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憎さ百倍と疎(おろそ)かにした時間の報(むく)い
しおりを挟む核シェルター内通称「地下指揮所」の大型パネルに写される世界の凄惨なニュースを見ていたタカシ君のパパが
「可愛さ余って憎さ百倍」だな。
と呟いたのをタカシ君は聞いていて、妙に納得しました。
他の大型モニターには、
タカシ君の名前を狂信的に叫ぶ様々な外国人達が、
なぜか日本の国会議事堂前でデモ行進し、
パニックになった都内の人々は、
一斉にタカシ君が匿われている防衛省庁舎へ、
雪崩を打って押し寄せ、口々に
「天国からのマイクにタカシ様から、
タカシ様の神様に助けをお願いしてください」
と叫んでいました。
「なにを都合のよいことを言っているのか、
お前達が今出会っている禍は、
お前達が疎かにした時間の報いなのさ。
だからタカシ君は、
彼らの意見なんか、これっぽっちも聞かなくていいんだよ」
傍にいたヨコヤマさんは、
そう言いながら人差し指と親指の幅を見せました。
それを見て、タカシ君は今まで感じたことが無い、
揺ぎ無き信念みたいなモノが心の奥に灯るのを感じるのでした。
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