32 / 45
北宇都宮駐屯地の肌寒い朝
しおりを挟む
朝方の肌寒い気温で目が覚めるまで、私は、今度は夢を覚えたまま起きた。
夢の内容は、昨日の東京駅ビルの超高層ビルからの脱出劇からのダイジェスト版の夢だった。
そして、そのダイジェスト版の映像で、私が見落とした?感じた!気になった場面では、急に映像が止まったり、スロー再生したり、巻き戻したりして、誰かと会話しながら、私が昨日から見続けて、体験した内容を検証しながら、まるで、私が見た映像を、どこかで上映して批評!評論する感じで、終始、夢?の中で続いていた。
私は急に外の気温が寒くなり、ぶるっと身体を震わせて目覚めると、あんなに真っ暗な辺りが陽の明かりを受けてハッキリと見えていた。
外の気温との落差で防風ハッチは薄っすらと曇っていたが、外ではジープに乗っていた二人が、一人は地面に立って、もう一人はジープに座って私達をあれからずっと見張っていたのだ。
栃木県の朝は首都に比べると100キロ以上離れているから、空気が澄んでいるのか?朝夕が一気に気温が下がるらしい。
佐々木ミカと桐山千賀子も寒さ?で起き出した。
佐々木ミカは目を覚まし始めてから、急に身体をそわそわしていた。
私は時間を知りたがったが、生憎!昨夜の怒濤の感染者襲撃と脱出劇で着の身着のままで、身に着けていたか?どうかさえも忘れてしまった腕時計の痕跡も分からず、また、北村正樹の物?のスマートフォン?でさえも持っていない?か、胸ポケットを調べたが、確認出来ず、私も狭いコックピットの中でせわしなく動いていると
【スイマセン!トイレに行きたいのですが】
と、佐々木ミカが、申し訳なさそうな消え入りそうな声でお願いしてきたので、私は一端!時間確認の事?腕時計やらスマホを探す行為は辞めて、ヘリの外部スピーカーのスイッチをオンにし、外の自衛隊員に声をかけた。
彼らは、最初!まだ12時間経っていない?などと、不服な態度だったが、女性の生理現象?には苦笑いをしながら、手でハッチを開けて出てきて良い!みたいにゼスチャーをしたので、私はハッチを開けた。
外からはひんやりとした冷たい空気が入ってきて、3人とも身震いした。
私は比較的、ゆっくりと行動したが、佐々木ミカは尿意の限界が近付いているのか?
北宇都宮駐屯地の自衛隊員にトイレの場所を直ぐに聞き始めた。
私もヘリのコックピットから這い出ながら会話を聞いていると、トイレは、建物内は水道が止まっていて水洗が使えず、建物の外にある簡易トイレの方向を指で指しながら説明していた。
そして、その方向へ頭を下げる動作を同時に足早時、その方向に小走りに向かっていた。
それとは対照的に桐山千賀子はきびきびした態度で挨拶をし、自分の身分や氏名を証し、簡単に今までの経緯!を簡単にまとめて報告していた。
彼らの会話を聞きながら、恐る恐る、3人に近付いて行った。
ま、私は自衛隊員では無いし、一般人?しかも謎の一般人?と言うよりも、自分が自分自身を全く覚えていない?と言う、記憶喪失者なのだから、偉そうに自信を持って自己紹介なんぞ!出来る訳が無かった。
二人の自衛隊員は私を見るなり、イキなり正式な敬礼をしたので、私も反射的に見よう見真似で敬礼をしたが、多分!敬礼がおかしい形?なのだろう。二人はちょっと驚いた表情を見せたが、表情は硬かった。
私が何か話そうと、口を開く前に、桐山千賀子が私の事を、やっぱり簡単に説明した。
桐山千賀子の説明だと、朝霞駐屯地広報課に赴任したばかりの、元ヘリのパイロット?と言う、説明だった。
私は桐山千賀子の私の自己紹介を聞きながら、考えたらAH‐1Sベルヘリコプターをベテランのように操縦していたのだから、同じ自衛隊員と思っても、それが自然であり、もし、私が本当の事を話したとしても、信じるよりも、反対に怪しい人物と、即判断されて、もしもここの施設に独房や監禁所あるのなら、直ぐにでも入れられるかも?なんて、想像してしまった。
そんなことを想像してしまった私は、当たり障りの無い挨拶を交わし、後は全て桐山千賀子の対応に任せた。
しばらくして、佐々木ミカも外の簡易トイレから戻ってきて、改めて自己紹介と挨拶を交わしていた。
北宇都宮駐屯地の男性二人の一人は30代中頃ともう一人は20代後半に見えて、30代が佐藤!20代が加藤!と自己紹介していたが、名前までは聞き取れない?と言うよりも私はそこまで覚える気は無かったようだ。
取り合えず私達は、今現在の状況報告と情報の整理を行い始めた。
と言っても、もっぱら自衛隊員の男女4人がメインで、私は一人!蚊帳の外?ではないけど、彼らから半歩引いた立ち位置で、彼らの会話の聞き役に徹しながらも、緊張感がないような小さな欠伸を手で隠したりしながら、その場で手を後ろに組んで立っていた。
彼らの報告は大体こんな感じだった。
宇都宮駐屯地は、市民達の避難場所になっていたので、かなりの人数の市民が避難?と言うよりは集まってきて、ちょっとした集会?それは多分!東京首都圏からの情報?メディアが一切ストップしてしまい、ちゃんとした正確な情報が入って来ず、まずは警察や自衛隊に、本当の情報が入っているから、またはそうだろうと考えた市民達が軽いパニック状態になって連日押し寄せている?ことが、昨夜の状況だったようだ。
そんな話を聞きながら、改めて北宇都宮駐屯地の敷地を見渡してみると、遠くのフェンスに人々がまばらにだが集まっていて、遠巻きに私達の様子?なのか?目立つヘリの姿なのか?を見続けているようだった。
夢の内容は、昨日の東京駅ビルの超高層ビルからの脱出劇からのダイジェスト版の夢だった。
そして、そのダイジェスト版の映像で、私が見落とした?感じた!気になった場面では、急に映像が止まったり、スロー再生したり、巻き戻したりして、誰かと会話しながら、私が昨日から見続けて、体験した内容を検証しながら、まるで、私が見た映像を、どこかで上映して批評!評論する感じで、終始、夢?の中で続いていた。
私は急に外の気温が寒くなり、ぶるっと身体を震わせて目覚めると、あんなに真っ暗な辺りが陽の明かりを受けてハッキリと見えていた。
外の気温との落差で防風ハッチは薄っすらと曇っていたが、外ではジープに乗っていた二人が、一人は地面に立って、もう一人はジープに座って私達をあれからずっと見張っていたのだ。
栃木県の朝は首都に比べると100キロ以上離れているから、空気が澄んでいるのか?朝夕が一気に気温が下がるらしい。
佐々木ミカと桐山千賀子も寒さ?で起き出した。
佐々木ミカは目を覚まし始めてから、急に身体をそわそわしていた。
私は時間を知りたがったが、生憎!昨夜の怒濤の感染者襲撃と脱出劇で着の身着のままで、身に着けていたか?どうかさえも忘れてしまった腕時計の痕跡も分からず、また、北村正樹の物?のスマートフォン?でさえも持っていない?か、胸ポケットを調べたが、確認出来ず、私も狭いコックピットの中でせわしなく動いていると
【スイマセン!トイレに行きたいのですが】
と、佐々木ミカが、申し訳なさそうな消え入りそうな声でお願いしてきたので、私は一端!時間確認の事?腕時計やらスマホを探す行為は辞めて、ヘリの外部スピーカーのスイッチをオンにし、外の自衛隊員に声をかけた。
彼らは、最初!まだ12時間経っていない?などと、不服な態度だったが、女性の生理現象?には苦笑いをしながら、手でハッチを開けて出てきて良い!みたいにゼスチャーをしたので、私はハッチを開けた。
外からはひんやりとした冷たい空気が入ってきて、3人とも身震いした。
私は比較的、ゆっくりと行動したが、佐々木ミカは尿意の限界が近付いているのか?
北宇都宮駐屯地の自衛隊員にトイレの場所を直ぐに聞き始めた。
私もヘリのコックピットから這い出ながら会話を聞いていると、トイレは、建物内は水道が止まっていて水洗が使えず、建物の外にある簡易トイレの方向を指で指しながら説明していた。
そして、その方向へ頭を下げる動作を同時に足早時、その方向に小走りに向かっていた。
それとは対照的に桐山千賀子はきびきびした態度で挨拶をし、自分の身分や氏名を証し、簡単に今までの経緯!を簡単にまとめて報告していた。
彼らの会話を聞きながら、恐る恐る、3人に近付いて行った。
ま、私は自衛隊員では無いし、一般人?しかも謎の一般人?と言うよりも、自分が自分自身を全く覚えていない?と言う、記憶喪失者なのだから、偉そうに自信を持って自己紹介なんぞ!出来る訳が無かった。
二人の自衛隊員は私を見るなり、イキなり正式な敬礼をしたので、私も反射的に見よう見真似で敬礼をしたが、多分!敬礼がおかしい形?なのだろう。二人はちょっと驚いた表情を見せたが、表情は硬かった。
私が何か話そうと、口を開く前に、桐山千賀子が私の事を、やっぱり簡単に説明した。
桐山千賀子の説明だと、朝霞駐屯地広報課に赴任したばかりの、元ヘリのパイロット?と言う、説明だった。
私は桐山千賀子の私の自己紹介を聞きながら、考えたらAH‐1Sベルヘリコプターをベテランのように操縦していたのだから、同じ自衛隊員と思っても、それが自然であり、もし、私が本当の事を話したとしても、信じるよりも、反対に怪しい人物と、即判断されて、もしもここの施設に独房や監禁所あるのなら、直ぐにでも入れられるかも?なんて、想像してしまった。
そんなことを想像してしまった私は、当たり障りの無い挨拶を交わし、後は全て桐山千賀子の対応に任せた。
しばらくして、佐々木ミカも外の簡易トイレから戻ってきて、改めて自己紹介と挨拶を交わしていた。
北宇都宮駐屯地の男性二人の一人は30代中頃ともう一人は20代後半に見えて、30代が佐藤!20代が加藤!と自己紹介していたが、名前までは聞き取れない?と言うよりも私はそこまで覚える気は無かったようだ。
取り合えず私達は、今現在の状況報告と情報の整理を行い始めた。
と言っても、もっぱら自衛隊員の男女4人がメインで、私は一人!蚊帳の外?ではないけど、彼らから半歩引いた立ち位置で、彼らの会話の聞き役に徹しながらも、緊張感がないような小さな欠伸を手で隠したりしながら、その場で手を後ろに組んで立っていた。
彼らの報告は大体こんな感じだった。
宇都宮駐屯地は、市民達の避難場所になっていたので、かなりの人数の市民が避難?と言うよりは集まってきて、ちょっとした集会?それは多分!東京首都圏からの情報?メディアが一切ストップしてしまい、ちゃんとした正確な情報が入って来ず、まずは警察や自衛隊に、本当の情報が入っているから、またはそうだろうと考えた市民達が軽いパニック状態になって連日押し寄せている?ことが、昨夜の状況だったようだ。
そんな話を聞きながら、改めて北宇都宮駐屯地の敷地を見渡してみると、遠くのフェンスに人々がまばらにだが集まっていて、遠巻きに私達の様子?なのか?目立つヘリの姿なのか?を見続けているようだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
20
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる