呪われた騎士に惚れられた夢魔は呑気にその腕の中で微睡んじゃう

おげんや豆腐

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昔の荷物をとりにいくそのに

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長年雨風に晒された石はそれ相応に溶けて簡単に組み立て止めただけの石の祠も見事なひとつの岩の塊に進化する。

不幸中の幸いは隙間がほとんどのないために中身が多分無事、多分ね。

「ぬぅ……かったいなこ。ゃあ!」
「あらぁ」
少し思考を広げる僕の目の前では現在、石の塊と化した祠と格闘するぐすたふがいる、顔真っ赤。

「ニール! これ壊しちまったけどいいな? いいよな?! よし! 」
矢継ぎ早に言われる返答をする隙間もない言葉と最後に聞こえる岩の砕ける音。

「シッ! 取れたぞおらぁ!」
「……ありがとー、手、大丈夫?」
「……ちょっと痺れる」
「……大丈夫ね」
「おうよ」
べらぼうに固い岩を拳で砕いたぐすたふに度肝を抜かれるが、手をひらひらと振るぐすたふの笑顔に心配する必要は無かったと確信し鼻から息を吐き出す。


「……んじゃあと少しだ」
ぐすたふのお陰でやる事はあとちょっと、お目当ての荷物は埋もれちゃってるから一枚一枚、そこそこの重さの平たい石を持ちあげて横に捨てて、持ち上げて横にポイを繰り返す。

無暗にどかそうとすれば荷物が傷ついちゃうかもしれないし急ぐ用事も無いからゆっくり作業すればよろしい。

「ふーむ、珍しいじゃねえか」
「なにが~?」
黙々と目の前を見ていれば明るかった視界に影が差す。

「真剣な目をするニール初めて見たぜ」
手を止め顔を上げて見れば物珍しい顔で僕を見ているその場に胡座をかいたぐすたふと目が合う。

「んー? どゆこと」
「いやいい、続けてくれ」
「うい」
なんでぃ。

胡座をかいて寛ぎモードに入ったぐすたふに頭を撫でられそのまま視線を落とし作業を再開する。

自分のペースでする作業は好きよ、こう見えて編み物とか得意だし乙女的要素も? ………いらないか、のんびりできるもの全般こなせるだけよ。


「指挟むなよ」
「へ~い」
「怪我したら言えよ~」
「へい~」
「……聞いてるか?」
「もちろん」
「結婚してくれ」
「へいー」
「……聞いちゃねぇな」
これちょっと重……おっと危ない。




祠の大きさは大きな棚のスペース1ヶ所分、ゆっくりとやっているとはいえ5分、10分とやっていれば大体は終わる、
横に石の小山ができ、見えてきたのは茶色い布に包まれた四角い容器。

漸く見えたお目当ての物を手に取り、自然と口元が綻ぶ。

「……よし」
「それがそうか?」
「うん」
「……何が入ってるんだ?」
「待っててくれたまえ」
「おうよ」
わざわざここに来て、(ぐすたふが)苦労して取り出した石の祠を更に砕いて取り出したものに必然的にぐすたふは興味を示す、。
後ろの熱い視線を余所に僕も顔には出さないがワクワクと好奇心と探求心の中間の感情を膨らませに手を伸ばす。

布についた埃を払い落とし、包みを膝に乗せて何処が折り目かところころこ回し探していく。


「青だったんだけどねー」
「あお?」
「布の色、茶色じゃなくて青だったんだよね」
「へぇ」
「染められた割りと高級な奴使ったけど流石に放置しすぎたのかな、みつ毛た」
「お?」
「こうペリペリっと……ぺりぺり?」
布……ぬの?

パリパリ、ぺりぺり……これ、枯れ葉みたいな音……。
柔らかい物が出してはいけない音にぐすたふと僕はぐすたふと顔を合わせ、無言で布を広げていった。





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