悪役令嬢だからってここまでする ⁉︎

sora

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04.

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 「ーーーーっ痛‼︎ 」

かすかに身動ぎしただけで、痛みが全身を襲う。
本当に満身創痍だよ、私。
初めてだったのに、こんなボロボロにされる事、私した⁉︎

自問自答しても答えなんか出ない。

いやーー悪役令嬢だけど、ゲームにはこんなの描かれてなかった。

いくら何でも酷すぎる。

でも、ルゼリフィアには謎の男が見え隠れしていたかも、しれない。

ヒロインが稀有な光の魔の力を発現させて、対抗馬として程なくルゼリフィアも希少な魔の遣い手として目覚める。でもルゼリフィア自身には本当は魔の力なんかなくて、魔力供給源とされる人物も影としてでしか存在しなかったから、ご都合主義的に精霊か何かかなと思ってたけど……もし、あの狂人なら……あの狂人、難なく魔を使っていた。

この世界で光以外の魔を使うのは膨大な制約がかけられ、人体も損傷だってするし、脳も侵される。
そこまで自分を犠牲にしてまで魔を扱う者なんて極少数。
それでも人に寄っては四肢が捩じ切られんばかりの激痛に侵されるとか。しかもそうまでしても、大した力は奮えない。

ゲームの中でルゼリフィアは難なく強い魔の力を行使していた。
その際に損傷や痛みは感じられなかったと思うのだけど、鉄面皮だし苦行に耐えていた可能性もあり得る。

てか、どれだけ茨の道‼︎
泣けてくるわ。

しかも、あいつーーあれだけ魔の扱いが卓越しているのに痛みを感じろとか言って一切の癒しの行使もしてくれなかったな。最低最悪の鬼畜サイコ野郎。行使出来ないとかでもない筈なのに。

取り留めもなく、ルゼリフィアとしてでなく日本人の女の子だった私として考える。
現実逃避、ううん。
こうでもしないと私が保てないからだ。

だって、ここはまだ悪趣味な鏡面の間。
意識をちょっと揺らすだけで、見るも無残な私の肢体が見える。殴られた顔なんて時間が経ってホラーだからね。腫れて青紫色。美人が台無しだよ。

ーーそこで、私はある一つの重要な事に気付く。

待って、待ってよ?
今世ーーね、ルゼリフィアの容姿は?
髪、色は……。ごくり、と生唾を飲み込む。見たくないけど、見ない訳にはいかない。だって今後の方針とか身の置き所とかあるじゃない?

つ、と、視線を鏡に遣り

















つ、詰んだーー。















やっちゃったね ‼︎
今世の私 ‼︎




燃える様な赤金色の髪。赤金の瞳。






鬼畜仕様、ハードモード全開、フルスロットルのルゼリフィア・ディア・スカーレットになってたよ。






展開がえげつなくて自身も周りも長弩級の不幸に浸していくファン泣かせの裏鬼畜モード。


それが、今世の私とか、終わってる‼︎


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