229 / 348
第229話
しおりを挟む
獰猛な肉食獣の笑みを浮かべた女神が心行くまで楽しみ、長い長い模擬戦を全力で戦い抜いた俺に、アモル神は愛の神らしく慈愛の笑みを浮かべながら合格を告げた。そんなアモル神は肌がツヤツヤになっていて、もの凄くご機嫌な様子で満足げにしている。あの長い長い模擬戦は、アモル神もお気に召してもらえた様だ。そして、アモル神が長い時間付き合ってくれたお蔭で、俺は愛の力によって強化された状態に完全に慣れることが出来た。
「実に見事です。異なる世界からこの世界に来た稀人とはいえ、ウォルターさんの類い稀なる戦闘の才には驚かされました」
「!?…………やはり、知っていたんですね」
「当然です。私たち神々は、この星や世界を破滅に導くような存在がいないかと、常に警戒をしつつ見守っていますから。しかし、稀人が三人同時にこの世界に現れるというのは、私たち神々としても予想外ではありましたが」
「アモル様。俺たち三人が、前世の記憶をもったままこの世界に転生したのは、神々の誰かの意思が関係しているんでしょうか?」
俺はアモル神に、俺たち三人が何故記憶を持ったまま転生したのかを、真剣に聞いてみた。神々の誰かの思惑でこの世界に招かれたのなら、その理由を知っておきたいと思ったからだ。真剣な俺の質問に、アモル神は優しく微笑みを浮かべてその口を開いた。
「ウォルターさんたち三人が、記憶を持ったままこの世界に来た事に、神々の誰かの意思は関わっていません。信じてもらえるかは分かりませんが、何かの運命に引き寄せられるかの様に、ウォルターさんたち三人は同時にこの世界へとやってきました」
「運命に、引き寄せられるかの様に……」
「私個人としては、記憶を持って転生した事に関して、ウォルターさんたちは気にする事はないと思っています。親兄弟を大切しながら自由にこの世界での人生を生き、クララたちと共に幸せに過ごして天寿を全うする。それでいいと思いますよ」
アモル神は真剣な顔と雰囲気でそう言って、転生した意味について色々と考えていた俺の頭を、ゆっくりと優しく撫でてくれた。結局の所、何故俺たち三人が前世の記憶を持ったまま転生したのか、分からないままなのは変わらない。だがこの世界の神々の一柱であるアモル神から、親父や母さんたちこの世界でできた繋がりを大事にし、クララたちと一緒に幸せに過ごせと言われてホッと一安心する事が出来た。
アイオリス王国を、延いてはこの世界全てを自分たちの思う通りの世界にしようとする、暗き闇と付き従う者たちを倒す。これを成し遂げる事が出来れば、俺とイザベラたちの子や孫、そこから先の子孫たちが安心して生きていける。それと同時に、暗き闇を倒す事が出来なかった、クララの先祖である聖女ジャンヌの願いを叶える事が出来る。後の世に大きな災厄を残さざるを得ず、強い心残りを抱いたまま亡くなった聖女ジャンヌの為にも、俺たちで暗き闇を完全に倒す事を改めて決意した。
「実に見事です。異なる世界からこの世界に来た稀人とはいえ、ウォルターさんの類い稀なる戦闘の才には驚かされました」
「!?…………やはり、知っていたんですね」
「当然です。私たち神々は、この星や世界を破滅に導くような存在がいないかと、常に警戒をしつつ見守っていますから。しかし、稀人が三人同時にこの世界に現れるというのは、私たち神々としても予想外ではありましたが」
「アモル様。俺たち三人が、前世の記憶をもったままこの世界に転生したのは、神々の誰かの意思が関係しているんでしょうか?」
俺はアモル神に、俺たち三人が何故記憶を持ったまま転生したのかを、真剣に聞いてみた。神々の誰かの思惑でこの世界に招かれたのなら、その理由を知っておきたいと思ったからだ。真剣な俺の質問に、アモル神は優しく微笑みを浮かべてその口を開いた。
「ウォルターさんたち三人が、記憶を持ったままこの世界に来た事に、神々の誰かの意思は関わっていません。信じてもらえるかは分かりませんが、何かの運命に引き寄せられるかの様に、ウォルターさんたち三人は同時にこの世界へとやってきました」
「運命に、引き寄せられるかの様に……」
「私個人としては、記憶を持って転生した事に関して、ウォルターさんたちは気にする事はないと思っています。親兄弟を大切しながら自由にこの世界での人生を生き、クララたちと共に幸せに過ごして天寿を全うする。それでいいと思いますよ」
アモル神は真剣な顔と雰囲気でそう言って、転生した意味について色々と考えていた俺の頭を、ゆっくりと優しく撫でてくれた。結局の所、何故俺たち三人が前世の記憶を持ったまま転生したのか、分からないままなのは変わらない。だがこの世界の神々の一柱であるアモル神から、親父や母さんたちこの世界でできた繋がりを大事にし、クララたちと一緒に幸せに過ごせと言われてホッと一安心する事が出来た。
アイオリス王国を、延いてはこの世界全てを自分たちの思う通りの世界にしようとする、暗き闇と付き従う者たちを倒す。これを成し遂げる事が出来れば、俺とイザベラたちの子や孫、そこから先の子孫たちが安心して生きていける。それと同時に、暗き闇を倒す事が出来なかった、クララの先祖である聖女ジャンヌの願いを叶える事が出来る。後の世に大きな災厄を残さざるを得ず、強い心残りを抱いたまま亡くなった聖女ジャンヌの為にも、俺たちで暗き闇を完全に倒す事を改めて決意した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる