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『狂いし蒼き太陽』
/燃ゆる落日01
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テオはがむしゃらに走っていた。ボールスを探して。路地裏は入り組んでおり、迷いそうだった。
「ボールス!」
叫びながら走る。少しでもボールスが声を出してくれればいいと思って叫ぶ。悲鳴でも何でもいい。ボールスの声が聞こえたらすぐに助けてやる。
そう思い、走り続ける。
「っ、ハァハァ…」
呼吸を乱し、少しだけ壁に寄りかかる。走りっぱなしだった。不意に遠くを見る。狭い路地にところ狭しと並ぶ建物。その隙間から赤い、まるで炎のようなものが揺らめいた。
「何だ?」
ボールスを探さなければならないのに何故かそちらの方へ足が向いた。気がついたら走り出していた。そちらの方へ向かって。
何度も角を曲がり、右へ左へ。まるで導かれるように道を選んで走り抜けた。たどり着いた先は軽く開けた広場だった。だが、広場といえど荷物が散らばり荒れ果て、一見すると誰もいないように思えた。
テオははっきりと確認した。青い髪の男を。白いコートを羽織り、風になびかせている。そして、その風に混じる人が焼けたような臭いに顔をしかめた。
「お前……」
テオは声をかけようとする。だが、青い髪の男が抱えている人物を見て、一瞬にして頭に血が上った。大太刀を抜き、青い髪の男に向かって疾走した。
「あぁぁああッ!!」
咆哮し、その大太刀で切りつける。だが、それはスルリと躱される。怒りに任せた大振りな剣だ。殺気が分かれば容易に躱される。
「随分な挨拶だこと……後ろから卑怯とは思わないのか?」
振り向かずに青い髪の男はそう言葉にする。
「ボールスを離せ」
テオは聞く耳を持たず二の太刀を下ろす。
「何だ、こいつらの仲間じゃないのか。だが、遅い」
青い髪の男がそう言うと、不意に足元に殺気が充満した。
尖り、洗練された殺気。危険を感じ、テオは瞬時にその場から飛び退く。それと同時に光の柱が浮かんだ。熱を持ち、激しく燃え上がる熱線。
「むっ!」
寸でで避けたテオに炎の熱気が伝わる。
「よく避けたな。普通は気づかすに焼け死ぬんだがな」
青い髪の男の言葉を聞きながら、テオは一つ息を吐いた。頭に血を上らせて勝てる相手ではない。調子を整えたところで青い髪の男がようやくテオにその顔を見せた。
「ボールス!」
叫びながら走る。少しでもボールスが声を出してくれればいいと思って叫ぶ。悲鳴でも何でもいい。ボールスの声が聞こえたらすぐに助けてやる。
そう思い、走り続ける。
「っ、ハァハァ…」
呼吸を乱し、少しだけ壁に寄りかかる。走りっぱなしだった。不意に遠くを見る。狭い路地にところ狭しと並ぶ建物。その隙間から赤い、まるで炎のようなものが揺らめいた。
「何だ?」
ボールスを探さなければならないのに何故かそちらの方へ足が向いた。気がついたら走り出していた。そちらの方へ向かって。
何度も角を曲がり、右へ左へ。まるで導かれるように道を選んで走り抜けた。たどり着いた先は軽く開けた広場だった。だが、広場といえど荷物が散らばり荒れ果て、一見すると誰もいないように思えた。
テオははっきりと確認した。青い髪の男を。白いコートを羽織り、風になびかせている。そして、その風に混じる人が焼けたような臭いに顔をしかめた。
「お前……」
テオは声をかけようとする。だが、青い髪の男が抱えている人物を見て、一瞬にして頭に血が上った。大太刀を抜き、青い髪の男に向かって疾走した。
「あぁぁああッ!!」
咆哮し、その大太刀で切りつける。だが、それはスルリと躱される。怒りに任せた大振りな剣だ。殺気が分かれば容易に躱される。
「随分な挨拶だこと……後ろから卑怯とは思わないのか?」
振り向かずに青い髪の男はそう言葉にする。
「ボールスを離せ」
テオは聞く耳を持たず二の太刀を下ろす。
「何だ、こいつらの仲間じゃないのか。だが、遅い」
青い髪の男がそう言うと、不意に足元に殺気が充満した。
尖り、洗練された殺気。危険を感じ、テオは瞬時にその場から飛び退く。それと同時に光の柱が浮かんだ。熱を持ち、激しく燃え上がる熱線。
「むっ!」
寸でで避けたテオに炎の熱気が伝わる。
「よく避けたな。普通は気づかすに焼け死ぬんだがな」
青い髪の男の言葉を聞きながら、テオは一つ息を吐いた。頭に血を上らせて勝てる相手ではない。調子を整えたところで青い髪の男がようやくテオにその顔を見せた。
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