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苦味と甘味
しおりを挟む苦味というものは最初に脳に伝わる味覚。
次第に甘さが口いっぱいに広がり、ミントの涼しい刺激が伝わる。
私は綺麗な藍色の箱の中にお行儀良く並んでいる、吸い込まれるくらい蒼く美しい、宝石でも眺めているようなお菓子を見つめた。
小さな箱の中には、これまた小さな個室の様な空間が並んでいる。
その小さな個室にポツンと一つひとつ丁寧に置かれている蒼いチョコレート達。
甘くてとてもまろやかなクリームにスーッと鼻を抜ける爽やかなミントを混ぜ合わせてダークチョコレートでカバー。
これが私に特別を運んでくれる、優しく爽やかなミントチョコレート。
子供の頃はチョコレートなんて甘いのか苦いのかよく分からない不思議な食べ物で刺激物が苦手な私はほとんど食べる事なんてなかった。
苦味。
それは人間が一番最初に脳に伝達される味覚。
苦味は忘れずらい。
だから余計にしつこく脳に記憶として残ってしまう。
私はあの時に感じた苦味を他の苦味で濁してしまいたいだけなんだ。
冷たく温かい雫が頬を伝う。
どうしても忘れられないあの苦味を消したくて今日も私はチョコレートを食べる。
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