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『狂いし蒼き太陽』
/燃ゆる落日02
しおりを挟む端整な顔つきをしている。一見、好青年のようにも見え、好戦的のようにも見えた。茶色の瞳がテオを見つめる。
「何だ、お前か」
青い髪の男はそう言いながら口の端を吊り上げて笑う。
「む?」
その笑みにテオは一瞬困惑する。友好的に笑っているように見えて、目はまるで笑っていない。何かどす黒いものがそこに渦巻いているような気がした。
「感謝こそされることはあれ、いきなりそのデカブツで切りつけられる覚えはないな」
ボールスを片腕で抱きながら、右手は剣に触れている。油断はできない。
「お前がボールスを連れ去ったんだろう?」
警戒しながらテオは青い髪の男を見る。普通に話しているようなのに何故か不思議な感覚に捕らわれる。違和感だらけだった。テオはその違和感が全く掴めないでいた。
「全く、話を聞けよ。感謝しろ。ここでヤられていたボールスを助けたのは俺だぜ? 最も当事者は最早消し炭だかな」
青い髪の男の話を聞きテオは周囲を見回した。地面が黒く変色している。
「さっきの熱線か」
テオはゾッとした。食らっていたら同じようになっていたかもしれない。
「不思議な術を使うな。この世界じゃ、魔法使いはいないと思っていたが」
青い髪の男がしたことを考えるとそれしか考え付かなかった。熱線などその場に自然に発生するものではない。何かしらの特別な魔法のようなものでもない限りは説明ができない。ただ、この世界で魔法と言えば奴隷の区別をつけるための紋様を刻むものだけが認知されているが、それは魔法とは言いがたい代物だ。
「お前、何者だ?」
テオは大太刀を握りしめながら青い髪の男に問う。何よりも殺気の鋭さが気になった。始めて街に入った時、街中で感じた殺気に似ていた。
警戒と畏怖。それと同時に高揚する。間違いなく強者。
「何者と問われてもな。魔法使いでないことは確かなことだな」
青い髪の男はそっとボールスを見る。白い顔に浮かぶ痣が痛々しい。そして、閉じた瞳から涙が一滴流れ落ちるのを見て、青い髪の男はフッと笑う。
「答える義務もない。それに悪いが、ボールスを連れ去るのは今からだ」
青い髪の男はそう答えると、ボールスをテオに見せつけるように抱き締めると唇を首に近づけた。テオはそれを見て顔をしかめた。
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