198 / 348
第198話
しおりを挟む
イザベラ嬢の騎士となる事を決めてから、学院長室で学院長と共に略式での卒業式を終え、カノッサ公爵家へと急いでとんぼ返りした。ジャンやマークといった友人たちに、ちゃんと説明出来ずに事を進める事に申し訳ない気持ちになるが、今は時間が惜しい。誰にも気付かれない様に騎士学院から抜け出し、王族たちが遣わしたであろう影の者たちの監視を掻い潜り、カノッサ公爵家へと真っ直ぐに向かった。幸いにも公爵家の屋敷には、ローザ・‟ナターシャ”・アウレリアと、ラインハルト王弟殿下の二人が今だ滞在中なのだ。騎士叙任式に参加するのには、この上ない程に格と歴史を有している二人だ。そこにジャック爺も加われば、誰からも文句を言われる事はない。
カノッサ公爵家の屋敷に到着して直ぐに、カノッサ公爵たちに今回の騎士学院での経緯を説明し、イザベラ嬢を魔法学院から呼び戻してもらった。それからカトリーヌさんにも屋敷へと来てもらい、イザベラ嬢とカトリーヌさんの二人にも、今回の経緯やこれから何をするのかを教えた。そして、俺を含めた八名で騎士叙任式を始めた。
「これより、我が娘イザベラの騎士となる、ウォルター・ベイルトンの騎士叙任式を行う。イザベラよ」
「はい」
カノッサ公爵の呼びかけにイザベラ嬢は答え、公爵家の屋敷にある謁見の間の上座へと立つ。服装は魔法学院の制服のままだが、その表情と雰囲気は真剣なものであり、凛として立っているその姿は正しく公爵家の令嬢に相応しい。
「ウォルター・ベイルトン。私の前に」
「はい」
俺はイザベラ嬢の凛々しい声に従って足を進め、謁見の間の上座に立つイザベラ嬢の前に跪く。イザベラ嬢は腰に差している儀式用の剣を抜き去り、その剣の平を跪いている俺の肩に向かって近づける。
「誓いの言葉を」
「我、ウォルター・ベイルトンは、イザベラ・カノッサ様に愛を誓います。どんな時も傍で支え、どの様なものからも守り抜きます。…………皆と一緒に、笑顔の溢れる家庭にしていきましょう」
誓いの言葉の最後に伝えた俺の言葉に、イザベラ嬢のみならず、騎士叙任式を見守っていたジャック爺たちも、思わずその顔に笑みを浮かべて笑い声をあげる。真剣な雰囲気だったものが少し緩い雰囲気となったが、イザベラ嬢はその顔にニッコリとした笑みを浮かべたまま、上機嫌に剣の平で俺の肩を叩く。
「ウォルターさん、私たち皆で幸せになりましょうね」
「はい。必ず」
そして、騎士叙任式の最後の仕上げに入る。イザベラ嬢は、カノッサ公爵家の紋章が刺繍された騎士のマントをカノッサ公爵から受け取り、跪く俺の肩にマントを羽織らせる。イザベラ嬢は腰の鞘に剣を戻し、俺に向かって微笑みながら右手を差しだしてくる。俺はその右手を優しく掴んで立ち上がり、イザベラ嬢に微笑みを向ける。
「今ここに、我が娘イザベラの騎士が誕生した。皆、イザベラとウォルターの二人に祝福を。……おめでとう、二人とも」
「ありがとう、お父様」
「ありがとうございます」
「皆で一緒に、家族として支え合っていくのよ」
「「はい」」
カノッサ公爵夫妻の祝福と激励に続き、ジャック爺も祝福の言葉をかけてくれるし、ローザ・‟ナターシャ”・アウレリアとラインハルト王弟殿下の二人も祝福してくれる。そして、カトリーヌさんは祝福の言葉と共に、俺とイザベラ嬢の肩を抱き寄せて微笑んでくれる。こうして俺は、騎士学院を卒業したその日の内に、イザベラ・カノッサ嬢の、生涯をかけて守る愛しい彼女の騎士となった。
カノッサ公爵家の屋敷に到着して直ぐに、カノッサ公爵たちに今回の騎士学院での経緯を説明し、イザベラ嬢を魔法学院から呼び戻してもらった。それからカトリーヌさんにも屋敷へと来てもらい、イザベラ嬢とカトリーヌさんの二人にも、今回の経緯やこれから何をするのかを教えた。そして、俺を含めた八名で騎士叙任式を始めた。
「これより、我が娘イザベラの騎士となる、ウォルター・ベイルトンの騎士叙任式を行う。イザベラよ」
「はい」
カノッサ公爵の呼びかけにイザベラ嬢は答え、公爵家の屋敷にある謁見の間の上座へと立つ。服装は魔法学院の制服のままだが、その表情と雰囲気は真剣なものであり、凛として立っているその姿は正しく公爵家の令嬢に相応しい。
「ウォルター・ベイルトン。私の前に」
「はい」
俺はイザベラ嬢の凛々しい声に従って足を進め、謁見の間の上座に立つイザベラ嬢の前に跪く。イザベラ嬢は腰に差している儀式用の剣を抜き去り、その剣の平を跪いている俺の肩に向かって近づける。
「誓いの言葉を」
「我、ウォルター・ベイルトンは、イザベラ・カノッサ様に愛を誓います。どんな時も傍で支え、どの様なものからも守り抜きます。…………皆と一緒に、笑顔の溢れる家庭にしていきましょう」
誓いの言葉の最後に伝えた俺の言葉に、イザベラ嬢のみならず、騎士叙任式を見守っていたジャック爺たちも、思わずその顔に笑みを浮かべて笑い声をあげる。真剣な雰囲気だったものが少し緩い雰囲気となったが、イザベラ嬢はその顔にニッコリとした笑みを浮かべたまま、上機嫌に剣の平で俺の肩を叩く。
「ウォルターさん、私たち皆で幸せになりましょうね」
「はい。必ず」
そして、騎士叙任式の最後の仕上げに入る。イザベラ嬢は、カノッサ公爵家の紋章が刺繍された騎士のマントをカノッサ公爵から受け取り、跪く俺の肩にマントを羽織らせる。イザベラ嬢は腰の鞘に剣を戻し、俺に向かって微笑みながら右手を差しだしてくる。俺はその右手を優しく掴んで立ち上がり、イザベラ嬢に微笑みを向ける。
「今ここに、我が娘イザベラの騎士が誕生した。皆、イザベラとウォルターの二人に祝福を。……おめでとう、二人とも」
「ありがとう、お父様」
「ありがとうございます」
「皆で一緒に、家族として支え合っていくのよ」
「「はい」」
カノッサ公爵夫妻の祝福と激励に続き、ジャック爺も祝福の言葉をかけてくれるし、ローザ・‟ナターシャ”・アウレリアとラインハルト王弟殿下の二人も祝福してくれる。そして、カトリーヌさんは祝福の言葉と共に、俺とイザベラ嬢の肩を抱き寄せて微笑んでくれる。こうして俺は、騎士学院を卒業したその日の内に、イザベラ・カノッサ嬢の、生涯をかけて守る愛しい彼女の騎士となった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる