええ、できれば」
 そう言われたら、外すしかないのでイヤリングを外す。
「本当に両金眼だ。あ失礼」
 2年生の男性の言葉だ。だがそれ以上の突っ込みはなかった。さすが教育された上位貴族の子女たち。
「そろそろイシスとガルダを隠しますね。落ち着かないですよね」
 そう言って、イシスとガルダを再び見えないようにする。
「あら残念。ですが聖獣を使役されるってすごいですね。ジルベール様は聖獣を思い通りの動かせるのですか」
「いえ。そうですね、僕の使っている使役の契約ではあまり行動を縛ることはできません。他の方の使役を知らないので普通なのかも解りませんが。イシスとガルダの他にもスライムのライムとピーチも使役獣なのですが、ピーチはうちの屋敷でおとなしく飼われていますが、ライムは結局前の主人の墓を守ったまま外にいます。その場での命令に従いますが、その場から離れる事はありません。あと黒狼も僕と一緒にいるよりもエイミーと一緒に居る方を選んでます。
イシスもガルダも妖精体の時は勝手にどこかに飛んで行ってます。
みんな好き勝手にしてますよ。魔力パスが繋がっていますが敵対せず友好関係を結んでいるだけなのかもしれません」

「へー、スライムって使役できるんですか。それにスライムが前の主人の墓を守るなんて。知能の高いスライムも居るのですね」
 伯爵家の男子から質問なのか感想なのか言われた。

「ライムは特殊ですよ。僕の前にも仕える主人が居たわけですから。でもピーチも分裂したラズベリーも魔法も使えたな」
「へー、さすがジルベール様が使役される魔獣ですね」
「え、ええ。まあ」
 話が進むと途中でグランフェスタ様がベルを鳴らした。エリンがグランフェスタ様の後ろに来て声を聴き、その後で裏へ行ってしまった。
 僕がちらちらと見ていたせいだろうか。退場してしまった。僕のせいで悪い評価がついたかもしれない。申し訳ないな。
 それからは、女性陣が中心になってシドニアの噂話を教えてくれたので、失敗しないようにちゃんと話を聞いた。
 話をしていたら、エリンとは別の年上の侍女が2人来た。一人がそっとグランフェスタ様の近づいて後ろでささやく。
「お茶を変えて頂戴。私は少しだけ失礼を」
 そう言ってグランフェスタ様が席を立ち、後ろの侍女と少し話してから席に戻って来た。
 そのまま侍女が代わるようだ。どうやらエリンは退場となってしまったようだ。そう思っていたら、顔に出てしまったのかもしれない。
「ジルベール様、後でエリンと話す時間は取りますから心配なさらないでください。彼女には別に準備をしてもらっているだけです」
 グランフェスタ様がそう言ってくれた。どうやら僕のせいで退場になったわけではないようだ。良かった。

あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

聖女の孫だけど冒険者になるよ!

春野こもも
ファンタジー
森の奥で元聖女の祖母と暮らすセシルは幼い頃から剣と魔法を教え込まれる。それに加えて彼女は精霊の力を使いこなすことができた。 12才にった彼女は生き別れた祖父を探すために旅立つ。そして冒険者となりその能力を生かしてギルドの依頼を難なくこなしていく。 ある依頼でセシルの前に現れた黒髪の青年は非常に高い戦闘力を持っていた。なんと彼は勇者とともに召喚された異世界人だった。そして2人はチームを組むことになる。 基本冒険ファンタジーですが終盤恋愛要素が入ってきます。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています