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夫たちのお料理教室(サンマーメンVer)
しおりを挟む領主「今回はサンマーメンを作る」
兵士「ああ、どこかの世界にあるご当地ラーメンっスね」
領主「うむ。まあ、オレは実物を見たことないことになってるけどな。というか、本編だと『かん水』って何だよ、って言ってるからな」
兵士「じゃあ、今回の企画はボツっスか?」
職人「ここは異空間だから問題ない」
領主「出番もセリフも殆ど無いやつの言う通りだ」
兵士「久しぶりの出番なのに軽くディスられてるっスよ!?」
領主「事実だろ?」
職人「事実だな」
兵士「あれ? 何で貶されてる本人が認めちゃってるっス!?」
職人「相変わらず、お前は煩いな。もう帰って良いか?」
領主「ああ。構わないぞ」
兵士「いやいや、ダメっス。この企画は3人以上が基本っスから、コイツが居なくなったら誰が来ると思ってるっスか!? もう、不幸な目しか想像できないっス! 居るだけでイイっスから」
領主「五月蝿い奴だな。仕方ないから、居てやれ。喋る必要はないから」
職人「・・・」
兵士「じゃあ、気を取り直して、サンマーメンの作り方っスね。やっぱり名前の通りサンマ味っスか? 生臭いイメージなんっスけど」
領主「うむ。秋刀魚と言うからには、当然魚系ラーメンに決まっている。だが、出汁は生じゃなくて、秋刀魚を干したものを使う」
職人「・・・」
領主「秋刀魚の煮干しと昆布を一昼夜、寸胴に漬けておく。そして、それを2~3時間弱火にかける。豚骨や鶏ガラに比べればアクがほとんど出ないが、多少出るので、取り除く」
兵士「これでスープ完成っスか? 何か、味が薄そうなんスけど」
領主「まあ、そのままなら確かに物足りないだろう。そこでこれだ! 木工職人よ。例のモノを」
職人「・・・」
兵士「それは! 3食パックの醤油ラーメン? ここに来てまさかの手抜き?」
領主「やかましい! 本題に関係ない出汁まで作ってられるか! 既製品を使ってないが悪い!
と言う訳で、これに付いてくるスープと秋刀魚スープをブレンドする。半々くらいで良いが、これは食べる人の好み次第だな」
職人「・・・」
兵士「・・・トッピングはそのまま丸ごとのサンマを乗せるっスか?」
領主「お前にならそれで構わないが、食べる時にガキが骨を喉に詰まらせたらウザいから、今回はつみれを作る。
秋刀魚を3枚におろし、その身をミンチにする。それに小麦粉・生姜・長ネギ・ごま油を加えて捏ねる。捏ね終わったら、スプーンですくって秋刀魚スープに投入して加熱する」
職人「・・・」
領主「スープとつみれに茹でた中華麺を合わせて、ワカメ・万能ねぎをトッピングすれば完成だ」
職人「・・・」
領主「さっきから、三点リーダーがうっとうしいぞ。ちゃんと身の有る事を喋れや!」
職人「サンマーメンって、秋刀魚と全く関係ないぞ」
領主「えぇっ! マジで!?」
兵士「えぇっ! マジっスか!?」
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