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第254話
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イザベラたちの強い希望によって、魔法学院主催の舞踏会に着ていくスーツは決まった。……決まったのだが、その後もイザベラたちが選んだスーツを着ては、何度も着替えて見せていった。自分たちのドレスはいいのかと思いながら着替えていたが、イザベラたちはあの短い時間にも関わらず、既に好みのドレスを確保していた様だ。そういう事なので、心配する俺の気持ちを見透かした上で大丈夫だと微笑み、全く問題ないとの答えが各自から返ってきた。改めて、俺の愛しい人たちは仕事が早いなと実感した。
色々と着替え続ける事一時間以上、艶や光沢感のある生地のスーツ以外のもので、最終的に五着まで絞り込んでくれた。五着の内三着は、艶や光沢感のある生地のスーツと同じく、オールマイティーなブラックスーツ。残りの二着は、カジュアルなダークスーツが一着と、ネイビー色のカジュアルスーツが一着となった。合計六着のスーツの他にも、ジャケットの下に着るワイシャツやネクタイ、それからトレンチコートについても何着か選んでくれて、俺としても十分に満足な買い物となった。
個人的に気にいったという事もあり、元々着ていた騎士服ではなく、艶や光沢感のある生地のブラックスーツに着替えた。堅苦しくならない様にベストを着る事はせず、ネクタイも少し緩めた状態にして、ラフな感じで友人たちの様子を見て回る事にした。
「ジャン、マーク、気に入ったスーツはあったか?」
俺が最初に声を掛けたのは、騎士学院の友人として招待したジャンとマーク、その二人の婚約者であり、イザベラたちに協力をしてくれているソレーヌ嬢とマリー嬢だ。ソレーヌ嬢とマリー嬢は、この屋敷に来た時と同じ服装をしているが、ジャンとマークの二人はスーツを着ている。ジャンはベージュ色のカジュアルスーツを身に纏い、マークはアッシュ色のカジュアルスーツを身に纏っている。
ジャンとマークの二人も、騎士学院で身体を鍛え上げている事もあって、身に纏っているスーツが大変よく似合っている。そう思ったのは俺だけでなく、二人の婚約者であるソレーヌ嬢とマリー嬢は、頬を赤く染めてそれぞれの婚約者をジッと見つめている。
「おお、ウォルターか」
「その姿、凄い似合ってるな」
「ありがとう。ジャンもマークも、スーツ姿がとてもカッコいいぞ。二人とも、本命のスーツはそれに決めたのか?」
「俺はこいつで決めた。あんまり高いものを選んでも、分相応になりそうだからな」
「そんな事はないと思うが、マークがそう言うならしょうがないな」
「俺もこのスーツに決めたよ。マリーがこのスーツを気に入ってるからな」
「ジャンはジャンで、何時もと変わらず一切ブレないな。まあ、二人が気に入ってるのならそれでいい。着ているスーツは二人が貰ってくれ」
「ありがたく貰っておくよ」
「……ウォルター。改めて聞くが、本当にいいんだよな?」
「ああ、構わない。そのスーツ以外のものも、気に入ったものは大切にしてやってくれ」
「「分かった」」
ジャンとマークとの会話が一段落ついたので、今度はソレーヌ嬢とマリー嬢にドレスなどについて聞いてみる。ただソレーヌ嬢やマリー嬢も、イザベラたちと同じく仕事が早い女性たちなので、既に自分たちのドレスなどを確保している可能性は高い。
「ソレーヌ嬢やマリー嬢は、気に入ったドレスを確保出来ましたか?」
「ええ、何着かは既に確保済みです」
「魅力的なドレスが沢山あって選ぶのに迷いましたが、自分の好きな色やデザインで何着かに絞り込んで、他の方に取られてしまう前に確保しておきました」
「やっぱり、お二人とも仕事が早いですね」
「「ありがとうございます」」
「イザベラ嬢たちの方も、もうドレスは確保してあるのか?」
「ああ、もう確保済みだそうだ。今は、今度ある魔法学院の舞踏会で着るドレスをどれにするのか、皆で一緒に相談している所だ」
「「舞踏会」」
舞踏会という単語に反応し、ソレーヌ嬢とマリー嬢が真剣な眼差しでジャンとマークを見ながら、意識を集中して考え込んでいく。考え込んでいる二人の脳内では、確保したドレスが次々と現れては消えているのだろう。イザベラたちも真剣に悩んでいたので、女性にとって舞踏会でのドレスというのは、男には分からない特別なものだという事だ。
ソレーヌ嬢とマリー嬢の様子から、ジャンとマークの舞踏会用のスーツ選びの時間が、今からまた長時間に亘って始まるのだろう。それを理解したジャンは僅かに引きつった笑みを浮かべ、マークは諦めの雰囲気を放ちながら笑みを浮かべる。だが、婚約役者に文句を言う事なく、ただ黙ってプチファッションショーの時間へと挑むのだった。
色々と着替え続ける事一時間以上、艶や光沢感のある生地のスーツ以外のもので、最終的に五着まで絞り込んでくれた。五着の内三着は、艶や光沢感のある生地のスーツと同じく、オールマイティーなブラックスーツ。残りの二着は、カジュアルなダークスーツが一着と、ネイビー色のカジュアルスーツが一着となった。合計六着のスーツの他にも、ジャケットの下に着るワイシャツやネクタイ、それからトレンチコートについても何着か選んでくれて、俺としても十分に満足な買い物となった。
個人的に気にいったという事もあり、元々着ていた騎士服ではなく、艶や光沢感のある生地のブラックスーツに着替えた。堅苦しくならない様にベストを着る事はせず、ネクタイも少し緩めた状態にして、ラフな感じで友人たちの様子を見て回る事にした。
「ジャン、マーク、気に入ったスーツはあったか?」
俺が最初に声を掛けたのは、騎士学院の友人として招待したジャンとマーク、その二人の婚約者であり、イザベラたちに協力をしてくれているソレーヌ嬢とマリー嬢だ。ソレーヌ嬢とマリー嬢は、この屋敷に来た時と同じ服装をしているが、ジャンとマークの二人はスーツを着ている。ジャンはベージュ色のカジュアルスーツを身に纏い、マークはアッシュ色のカジュアルスーツを身に纏っている。
ジャンとマークの二人も、騎士学院で身体を鍛え上げている事もあって、身に纏っているスーツが大変よく似合っている。そう思ったのは俺だけでなく、二人の婚約者であるソレーヌ嬢とマリー嬢は、頬を赤く染めてそれぞれの婚約者をジッと見つめている。
「おお、ウォルターか」
「その姿、凄い似合ってるな」
「ありがとう。ジャンもマークも、スーツ姿がとてもカッコいいぞ。二人とも、本命のスーツはそれに決めたのか?」
「俺はこいつで決めた。あんまり高いものを選んでも、分相応になりそうだからな」
「そんな事はないと思うが、マークがそう言うならしょうがないな」
「俺もこのスーツに決めたよ。マリーがこのスーツを気に入ってるからな」
「ジャンはジャンで、何時もと変わらず一切ブレないな。まあ、二人が気に入ってるのならそれでいい。着ているスーツは二人が貰ってくれ」
「ありがたく貰っておくよ」
「……ウォルター。改めて聞くが、本当にいいんだよな?」
「ああ、構わない。そのスーツ以外のものも、気に入ったものは大切にしてやってくれ」
「「分かった」」
ジャンとマークとの会話が一段落ついたので、今度はソレーヌ嬢とマリー嬢にドレスなどについて聞いてみる。ただソレーヌ嬢やマリー嬢も、イザベラたちと同じく仕事が早い女性たちなので、既に自分たちのドレスなどを確保している可能性は高い。
「ソレーヌ嬢やマリー嬢は、気に入ったドレスを確保出来ましたか?」
「ええ、何着かは既に確保済みです」
「魅力的なドレスが沢山あって選ぶのに迷いましたが、自分の好きな色やデザインで何着かに絞り込んで、他の方に取られてしまう前に確保しておきました」
「やっぱり、お二人とも仕事が早いですね」
「「ありがとうございます」」
「イザベラ嬢たちの方も、もうドレスは確保してあるのか?」
「ああ、もう確保済みだそうだ。今は、今度ある魔法学院の舞踏会で着るドレスをどれにするのか、皆で一緒に相談している所だ」
「「舞踏会」」
舞踏会という単語に反応し、ソレーヌ嬢とマリー嬢が真剣な眼差しでジャンとマークを見ながら、意識を集中して考え込んでいく。考え込んでいる二人の脳内では、確保したドレスが次々と現れては消えているのだろう。イザベラたちも真剣に悩んでいたので、女性にとって舞踏会でのドレスというのは、男には分からない特別なものだという事だ。
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