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第87話
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ジャック爺による魔法の講義の途中で、何故か俺の結婚話になってから暫くした後、今度はジャック爺の研究内容に関する話になった。これに関しては、イザベラ嬢たちよりも、アンナ公爵夫人がもの凄く興味深そうに質問していた。
王城勤めをしていたジャック爺の研究内容は、多岐にわたる。如何に少ない魔力で、効率良く強力な魔法を発動させられるかといったものや、生活魔法と分類される魔法を、より使いやすく便利にならないかなど、本当に色々と手を出して研究している。そしてジャック爺は、この国でも有数の魔道具技師でもあるのだ。
アイオリス王国で流通している魔道具の多くは、ジャック爺が研究していたものたちの一定の成果として生み出されたものだ。ここ数十年のアイオリス王国の安寧と繁栄を支えてきた一因は、ジャック爺が生み出してきた魔道具だと言ってもいい。まあ本人は、アイオリス王国の為ではなく、ベイルトン辺境伯領の為に色々と生み出してきたそうだが。
そんなジャック爺は、現在王城勤めを辞してフリーの状態だ。アンナ公爵夫人の様子から考えるに、カノッサ公爵家としてや、個人としての思惑もあるのだろう。その辺の事にジャック爺が付き合うのかどうかは、本人の自由なので俺からどうこう言う事はない。
「ふむ、まあいいじゃろう。ベイルトン辺境伯領の為の傍らでもよいのなら、アンナ夫人やカノッサ公爵に力を貸してやってもよい。暫くの間はウォルターと行動を共にするため、研究の方も魔道具作りの方も休業になる。それでもよいならじゃが」
「ええ、それで構いませんわ。賢者様との連絡手段の方はどうされますか?」
「儂への依頼については、ウォルターを通して伝えてくれ。ウォルターもそれでいいじゃろ?」
「俺?……まあ大丈夫だけど。手紙とかでもいいじゃないの?」
「手紙じゃと、確実に届くかどうか分からんからの。それじゃったら、ウォルターに伝言を頼んだ方が何倍もマシじゃ」
「それなら手紙を書いてもらって、それを受け取って渡すのでもいいんじゃない?」
「それでもよいが、儂に依頼の内容を伝えたら、直ぐにその手紙を燃やしておくんじゃぞ。よいな」
「いいけど……。そこまでする必要が?」
「どういった考えの元なのか知らんがな、年々王族たちが儂の魔道具作りの注文を付けてくる様になっての。作る魔道具の種類や、どういった魔道具が欲しいといった、自分たちの欲を儂に求めてくる様になったんじゃ」
ジャック爺は、どこかウンザリした様な表情を見せながら、俺にそう言ってくる。その様子から、ジャック爺がそれら膨れ上がっていく王族の欲をどう思っていたのかは、一目瞭然だった。
「それって……」
「そうじゃ。儂の事を良い様に使いたいという思いが、年を経つ事に大きくなっていったんじゃろう。そう言う事もあって、カノッサ公爵やアンナ夫人と個人的に仲良くしている姿を見られてもよいが、それに依頼が絡んでくると王族がどうでてくるのか分からん。ベイルトンまで戻れば、王族やカルフォン公爵は早々手出しは出せんが、ここは王都じゃ。王族の縄張りであるここで、儂が魔道具を依頼されて作ったと知られれば、面倒になること間違いないの」
「なる程。分かったよ。俺が口頭で伝えられた事をジャック爺に伝えるか、手紙を受け取って伝えるのかは別として、その辺の事は気を付ける事にするよ。手紙の場合も、しっかりと燃やしておくから」
「うむ、そうしてくれ」
王城勤めをしていたジャック爺の研究内容は、多岐にわたる。如何に少ない魔力で、効率良く強力な魔法を発動させられるかといったものや、生活魔法と分類される魔法を、より使いやすく便利にならないかなど、本当に色々と手を出して研究している。そしてジャック爺は、この国でも有数の魔道具技師でもあるのだ。
アイオリス王国で流通している魔道具の多くは、ジャック爺が研究していたものたちの一定の成果として生み出されたものだ。ここ数十年のアイオリス王国の安寧と繁栄を支えてきた一因は、ジャック爺が生み出してきた魔道具だと言ってもいい。まあ本人は、アイオリス王国の為ではなく、ベイルトン辺境伯領の為に色々と生み出してきたそうだが。
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「ふむ、まあいいじゃろう。ベイルトン辺境伯領の為の傍らでもよいのなら、アンナ夫人やカノッサ公爵に力を貸してやってもよい。暫くの間はウォルターと行動を共にするため、研究の方も魔道具作りの方も休業になる。それでもよいならじゃが」
「ええ、それで構いませんわ。賢者様との連絡手段の方はどうされますか?」
「儂への依頼については、ウォルターを通して伝えてくれ。ウォルターもそれでいいじゃろ?」
「俺?……まあ大丈夫だけど。手紙とかでもいいじゃないの?」
「手紙じゃと、確実に届くかどうか分からんからの。それじゃったら、ウォルターに伝言を頼んだ方が何倍もマシじゃ」
「それなら手紙を書いてもらって、それを受け取って渡すのでもいいんじゃない?」
「それでもよいが、儂に依頼の内容を伝えたら、直ぐにその手紙を燃やしておくんじゃぞ。よいな」
「いいけど……。そこまでする必要が?」
「どういった考えの元なのか知らんがな、年々王族たちが儂の魔道具作りの注文を付けてくる様になっての。作る魔道具の種類や、どういった魔道具が欲しいといった、自分たちの欲を儂に求めてくる様になったんじゃ」
ジャック爺は、どこかウンザリした様な表情を見せながら、俺にそう言ってくる。その様子から、ジャック爺がそれら膨れ上がっていく王族の欲をどう思っていたのかは、一目瞭然だった。
「それって……」
「そうじゃ。儂の事を良い様に使いたいという思いが、年を経つ事に大きくなっていったんじゃろう。そう言う事もあって、カノッサ公爵やアンナ夫人と個人的に仲良くしている姿を見られてもよいが、それに依頼が絡んでくると王族がどうでてくるのか分からん。ベイルトンまで戻れば、王族やカルフォン公爵は早々手出しは出せんが、ここは王都じゃ。王族の縄張りであるここで、儂が魔道具を依頼されて作ったと知られれば、面倒になること間違いないの」
「なる程。分かったよ。俺が口頭で伝えられた事をジャック爺に伝えるか、手紙を受け取って伝えるのかは別として、その辺の事は気を付ける事にするよ。手紙の場合も、しっかりと燃やしておくから」
「うむ、そうしてくれ」
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