Lastbabylon

将義双世/マサヨシソウセイ

文字の大きさ
98 / 144
『狂いし蒼き太陽』

/燃ゆる落日02

しおりを挟む

端整な顔つきをしている。一見、好青年のようにも見え、好戦的のようにも見えた。茶色の瞳がテオを見つめる。

 「何だ、お前か」

青い髪の男はそう言いながら口の端を吊り上げて笑う。

 「む?」

その笑みにテオは一瞬困惑する。友好的に笑っているように見えて、目はまるで笑っていない。何かどす黒いものがそこに渦巻いているような気がした。

 「感謝こそされることはあれ、いきなりそのデカブツで切りつけられる覚えはないな」

ボールスを片腕で抱きながら、右手は剣に触れている。油断はできない。

 「お前がボールスを連れ去ったんだろう?」

警戒しながらテオは青い髪の男を見る。普通に話しているようなのに何故か不思議な感覚に捕らわれる。違和感だらけだった。テオはその違和感が全く掴めないでいた。

 「全く、話を聞けよ。感謝しろ。ここでヤられていたボールスを助けたのは俺だぜ? 最も当事者は最早消し炭だかな」

青い髪の男の話を聞きテオは周囲を見回した。地面が黒く変色している。

 「さっきの熱線か」

テオはゾッとした。食らっていたら同じようになっていたかもしれない。

 「不思議な術を使うな。この世界じゃ、魔法使いはいないと思っていたが」

青い髪の男がしたことを考えるとそれしか考え付かなかった。熱線などその場に自然に発生するものではない。何かしらの特別な魔法のようなものでもない限りは説明ができない。ただ、この世界で魔法と言えば奴隷の区別をつけるための紋様を刻むものだけが認知されているが、それは魔法とは言いがたい代物だ。

 「お前、何者だ?」

テオは大太刀を握りしめながら青い髪の男に問う。何よりも殺気の鋭さが気になった。始めて街に入った時、街中で感じた殺気に似ていた。

警戒と畏怖。それと同時に高揚する。間違いなく強者。

 「何者と問われてもな。魔法使いでないことは確かなことだな」

青い髪の男はそっとボールスを見る。白い顔に浮かぶ痣が痛々しい。そして、閉じた瞳から涙が一滴流れ落ちるのを見て、青い髪の男はフッと笑う。

 「答える義務もない。それに悪いが、ボールスを連れ去るのは今からだ」

青い髪の男はそう答えると、ボールスをテオに見せつけるように抱き締めると唇を首に近づけた。テオはそれを見て顔をしかめた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

処理中です...