呪われた騎士に惚れられた夢魔は呑気にその腕の中で微睡んじゃう

おげんや豆腐

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綺麗なものは大好きです

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なんていうか……白いな。

真っ白な壁、真っ白な天井、そこに白いレースのカーテンが窓にかかってる。

明るい色の床にはふかふかとした白いカーペットが敷かれ明るい茶色の家具達と大きな窓から入る光によって部屋を明るく演出している。

部屋の感想がシンプルで悲しいが……それしか頭に出てないから仕方がない。


「ソファーにでも座っといてくれ」
「はーい」
部屋に入って早々ぐすたふは横にある棚を開けて中に手を伸ばしている。


ぐすたふの声に適当に返事を返しそのまま僕は奥の風に揺れるカーテンをくぐる。

「ぼうず~なんか茶葉のリクエストはあるかぁー、ぼうず~?」
「おぉぉー……」
「ぼ~うず~?!」
でかい声をほぼ無視して、くぐった先に広がる大きなバルコニーに気分を良くした僕は駆け足で淵に手をかけ声をだす。

赤、青、黄色、紫に白……!

視界の端から端まで色とりどりの花はどこまでも続く。
風が吹けば一つ一つ花が揺れ青い空に花びらが舞う。

昼と夕方の間の時間なのもあり黄色い蝶が花に集まりとても幻想的で、頬が緩み長々と溜め息をつく。


行動力のないだらだらな僕は綺麗な物が好きだ。

高い山の上から見た絶景、樹海の中見つけた入り組んだ運河、真冬の中真っ白に染まった広い平原、岩肌多い大海原に数百年前に建てられた古い遺跡。

素晴らしい物、凄いものはとにかく好き、大好き、好き。
心の底からそれが好きと感じればじんわりと胸が暖かくなる、これがまたたまらん。

「いいじゃないこれ……」
「ソファーに座ってろって言っただろ」
「あたっ」
花畑に見惚れジッと見ていればこつんと頭に乗るげんこつ、見上げれば眉を上げ笑うぐすたふが後ろに立っていた。

「どうだ、綺麗だろう」
「綺麗です」
「春にはもっと綺麗に咲くが、今も大分見ごたえがあるな」
ほほう、それは良いことを聞いた。

「こういうのは好きです、とっても」
好きな事言っておけばもしかしたら連れてってくれるかもだし、素直に言っておこうね、うむ!

「そうかそうか、特に手入れはしていないんだが屋敷の周りは花がすごくてな」
「不思議ですねえ」
ふつうは生え放題なり枯れて雑草天国になるはず。

「一応俺もあいつ程じゃねえが精霊の加護受けてるからな、多分それだ」
「……へー」
若干打算的なものが入った僕の言葉にもにこにこと言ったぐすたふに僕の笑顔が凍る。
……精霊とかは無視しよう……うん、魔族とは相性悪いし。

精霊……精霊王……教会……巫女、勇者………んん。


「まあそういった神聖なもの俺は見えねえし魔術の腕もいまいちだからあんま知らねえけどな」
「へー……」
「……坊主?」
抑えきれず嫌な想像をしてしまい、しんみりした気持ちで花畑を眺めていればぐすたふが慌てたように僕の顔を覗きこんくる。

「なに~?」
「具合……悪いのか?」
「いーえ?」
なんでそんな顔してるの。

「さっきまで元気そうだったか……日光はダメか」
「平気ですよ?」
吸血鬼じゃないからね?

ぎょっと目を剥けば、あからさまにぐすたふの顔が暗くなる。

「やはり体調が……今日は早めに戻るか」
……おっとぉ、子犬の気配。

「……ああもう」
「っ?!」
しょげるぐすたふに考えていた事を放棄して両手を伸ばし頬を叩きそのまま挟む。

「そんな顔似合わないんでやめてくれます?、何も考えずにまったりしましょ?」
驚いたぐすたふはゆっくりと僕の手に触れると目を瞬かせる。

「体は……」
「別に何でもないので、ほら、中入りましょっ」
「……そうだな」
あぁもう 感情ころころ変えて!!

「マッサージ!! ならマッサージでもして頂戴! お菓子とお茶とたっぷりと!! ね!?」
顔の表情か消えかけてなんか嫌な雰囲気のぐすたふに温厚な僕も我慢の限界が訪れると言うもの。
引っ張られるのは好きだけど引っ張るのは大嫌いなんだよ!

鼻息荒くぐすたふの手を掴み部屋へとぐすたふを引っ張りながら僕は心で結論をつけた。



ぐすたふめんどくさい!!










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