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第313話
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ご自慢である一撃必殺の魔法を簡単に消し去られた事に、若造は驚きとほんの僅かな恐怖の感情を抱き、ありえないといった様子で呆然としている。そして、自分が見た光景が現実であるとしっかりと認識した時、白骨化させた身体をカタカタと震わせ始めた。
(流石にあの光景を見れば、頭のおかしい若造も恐怖を抱くか)
そんな事を儂が考えていると、若造が白骨化した身体を一度大きく震わせて、狂ったかの様に大声で笑い始める。その笑い声に含まれる感情は読み取れないが、若造にとって途轍もなく大きな感情である事は間違いないじゃろう。
「――――ハハハ!!…………認めぬ。絶対に認めぬ!!偉大なる主様に選ばれた私こそが、この世界で最も高みにいるに相応しい、誰にも負けぬ最強の魔法使いなのだ!!」
様々な感情が混じり合い、それが混沌とした大きな一つの感情となり、それが一気に爆発したみたいじゃな。そんな感情の爆発の燃料となったのは、やはり愚かな若造らしく怒りの感情。
若造は燃え滾る感情を力に、暗き闇の魔力を急速に高めていく。そして、高めた膨大で濃密な魔力でもって、自身の前方に一つの小さな魔法陣を展開。
しかし、魔法陣の大きさだけで侮ってはいかん。あれはただ小さいのではなく、膨大で濃密な魔力を圧縮しておるのだ。圧縮した魔力を安定させつつ、さらにその圧縮した魔力で魔法陣を構築してみせた。そんな魔法陣から放たれる魔法の威力は、漆黒のワイバーンよりも凄まじいのは想像に難くないの。
「これならば、貴様も逆算する事は不可能!!以前の様な失態は繰り返さん!!」
ここまで膨大で濃密な魔力を圧縮した魔法を逆算する事は、不可能ではないが危険が大きすぎる。逆算して魔法の制御を奪い取った瞬間から、圧縮された魔力によって展開された魔法陣を制御しなければならん。少しでも制御や扱いを間違えれば、儂だけでなく周囲にまで大きな影響と被害を齎す。
それに、もう一つの問題で大きく立ちはだかるのが、若造の使用する魔力が暗き闇の魔力だという事じゃ。魔法競技大会の時に逆算した時も、あの禍々しく肌を刺す冷たい魔力を押さえつけるのに苦労した。あの時の魔力も相当じゃったが、今回はあの時の魔力よりも量・質ともに上じゃ。容易く押さえつけられてはくれんじゃろうな。
(寧ろこれ幸いとばかりに暴れ回って、制御に精一杯という状態に追い込まれるのは目に見えとる)
だとすれば、やる事は一つ。真正面から魔法をぶつけ合い、その高過ぎるプライドを完全に砕き、命の灯を一瞬で消し去る。
儂は魔力を急速に高め、その魔力を圧縮して魔法陣を前方に展開する。だが、展開していく魔法陣の数は若造と違い一つではない。頭上・左右・足下と、圧縮した魔力による色とりどりの魔法陣を展開。さらに、そこから外側に広がる様に魔法陣が次々と展開されていく。
最初は余裕の笑みを浮かべ、儂を見下す雰囲気を視線を送っていた若造も、続々と展開されていく魔法陣を見て、徐々に余裕と勢いを失っていく。頭部が白骨化しているが、顔を真っ青にしているのが想像出来てしまうくらい、若造の雰囲気が激変しておる。
「さて、魔法のぶつけ合いといこうかの」
「…………ウォオオオオ――――!!」
若造の漆黒の魔法陣から、雷の上位属性魔法による巨大な光線が放たれる。バチバチと激しく周囲に放電し、空を焼き焦がしながら儂へと一直線に向かってくる。
それに対して、儂も展開した上位属性魔法の魔法陣を全て発動し、火・水・光など幾つもの属性の光線を若造に向かって放つ。そして、相手に向かっていく両者の光線が、真正面からぶつかり合う。
しかし、それも長くは続かない。若造は巨大であっても一つ、儂は威力は多少劣るが数はある。一つの魔法同時でぶつかり合えば勝てぬが、数が合わさりそれが大きな一つの力となれば、強大な一つの魔法を打ち破る事が出来る。
儂の魔法の光線が、若造の魔法の光線を押し戻しながら、若造の方へと進んでいく。若造は魔力をさらに込めて、魔法を強化して儂の方へと押し戻そうとするが、時すでに遅し。儂の魔法の光線の勢いは止まる事なく、ドンドンと若造へと迫り、遂に若造の魔法陣の僅かに手間といった所まできた。
「――――終わりじゃ、若造」
「ヒッ!!……そんなバカな……私は……どうして……御助けを、我らが偉大なる――」
儂は戦いの終わりを宣言し、若造の魔法陣を魔法の光線で砕き、そのまま魔法の光線が若造を呑み込む。若造は魔法の光線に呑み込まれる瞬間、死の恐怖に怯え声を上げ、自身の人生を振り返り、最後に暗き闇に助けを求める声を上げようとした所で、光線に呑み込まれていった。
いくらリッチという存在と融合し、魔人という種に至ったとはいえ、不死の存在ではない。それは、若造がリッチの魔石を手に入れたという事で証明されておる。どれだけ再生能力が高くとも、塵一つ残さず消滅させられたら、その身体を再生する事も出来ん。それは、魔境に生息する魔物であっても変わらぬ。
儂の魔法の光線が通り過ぎた後には、何も残っていはいなかった。若造の暗き闇の魔力も、リッチの放つ禍々しい死の気配も、この場や周囲から一切感じられない。若造は、完全なる消滅という形でこの世界から消え去った。
(流石にあの光景を見れば、頭のおかしい若造も恐怖を抱くか)
そんな事を儂が考えていると、若造が白骨化した身体を一度大きく震わせて、狂ったかの様に大声で笑い始める。その笑い声に含まれる感情は読み取れないが、若造にとって途轍もなく大きな感情である事は間違いないじゃろう。
「――――ハハハ!!…………認めぬ。絶対に認めぬ!!偉大なる主様に選ばれた私こそが、この世界で最も高みにいるに相応しい、誰にも負けぬ最強の魔法使いなのだ!!」
様々な感情が混じり合い、それが混沌とした大きな一つの感情となり、それが一気に爆発したみたいじゃな。そんな感情の爆発の燃料となったのは、やはり愚かな若造らしく怒りの感情。
若造は燃え滾る感情を力に、暗き闇の魔力を急速に高めていく。そして、高めた膨大で濃密な魔力でもって、自身の前方に一つの小さな魔法陣を展開。
しかし、魔法陣の大きさだけで侮ってはいかん。あれはただ小さいのではなく、膨大で濃密な魔力を圧縮しておるのだ。圧縮した魔力を安定させつつ、さらにその圧縮した魔力で魔法陣を構築してみせた。そんな魔法陣から放たれる魔法の威力は、漆黒のワイバーンよりも凄まじいのは想像に難くないの。
「これならば、貴様も逆算する事は不可能!!以前の様な失態は繰り返さん!!」
ここまで膨大で濃密な魔力を圧縮した魔法を逆算する事は、不可能ではないが危険が大きすぎる。逆算して魔法の制御を奪い取った瞬間から、圧縮された魔力によって展開された魔法陣を制御しなければならん。少しでも制御や扱いを間違えれば、儂だけでなく周囲にまで大きな影響と被害を齎す。
それに、もう一つの問題で大きく立ちはだかるのが、若造の使用する魔力が暗き闇の魔力だという事じゃ。魔法競技大会の時に逆算した時も、あの禍々しく肌を刺す冷たい魔力を押さえつけるのに苦労した。あの時の魔力も相当じゃったが、今回はあの時の魔力よりも量・質ともに上じゃ。容易く押さえつけられてはくれんじゃろうな。
(寧ろこれ幸いとばかりに暴れ回って、制御に精一杯という状態に追い込まれるのは目に見えとる)
だとすれば、やる事は一つ。真正面から魔法をぶつけ合い、その高過ぎるプライドを完全に砕き、命の灯を一瞬で消し去る。
儂は魔力を急速に高め、その魔力を圧縮して魔法陣を前方に展開する。だが、展開していく魔法陣の数は若造と違い一つではない。頭上・左右・足下と、圧縮した魔力による色とりどりの魔法陣を展開。さらに、そこから外側に広がる様に魔法陣が次々と展開されていく。
最初は余裕の笑みを浮かべ、儂を見下す雰囲気を視線を送っていた若造も、続々と展開されていく魔法陣を見て、徐々に余裕と勢いを失っていく。頭部が白骨化しているが、顔を真っ青にしているのが想像出来てしまうくらい、若造の雰囲気が激変しておる。
「さて、魔法のぶつけ合いといこうかの」
「…………ウォオオオオ――――!!」
若造の漆黒の魔法陣から、雷の上位属性魔法による巨大な光線が放たれる。バチバチと激しく周囲に放電し、空を焼き焦がしながら儂へと一直線に向かってくる。
それに対して、儂も展開した上位属性魔法の魔法陣を全て発動し、火・水・光など幾つもの属性の光線を若造に向かって放つ。そして、相手に向かっていく両者の光線が、真正面からぶつかり合う。
しかし、それも長くは続かない。若造は巨大であっても一つ、儂は威力は多少劣るが数はある。一つの魔法同時でぶつかり合えば勝てぬが、数が合わさりそれが大きな一つの力となれば、強大な一つの魔法を打ち破る事が出来る。
儂の魔法の光線が、若造の魔法の光線を押し戻しながら、若造の方へと進んでいく。若造は魔力をさらに込めて、魔法を強化して儂の方へと押し戻そうとするが、時すでに遅し。儂の魔法の光線の勢いは止まる事なく、ドンドンと若造へと迫り、遂に若造の魔法陣の僅かに手間といった所まできた。
「――――終わりじゃ、若造」
「ヒッ!!……そんなバカな……私は……どうして……御助けを、我らが偉大なる――」
儂は戦いの終わりを宣言し、若造の魔法陣を魔法の光線で砕き、そのまま魔法の光線が若造を呑み込む。若造は魔法の光線に呑み込まれる瞬間、死の恐怖に怯え声を上げ、自身の人生を振り返り、最後に暗き闇に助けを求める声を上げようとした所で、光線に呑み込まれていった。
いくらリッチという存在と融合し、魔人という種に至ったとはいえ、不死の存在ではない。それは、若造がリッチの魔石を手に入れたという事で証明されておる。どれだけ再生能力が高くとも、塵一つ残さず消滅させられたら、その身体を再生する事も出来ん。それは、魔境に生息する魔物であっても変わらぬ。
儂の魔法の光線が通り過ぎた後には、何も残っていはいなかった。若造の暗き闇の魔力も、リッチの放つ禍々しい死の気配も、この場や周囲から一切感じられない。若造は、完全なる消滅という形でこの世界から消え去った。
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