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[Revenant/Fantome]
[05]第七話 白き真珠
しおりを挟むクローダスが去った後、イベリスはヘリンの側についていた。
城が壊され、騎士も兵士も傷つき看病できるものは多くない。
幸運なことにヘリンはファントムと化したアルフレッドから傷つけられることはなかった。
ただ、気絶していただけだった。
目を覚ますのをイベリスは待っていた。
椅子に座り、ヘリンの様子を見ながら、その手には一冊の本を持っていた。
『残虐な王の最期』
クローダスが去ってから、気になっていた。
記憶のないクローダスという少年。
祖父ボールスを知っているというクローダスという少年。
これは何を意味するのだろうとイベリスはずっと考えていた。
そして、いつもあり得ない解答へ導かれる。
クローダス王は生きていたのではないか。
正確には生き返ったのではないか。
そうだとすれば、この本を読んでくれなかった祖父ボールスの答えが分かる。
イベリスは本を抱きしめた。
もし、あのクローダスが本当にクローダス王であれば、謎が解ける。
胸に、秘めた思いが燃え上がるのを感じた。
親不孝と言われてもいい。
イベリスの決心は変わらない。
全ては疑問を探究する為。
「う、ううん……」
ヘリンが体を動かし、そっと目を開く。
イベリスはヘリンが意識を取り戻したのを見て、静かにその思いを告げた。
………
……
…
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