なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?

詩河とんぼ

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第27話 優しく

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 ハートが20000を超えました!!ありがとうございます!!
(*^▽^*)



 婚約破棄を言った次の日は休日だったため、手続きをして一度家へ帰った。

「あら、カイルおかえり」

 ちょうどサシャ姉も帰ってきていたらしい。レイ兄は所属している部活動(前世でいう剣道的な部活)の試合がこの週末にあるようで、帰ってきていなかった。
 一旦部屋に戻って気持ちを整理していると、ラナが部屋を訪れ、父が俺を呼んでいるということを伝えてきた。父の仕事部屋に行くと、父と母がいた。

「カイラント、アルスタ様と何があったんだい?」

「どうして?」

 そう聞くと、アルスタの家が急ぎで手紙を送ってきたと教えてくれた。

「あちらはあなたと婚約破棄はしたくないと言っているわ」

「……そんなわけないじゃないか」

 俺の口から最近のアルスタの行動について語った。

「……そうか。お前がどうしても、というならできるか分からないが、婚約破棄に持ち込めるように話してみるよ」

「……お願いします」

 その日の家族のディナーの雰囲気は今までで一番重かった。


「カイル?サーシャよ、入ってもいい?」

「どうぞ」

 ディナーの後、サシャ姉が俺の部屋へ来た。

「お父様とお母様から聞いたわ。アルスタ様について悩んでいるようね。あなたさえよければ私にも、カイルの口から教えてくれないかしら」

「……分かりました」

 俺は父と母に言ったのと同じ内容のことを話した。
 話を聞き終えたサシャ姉は俺の頭を撫でた。

「カイルはまだアレスのことが好きなんじゃない?」

「そ、そんなことは」

「だって、あなたのその気持ちはアレスが別の、可愛い子と話していて嫉妬したからなんじゃないの?」

「……」

 何か言い返そうと思ったが、何も返せなかった。

「まだちゃんと話していないのでしょう?アレスの話を聞かないで婚約破棄!なんて言ったのは良くなかったのじゃないかしら。……アレスと話す時間を取れるようにお父様に頼んでみたら?」

 優しく、だけどしっかりとした口調でサシャ姉は言った。
 俺の目から涙が溢れた。

「はい……」

 と短い言葉しか言えなかった俺をサシャ姉は抱きしめながら頭を撫でていた。溢れ出る俺の涙が止まるまで優しく、優しく。
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