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これからも、ずっと
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視界がぼやけてる。
身体の奥がじんじんしてて、頭の中がふわふわしてる。
あぁ、そうか。
俺、さっきヴァンに、抱かれたんだ……。
初めてだったのに、こんなにちゃんと感じて、心まで埋められた感じがするなんて……。
「……エイバ、大丈夫か?」
低く、落ち着いた声。
さっきまで俺を滅茶苦茶にしてた男のくせに、今は優しく髪を撫でてくる。
「……だいじょぶじゃ、ない……」
「そうか。辛かったか……?」
辛く……はないな。
肉体を押し拡げられる苦しさはあったが、それよりも気持ちよさの方が大きかったし。
どちらかといえば──。
「……ちげぇよ。恥ずかしいんだよ、全部見られて……声も、顔も、っ、あんな……っ」
言いかけて、自分の顔が熱くなるのを感じた。
もう泣いてるのか笑ってるのか、ぐちゃぐちゃだ。
「なぁ、ヴァン……俺のこと、ずっと……そういう風に、見てた?」
「ずっと見てたよ」
即答。
冗談も迷いもなかった。
「可愛くて、綺麗で、努力してるの知ってた。……お前、鈍いからな……俺は割とアプローチしてたんだが……」
は?アプローチ⁈
俺は目を見開いてヴァンを見た。
すると、ヴァンは苦笑を浮かべる。
「ほらな。気付いてなかっただろ?ちなみに……お前の家に俺との結婚を打診したのは、俺だぞ?」
初耳すぎる……。
父上と母上はそんなこと言ってただろうか。
舞い上がりすぎて俺が聞き逃したのか?
「……バ、バカかよ、お前。……だったら、最初から来いよ……!そしたら俺……」
声が震えたのは、涙のせいか、安心のせいか。
俺自身も、わからなかった。
「そうだな。……お前が不安だったように俺だって不安だったんだよ。でも、もう離さない。お前が離縁とか口にするくらい不安だったなら、これからは毎日証明する」
「……証明って……お前な……」
「夫婦だろ? ちゃんと抱く。愛する。毎晩でも」
「っ、だから、そういう言い方すんなっての……!」
再び胸に顔を押しつける。
こうやってくっついてると、ヴァンの心臓の音が聞こえる。
一定で、強くて、ずっと俺を包んでくれる音。
「……あのさ。子どもの話、ちょっと話しても、いい?」
「急だな……初夜が終わったばかりだぞ」
「なんだよ、悪いかよ……。俺たち、もう夫婦なんだし。愛があるのも、今夜でバッチリ証明済みだし、考えるだろ!」
ヴァンが俺の髪を撫でる。
てか、それこそ俺は前々からそういう妄想も散々してきたわけで。
とりあえず三人は欲しいな、とか思ってるわけで!
「それにしたって一足飛びではあるが……まあ、そうだな……俺としても吝かではない。が」
「……が?」
「もう少し後でいい。今はお前を味わい尽くしたい。差し詰め……すまないが、もう一度抱かせてもらう」
柔らかかったはずのヴァンのそれが、いつの間にか固くなってて、俺の腰に擦り付けられた。
「お前、ほんとそういうとこ……っ」
顔が熱い。
照れ隠しのようにヴァンの肩を叩く。
俺は、ゆっくりと身体の力を抜く。
今夜、初めて触れ合って、初めて本音を伝えて、やっと「俺たち」になれた気がしたから。
「……なぁ、ヴァン」
「ん?」
「好きだよ。ずっと、好きだった」
少しの沈黙のあと、返ってきた言葉は、俺が何より欲しかったものだった。
「俺も、お前がずっと、好きだったよ。……これからも、ずっとな」
頬に優しいキスが落ちる。
幸せの実感が、じんわりと染み込んでいく。
ヴァンの腕の中、あたたかい体温と鼓動に包まれながら、俺はまた抱かれた。
初めて、「夫婦」になった夜は、俺の人生で一番、やさしくて甘い夜だった。
……腰と尻の違和感を除けば。割と絶倫だわ、こいつ。
身体の奥がじんじんしてて、頭の中がふわふわしてる。
あぁ、そうか。
俺、さっきヴァンに、抱かれたんだ……。
初めてだったのに、こんなにちゃんと感じて、心まで埋められた感じがするなんて……。
「……エイバ、大丈夫か?」
低く、落ち着いた声。
さっきまで俺を滅茶苦茶にしてた男のくせに、今は優しく髪を撫でてくる。
「……だいじょぶじゃ、ない……」
「そうか。辛かったか……?」
辛く……はないな。
肉体を押し拡げられる苦しさはあったが、それよりも気持ちよさの方が大きかったし。
どちらかといえば──。
「……ちげぇよ。恥ずかしいんだよ、全部見られて……声も、顔も、っ、あんな……っ」
言いかけて、自分の顔が熱くなるのを感じた。
もう泣いてるのか笑ってるのか、ぐちゃぐちゃだ。
「なぁ、ヴァン……俺のこと、ずっと……そういう風に、見てた?」
「ずっと見てたよ」
即答。
冗談も迷いもなかった。
「可愛くて、綺麗で、努力してるの知ってた。……お前、鈍いからな……俺は割とアプローチしてたんだが……」
は?アプローチ⁈
俺は目を見開いてヴァンを見た。
すると、ヴァンは苦笑を浮かべる。
「ほらな。気付いてなかっただろ?ちなみに……お前の家に俺との結婚を打診したのは、俺だぞ?」
初耳すぎる……。
父上と母上はそんなこと言ってただろうか。
舞い上がりすぎて俺が聞き逃したのか?
「……バ、バカかよ、お前。……だったら、最初から来いよ……!そしたら俺……」
声が震えたのは、涙のせいか、安心のせいか。
俺自身も、わからなかった。
「そうだな。……お前が不安だったように俺だって不安だったんだよ。でも、もう離さない。お前が離縁とか口にするくらい不安だったなら、これからは毎日証明する」
「……証明って……お前な……」
「夫婦だろ? ちゃんと抱く。愛する。毎晩でも」
「っ、だから、そういう言い方すんなっての……!」
再び胸に顔を押しつける。
こうやってくっついてると、ヴァンの心臓の音が聞こえる。
一定で、強くて、ずっと俺を包んでくれる音。
「……あのさ。子どもの話、ちょっと話しても、いい?」
「急だな……初夜が終わったばかりだぞ」
「なんだよ、悪いかよ……。俺たち、もう夫婦なんだし。愛があるのも、今夜でバッチリ証明済みだし、考えるだろ!」
ヴァンが俺の髪を撫でる。
てか、それこそ俺は前々からそういう妄想も散々してきたわけで。
とりあえず三人は欲しいな、とか思ってるわけで!
「それにしたって一足飛びではあるが……まあ、そうだな……俺としても吝かではない。が」
「……が?」
「もう少し後でいい。今はお前を味わい尽くしたい。差し詰め……すまないが、もう一度抱かせてもらう」
柔らかかったはずのヴァンのそれが、いつの間にか固くなってて、俺の腰に擦り付けられた。
「お前、ほんとそういうとこ……っ」
顔が熱い。
照れ隠しのようにヴァンの肩を叩く。
俺は、ゆっくりと身体の力を抜く。
今夜、初めて触れ合って、初めて本音を伝えて、やっと「俺たち」になれた気がしたから。
「……なぁ、ヴァン」
「ん?」
「好きだよ。ずっと、好きだった」
少しの沈黙のあと、返ってきた言葉は、俺が何より欲しかったものだった。
「俺も、お前がずっと、好きだったよ。……これからも、ずっとな」
頬に優しいキスが落ちる。
幸せの実感が、じんわりと染み込んでいく。
ヴァンの腕の中、あたたかい体温と鼓動に包まれながら、俺はまた抱かれた。
初めて、「夫婦」になった夜は、俺の人生で一番、やさしくて甘い夜だった。
……腰と尻の違和感を除けば。割と絶倫だわ、こいつ。
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