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第6話
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玄関口でイザベラ嬢とクララ嬢に挨拶をした後、あれよあれよという間に二人に挟まれ、抵抗する間もないままに、イザベラ嬢の私室に連行されてしまった。その途中で、カノッサ公爵その人、その奥様であろう公爵夫人、イザベラ嬢のお兄さんと思われる方々が見えた。カノッサ公爵やお兄さん方は、娘に付いた悪い虫を見るかの様に俺をギロリと睨みつけ、公爵夫人に関しては、ニコニコと微笑んだまま俺を見ていて、何を考えているのか分からなかった。
メイドさんが机の上に紅茶とお菓子を用意し、静かに部屋から去っていくと、イザベラ嬢とクララ嬢の雰囲気が、令嬢のものから普通の人のものに変わる。
「ふぅ~、令嬢らしくしているのは疲れるわ~」
「そうね。でも、慣れるとそれも普通になるわよ。昔は切り替えが難しかったけど、今はそうでもないしね」
「イザベラは凄いよね」
どうやら二人とも、前世の日本では俺と同じく、上流階級とかの生まれではなく、一般庶民の家庭の生まれだったみたいだな。それだけで親近感が湧いてくるのは、やはり、転生者同士だという事が大きいのかもしれないな。
「それじゃあ早速、私たちの秘密の会議を始めましょう」
「お~!!」
「お、お~」
「ウォルターさん、クララの真似をしなくても大丈夫よ」
イザベラ嬢が、俺を微笑ましく見てくる。頬が熱くなり、恥ずかしくて俯いてしまう。そんな俺の様子を見て、イザベラ嬢とクララ嬢がクスクスと笑いだす。
「笑わなくてもいいじゃないですか」
「ごめんなさい。でも、あまりにも可愛らしくてね」
「凄い可愛かったよ」
「そ、それよりも、早く本題をお願いします」
女性に可愛いなどと言われるのは、前世も含めて初めてだ。気恥ずかしさから、さらに顔が熱くなっていく。このままだといじられ続けると思った俺は、二人に本題に入ってもらう様にお願いする。
「そうね、時は金なり。時間は有効に使わなくてはね。少し長い話になるけど、聞いて頂戴」
「分かりました」
そこから語られたのは、一人の転生者の少女が、公爵家という家が持つ巨大な力を使って始めた、長く、苦しい、戦いの記録だった。まあ簡単に言ってしまえば、このファンタジー世界の衣食住のレベルを、日本の衣食住のレベルと同等にまで引き上げようと考え、実行に移してきたみたいだ。
そして、十五歳の時に入学した魔法学院でクララ嬢と出会い、互いに転生者だと分かり、二人で協力し、生活基準を上げようと必死にやってきた様だ。そうしてここまでの十七年間で、それなりに発展する事が出来た様だ。
だがそれはあくまで女性目線での、女性中心の発展であった。男性向けの発展が進まず、転生者であっても、女性二人では中々難しいと痛感していたそうだ。そんな所に現れたのが、男性の転生者、つまりは俺だったという訳だ。
「そんな訳で、ウォルターさんには、男性目線からの意見をいただきたいと考えています。協力していただけますか?」
「同じ転生者同士、協力してくれないかな?」
二人は共に笑顔を浮かべているが、イザベラ嬢の背中には、あの見張りの時と同じ様に龍の幻影が浮かび上がり、そしてクララ嬢の背中にも、虎の幻影が浮かび上がっている。
「喜んで、お引き受けいたします」
魔物相手の戦闘に関しては、俺もそれなりの自信はある。だが、男として女性と戦う事に関しては、無力なのだ。だから俺は、静かな圧を放つ二人に対して素直に頭を下げて、協力を引き受ける事を了承した。
メイドさんが机の上に紅茶とお菓子を用意し、静かに部屋から去っていくと、イザベラ嬢とクララ嬢の雰囲気が、令嬢のものから普通の人のものに変わる。
「ふぅ~、令嬢らしくしているのは疲れるわ~」
「そうね。でも、慣れるとそれも普通になるわよ。昔は切り替えが難しかったけど、今はそうでもないしね」
「イザベラは凄いよね」
どうやら二人とも、前世の日本では俺と同じく、上流階級とかの生まれではなく、一般庶民の家庭の生まれだったみたいだな。それだけで親近感が湧いてくるのは、やはり、転生者同士だという事が大きいのかもしれないな。
「それじゃあ早速、私たちの秘密の会議を始めましょう」
「お~!!」
「お、お~」
「ウォルターさん、クララの真似をしなくても大丈夫よ」
イザベラ嬢が、俺を微笑ましく見てくる。頬が熱くなり、恥ずかしくて俯いてしまう。そんな俺の様子を見て、イザベラ嬢とクララ嬢がクスクスと笑いだす。
「笑わなくてもいいじゃないですか」
「ごめんなさい。でも、あまりにも可愛らしくてね」
「凄い可愛かったよ」
「そ、それよりも、早く本題をお願いします」
女性に可愛いなどと言われるのは、前世も含めて初めてだ。気恥ずかしさから、さらに顔が熱くなっていく。このままだといじられ続けると思った俺は、二人に本題に入ってもらう様にお願いする。
「そうね、時は金なり。時間は有効に使わなくてはね。少し長い話になるけど、聞いて頂戴」
「分かりました」
そこから語られたのは、一人の転生者の少女が、公爵家という家が持つ巨大な力を使って始めた、長く、苦しい、戦いの記録だった。まあ簡単に言ってしまえば、このファンタジー世界の衣食住のレベルを、日本の衣食住のレベルと同等にまで引き上げようと考え、実行に移してきたみたいだ。
そして、十五歳の時に入学した魔法学院でクララ嬢と出会い、互いに転生者だと分かり、二人で協力し、生活基準を上げようと必死にやってきた様だ。そうしてここまでの十七年間で、それなりに発展する事が出来た様だ。
だがそれはあくまで女性目線での、女性中心の発展であった。男性向けの発展が進まず、転生者であっても、女性二人では中々難しいと痛感していたそうだ。そんな所に現れたのが、男性の転生者、つまりは俺だったという訳だ。
「そんな訳で、ウォルターさんには、男性目線からの意見をいただきたいと考えています。協力していただけますか?」
「同じ転生者同士、協力してくれないかな?」
二人は共に笑顔を浮かべているが、イザベラ嬢の背中には、あの見張りの時と同じ様に龍の幻影が浮かび上がり、そしてクララ嬢の背中にも、虎の幻影が浮かび上がっている。
「喜んで、お引き受けいたします」
魔物相手の戦闘に関しては、俺もそれなりの自信はある。だが、男として女性と戦う事に関しては、無力なのだ。だから俺は、静かな圧を放つ二人に対して素直に頭を下げて、協力を引き受ける事を了承した。
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