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第81話
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「私の方はそんな感じでしたけど、アンナ様やイザベラ嬢たちの方はどうでしたか?」
忙しくて会いにこれなかった間の、アンナ公爵夫人やイザベラ嬢たちがどの様に過ごしていたのか、少しだけでも聞いておきたい。
「じゃあ最初は、社交界の動きや我が家の動きについて、私から話していくわね」
「お願いします」
「まず社交界についてね。現状、一ヶ月以上経った今でも、マルグリットの誕生日パーティーの噂で持ちきりの状態ね。他に目新しい話題もないから仕方ないのだけれどね」
「やはり、桃は魅力的ですか」
「そうね~。世の女性によっては、喉から手が出る程に欲する果物ですもの。……後はそうね。王子や王女たちの動きが活発化しようとしているって所が、私としては気になるかしらね」
「それは、桃に関しての動きですか?それとも…………」
俺の問いかけに対して、安心させる様にアンナ公爵夫人が微笑む。
「安心しなさい。まだ桃に方に関心が向いているわ」
「そうですか、まだそこまででないなら安心です」
「でも何が切っ掛けとなって、関心がベイルトン辺境伯家やウォルターさん、そしてマルグリットに向くのかは分からないわ。そこだけは覚えておいて」
「了解です」
「それじゃあ、次は我が家についての話に移りましょう。例の遠征によって戦力が減少してしまった三勢力が、我が家が何かしらの行動を起こさないか注視しているわね。何を警戒しているのかは知らないけど、我が家の動きが余程気になるんでしょう。その中でも、ベルナール公爵家が特に気になっているみたいよ」
「……ベルナール公爵家がですか」
「まあ、我が家の優秀な者たちが直ぐに気付いたみたいだけどね」
「あの人たち、特にその中でも現当主のイヴァンは、自分がこの国で一番優秀だと思い込んでいる愚か者です。恐らく、カノッサ公爵家に知られる事なく、内情を探る事が出来ると本気で思っていたんでしょう」
「「…………そこまで酷いの(か)」」
「イヴァンと言う男は、貴族としてはそこそこ優秀である事は事実ですが、公爵という大貴族の当主としては完全に力不足。たまたま長男として生まれ、たまたま兄弟の中で男子として生まれ、何をする事もなく公爵の位と権力を受け継いだに過ぎない男。本人はその事に気付かず、自分が優秀であるから先代公爵の後を継ぎ、使用人や影の者たちが従っていると思っている愚者ですよ」
そこまでハッキリと言い切るマルグリット嬢からは、ベルナール公爵への怒り・憎しみ・憐みなどといった負の感情しか感じられない。彼女の公爵家での十七年間の生活や扱いを思えば、そうなってしまっても当然か。
そんなマルグリット嬢を見ているアンナ公爵夫人は、決定的な何かを決めた様な顔をする。それはベルナール公爵やベルナール公爵家に対するものなのか、マルグリット嬢に対するものなのかは分からない。だがどちらにしても、良い事であるのは間違いなさそうだ。
忙しくて会いにこれなかった間の、アンナ公爵夫人やイザベラ嬢たちがどの様に過ごしていたのか、少しだけでも聞いておきたい。
「じゃあ最初は、社交界の動きや我が家の動きについて、私から話していくわね」
「お願いします」
「まず社交界についてね。現状、一ヶ月以上経った今でも、マルグリットの誕生日パーティーの噂で持ちきりの状態ね。他に目新しい話題もないから仕方ないのだけれどね」
「やはり、桃は魅力的ですか」
「そうね~。世の女性によっては、喉から手が出る程に欲する果物ですもの。……後はそうね。王子や王女たちの動きが活発化しようとしているって所が、私としては気になるかしらね」
「それは、桃に関しての動きですか?それとも…………」
俺の問いかけに対して、安心させる様にアンナ公爵夫人が微笑む。
「安心しなさい。まだ桃に方に関心が向いているわ」
「そうですか、まだそこまででないなら安心です」
「でも何が切っ掛けとなって、関心がベイルトン辺境伯家やウォルターさん、そしてマルグリットに向くのかは分からないわ。そこだけは覚えておいて」
「了解です」
「それじゃあ、次は我が家についての話に移りましょう。例の遠征によって戦力が減少してしまった三勢力が、我が家が何かしらの行動を起こさないか注視しているわね。何を警戒しているのかは知らないけど、我が家の動きが余程気になるんでしょう。その中でも、ベルナール公爵家が特に気になっているみたいよ」
「……ベルナール公爵家がですか」
「まあ、我が家の優秀な者たちが直ぐに気付いたみたいだけどね」
「あの人たち、特にその中でも現当主のイヴァンは、自分がこの国で一番優秀だと思い込んでいる愚か者です。恐らく、カノッサ公爵家に知られる事なく、内情を探る事が出来ると本気で思っていたんでしょう」
「「…………そこまで酷いの(か)」」
「イヴァンと言う男は、貴族としてはそこそこ優秀である事は事実ですが、公爵という大貴族の当主としては完全に力不足。たまたま長男として生まれ、たまたま兄弟の中で男子として生まれ、何をする事もなく公爵の位と権力を受け継いだに過ぎない男。本人はその事に気付かず、自分が優秀であるから先代公爵の後を継ぎ、使用人や影の者たちが従っていると思っている愚者ですよ」
そこまでハッキリと言い切るマルグリット嬢からは、ベルナール公爵への怒り・憎しみ・憐みなどといった負の感情しか感じられない。彼女の公爵家での十七年間の生活や扱いを思えば、そうなってしまっても当然か。
そんなマルグリット嬢を見ているアンナ公爵夫人は、決定的な何かを決めた様な顔をする。それはベルナール公爵やベルナール公爵家に対するものなのか、マルグリット嬢に対するものなのかは分からない。だがどちらにしても、良い事であるのは間違いなさそうだ。
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