319 / 348
第319話
しおりを挟む
(確実に骨まで到達した。だが、この一撃で終わると再生能力で直ぐに再生される。だからこそ――――)
「――ここで確実に仕留めにいく」
逆手で持っている状態の右手をパッと開き、振り抜いたロングソードの柄から手離し、本来の持ち方である順手に持ち替える。そして息吐く間もなく、目にも止まらぬ速さでもって、右脇腹から左肩に向けての左切り上げの一振りを放つ。
漆黒の炎をいとも容易く破られ、右切り上げの一振りによって大きく深く切り裂かれたオーガは、困惑と驚きによって思考が停止して動く事が出来ない。そして、身体に真っ直ぐに吸い込まれる様に、左切り上げの一振りがその身体を綺麗に滑っていく。
「ガァアアアアアア――――!!」
「――――まだまだ」
左切り上げと右切り上げによる大きく深い切り傷から、勢いよく血しぶきが噴き出す。ここまでの出血量ならば、普通の人間は出血多量で死にかけているし、大多数の魔物も致命傷となっている。
だが、元々再生能力が高く、非常にタフなオーガは別だ。さらに、人間と魔物の融合で生まれた魔人という事を考えれば、これではまだ足りない。オーガや主導権を再び取り戻した粗暴な男が持ち直す前に、ここで勝負をかけると決めて、目にも止まらぬ速さでの連撃を放つ。
しかし、ここでオーガの思考も動き出す。身体を斜め十字に切り裂かれた痛みに呻きながら、漆黒の炎の密度をさらに上げて防御力を上げ、俺の連撃を無傷で防ごうとする。だが、何度やっても同じだ。どれだけ漆黒の炎の密度を上げようとも、攻勢の魔力を纏わせたロングソードの刃を防ぐ事は出来ない。
(まずは右腕)
振るわれるロングソードを受け止めようとした右腕を、二の腕の位置で綺麗に切り裂く。
(次は左腕)
オーガは、さらに炎の密度と魔力を上げる。そして、今度は受け止めではなく受け流しに切り替え、左腕でロングソードの刃を受け流そうとする。だが、受け流す間も与えずに苦もなく、受け流そうとした左腕を二の腕の位置で綺麗に切り裂く。
(次は両脚)
両腕を連続で切り裂かれたオーガは、ここにきて命の危機をようやく感じたのか、この土壇場になって急に冷静になった様だ。防御も回避も不可能だと判断し、なりふり構わずに距離を取る選択をした。だが、それは致命的なまでに遅すぎる。
「――――逃がすわけないだろう」
俺がそういった瞬間、オーガは距離を取る事を諦めて、目に強い意志を宿して真っ向から迎え撃つ事を選択する。残った両脚に漆黒の闇と魔力を全集中させ、魔人としての肉体を限界まで強化し、残像すらも残さぬ閃光の如き蹴りを放ってくる。
しかし、それは俺も同じだ。アモル神やアセナ様たちの身体強化を参考にして改良した、新たな身体強化の魔法を発動して肉体を大幅に強化する。そして、強化された俺の目には、オーガの両脚による連撃がしっかりと目に映っている。
「ゴァアアアアアアアア!!」
「――――――!!」
迫りくる二連撃は、正確に俺の頭部を狙って放たれている。その閃光の如き連撃に対して、こちらも一閃の二連撃を放って迎え撃つ。そして、俺の二連撃とオーガの二連撃が真っ向からぶつかり合う。
「生まれながらの力を磨く事もせず、ここに至るまで驕りが過ぎたな」
互いの二連撃がぶつかり合った結果、勝敗はどちらも俺に軍配が上がった。オーガの両脚は、どちらも膝上を綺麗に切り裂かれており、傷口から血が引き出し地へと零れ落ちていく。
両腕・両脚を失ったオーガに、最後の止めを刺す為に近づいていく。その時、何とも言えない事が起きた。オーガは、今度こそ完全に自分が死に至ると理解し、その恐怖から完全に戦意喪失して意識を手放す事で逃げ出した。そして強制的に意識を戻された粗暴な男が、オーガと同じく完全に戦意を喪失し、恐怖を浮かべた顔で俺を見る。
「…………剣鬼」
「何事も、道を極めるというのは修羅の道。鬼になるくらいで極められるものでもない。それに鬼が出たくらいで驚いてたら、命が幾つあっても足りない。お前も相棒の男も、その辺舐め過ぎなんだよ」
俺は恐怖に歪んだ顔をしている粗暴の男の首を、ロングソードをサッと横一線に振り抜き、確実に殺す為に切り裂いた。切り裂かれた粗暴な男の首に、スーッと血の線が浮かび上がる。そして、ゆっくりと粗暴な男の首がズレ落ちていき、最後に胴体から別れて地面にボトリと落ちた。
「――ここで確実に仕留めにいく」
逆手で持っている状態の右手をパッと開き、振り抜いたロングソードの柄から手離し、本来の持ち方である順手に持ち替える。そして息吐く間もなく、目にも止まらぬ速さでもって、右脇腹から左肩に向けての左切り上げの一振りを放つ。
漆黒の炎をいとも容易く破られ、右切り上げの一振りによって大きく深く切り裂かれたオーガは、困惑と驚きによって思考が停止して動く事が出来ない。そして、身体に真っ直ぐに吸い込まれる様に、左切り上げの一振りがその身体を綺麗に滑っていく。
「ガァアアアアアア――――!!」
「――――まだまだ」
左切り上げと右切り上げによる大きく深い切り傷から、勢いよく血しぶきが噴き出す。ここまでの出血量ならば、普通の人間は出血多量で死にかけているし、大多数の魔物も致命傷となっている。
だが、元々再生能力が高く、非常にタフなオーガは別だ。さらに、人間と魔物の融合で生まれた魔人という事を考えれば、これではまだ足りない。オーガや主導権を再び取り戻した粗暴な男が持ち直す前に、ここで勝負をかけると決めて、目にも止まらぬ速さでの連撃を放つ。
しかし、ここでオーガの思考も動き出す。身体を斜め十字に切り裂かれた痛みに呻きながら、漆黒の炎の密度をさらに上げて防御力を上げ、俺の連撃を無傷で防ごうとする。だが、何度やっても同じだ。どれだけ漆黒の炎の密度を上げようとも、攻勢の魔力を纏わせたロングソードの刃を防ぐ事は出来ない。
(まずは右腕)
振るわれるロングソードを受け止めようとした右腕を、二の腕の位置で綺麗に切り裂く。
(次は左腕)
オーガは、さらに炎の密度と魔力を上げる。そして、今度は受け止めではなく受け流しに切り替え、左腕でロングソードの刃を受け流そうとする。だが、受け流す間も与えずに苦もなく、受け流そうとした左腕を二の腕の位置で綺麗に切り裂く。
(次は両脚)
両腕を連続で切り裂かれたオーガは、ここにきて命の危機をようやく感じたのか、この土壇場になって急に冷静になった様だ。防御も回避も不可能だと判断し、なりふり構わずに距離を取る選択をした。だが、それは致命的なまでに遅すぎる。
「――――逃がすわけないだろう」
俺がそういった瞬間、オーガは距離を取る事を諦めて、目に強い意志を宿して真っ向から迎え撃つ事を選択する。残った両脚に漆黒の闇と魔力を全集中させ、魔人としての肉体を限界まで強化し、残像すらも残さぬ閃光の如き蹴りを放ってくる。
しかし、それは俺も同じだ。アモル神やアセナ様たちの身体強化を参考にして改良した、新たな身体強化の魔法を発動して肉体を大幅に強化する。そして、強化された俺の目には、オーガの両脚による連撃がしっかりと目に映っている。
「ゴァアアアアアアアア!!」
「――――――!!」
迫りくる二連撃は、正確に俺の頭部を狙って放たれている。その閃光の如き連撃に対して、こちらも一閃の二連撃を放って迎え撃つ。そして、俺の二連撃とオーガの二連撃が真っ向からぶつかり合う。
「生まれながらの力を磨く事もせず、ここに至るまで驕りが過ぎたな」
互いの二連撃がぶつかり合った結果、勝敗はどちらも俺に軍配が上がった。オーガの両脚は、どちらも膝上を綺麗に切り裂かれており、傷口から血が引き出し地へと零れ落ちていく。
両腕・両脚を失ったオーガに、最後の止めを刺す為に近づいていく。その時、何とも言えない事が起きた。オーガは、今度こそ完全に自分が死に至ると理解し、その恐怖から完全に戦意喪失して意識を手放す事で逃げ出した。そして強制的に意識を戻された粗暴な男が、オーガと同じく完全に戦意を喪失し、恐怖を浮かべた顔で俺を見る。
「…………剣鬼」
「何事も、道を極めるというのは修羅の道。鬼になるくらいで極められるものでもない。それに鬼が出たくらいで驚いてたら、命が幾つあっても足りない。お前も相棒の男も、その辺舐め過ぎなんだよ」
俺は恐怖に歪んだ顔をしている粗暴の男の首を、ロングソードをサッと横一線に振り抜き、確実に殺す為に切り裂いた。切り裂かれた粗暴な男の首に、スーッと血の線が浮かび上がる。そして、ゆっくりと粗暴な男の首がズレ落ちていき、最後に胴体から別れて地面にボトリと落ちた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる