134 / 183
九章 亀裂
全てを見通す魔王様?
しおりを挟む
「そうだな……五分以内に城に帰ることをお勧めしよう、イウァン・キング・センブレル殿よ、優秀な側近でも王無くして問題の対処には限界があるのではないかね?」
「……どういうことだ」
世間話をするように言ったダルーダさんに声を低く王様は怪訝な顔をする。
「先に言うが、俺はなにもしていない、つまらんからな」
「……? 」
困惑する王様はふいに僕を見ると眉を下げた。
「……わからん、助けてくれ」
訝しげに僕の顔を見た王様に僕も肩をすくめる。
「……手短に伝えても? 」
「いいとも」
「ありがとうございます」
隣でくつろぐお方に確認を取れば、頭を撫でられる、据わりそうな目を何とか誤魔化す。
前方に指を出し【ステータス】の画面、次いでメニューから【ライブラリ】を開きお目当ての資料を探す。
”三つ目”、”魔王”、”初見殺し”、と検索……あった。
他の人には見えないらしいその画面の内容に目を通す。
「んとね、このお方,ダルーダさんは【全てを見透す目】を持ってるの」
「目……?」
「色々とすごい力だけど今回は省略、今ダルーダさんがほのめかして言ってることは多分王様とその周り、んー、王様に関係した今後ほぼ確実に起こるであろう”未来”の事を言ってるんじゃないかな」
「……彼は未来を見て、俺に忠告してくれているんだな?」
「そういうこと……ですよね?」
怪訝な顔で確認する王様に合わせダルーダさんを見れば、何故やら口を尖らせ肘をついていらっしゃる。
「ほとんど合っている、何処から漏れた情報かはさておきラグーンよ……何故その男にはフランクな口調で接している」
「…?」
「俺には堅苦しく接していたではないか、何故…!」
発せられる禍々しい迫力……うおお。
「王様は友人ですから「俺は?」へ」
腹に響く低い声に驚けば、ダルーダさんの眉が悲し気に下がる。
「数百年前の魔王会議から定期的に声をかけ、城に招き語らい、そして様々な場所に行ったこの俺は? 日数で言えば三月と些か見劣りはするがそれは素晴らしい毎日だった……今でもしっかりとあの頃の事を思いだせる……なのにお前はいつも壁を作って避ける、友人知人他人お前と接する不届き者たちと会話する様子を時折覗いていたが、必ず一歩、二歩引いた態度を示す」
「……」
「俺と旅をする時も戦闘時自分が危険にさらされても劇場でもみているかのような目をして、死体とはいえ折角人格を有しているのだ、悲しいぞラグーン」
ぇえ、と。
「……ええ、と」
だって…、ダルーダさんと出会ったときはまんまゲームだし、NPCならばいわずもがな……フレンドとだってあくまでマナーを守ってだし、そんな壁を作った覚えは全く無い。
「今はそれでも幾分かマシになっているようだが……まだ駄目なようだな」
「……」
悪いことは全くしていないのに、言い返す言葉が思い付かない。
ただ最低限の事をしてるだけ、人に迷惑のかからない範囲で好きなことを出来ればいい、それだけが理由だ。
僕が理由で唸るダルーダさん、別に悲しいなんて思わないけど……申し訳ない。
「あぁ……」
悩まし気に顔を合わせていると、ふいにダルーダはんは顔を横に向け手で口元を覆った。
「そのように見つめてはいけない……惚れる」
「……はい?」
「無自覚なのか……それもまた良い」
シリアスって知ってます??
「あぁそうだ男、濁して言ったがそろそろ帰らんと今頃赤龍の王が城で貴様の到着をいまかいまかと待っている筈だぞ」
「それはどういう?! はぁ? え? 彼の王と対談する予定は…、 っ!?」
目を剥いて勢いよく立ち上がった王様は目を泳がせると途端に顔を青ざめさせる。
「情報の処理が追い付かないだろうがほれ、休暇は終わりだ」
「ぬ。ぬう……これはどういう……後ほどアルギスを寄越す、待っていてくれ」
額の皺が大変なことになっている王様はきつく目を閉じるときっと眼光鋭く言い、傍で震えているオークちゃんを脇に抱えると、足元に真っ白な陣を作る。
「……気を付けてね?」
「おう」
気むずかしい顔をしながらも王様は片手をあげ一層強くなった光に包まれいなくなった。
「ちょっと失礼しますよ」
よいしょと掛け声と共に立ち上がり、王様の使っていたマグカップを手に取り、洗い場へ向かおうと振り返れば目の前に黒い壁。
「ラグーンよ……」
壁の上のほうを見れば、にっこりと満面の笑みのダルーダさんが腕を広げている……。
「……なんでしょう」
「ふふっ、これはこそばゆいものだが……二人っきり……だな」
嫌な予感をひしひしと感じつつ聞けば抵抗する間もなく抱きすくめられダルーダさんの口が耳元に寄せられ囁かれた。
えぇ(´・ω・`)
「……どういうことだ」
世間話をするように言ったダルーダさんに声を低く王様は怪訝な顔をする。
「先に言うが、俺はなにもしていない、つまらんからな」
「……? 」
困惑する王様はふいに僕を見ると眉を下げた。
「……わからん、助けてくれ」
訝しげに僕の顔を見た王様に僕も肩をすくめる。
「……手短に伝えても? 」
「いいとも」
「ありがとうございます」
隣でくつろぐお方に確認を取れば、頭を撫でられる、据わりそうな目を何とか誤魔化す。
前方に指を出し【ステータス】の画面、次いでメニューから【ライブラリ】を開きお目当ての資料を探す。
”三つ目”、”魔王”、”初見殺し”、と検索……あった。
他の人には見えないらしいその画面の内容に目を通す。
「んとね、このお方,ダルーダさんは【全てを見透す目】を持ってるの」
「目……?」
「色々とすごい力だけど今回は省略、今ダルーダさんがほのめかして言ってることは多分王様とその周り、んー、王様に関係した今後ほぼ確実に起こるであろう”未来”の事を言ってるんじゃないかな」
「……彼は未来を見て、俺に忠告してくれているんだな?」
「そういうこと……ですよね?」
怪訝な顔で確認する王様に合わせダルーダさんを見れば、何故やら口を尖らせ肘をついていらっしゃる。
「ほとんど合っている、何処から漏れた情報かはさておきラグーンよ……何故その男にはフランクな口調で接している」
「…?」
「俺には堅苦しく接していたではないか、何故…!」
発せられる禍々しい迫力……うおお。
「王様は友人ですから「俺は?」へ」
腹に響く低い声に驚けば、ダルーダさんの眉が悲し気に下がる。
「数百年前の魔王会議から定期的に声をかけ、城に招き語らい、そして様々な場所に行ったこの俺は? 日数で言えば三月と些か見劣りはするがそれは素晴らしい毎日だった……今でもしっかりとあの頃の事を思いだせる……なのにお前はいつも壁を作って避ける、友人知人他人お前と接する不届き者たちと会話する様子を時折覗いていたが、必ず一歩、二歩引いた態度を示す」
「……」
「俺と旅をする時も戦闘時自分が危険にさらされても劇場でもみているかのような目をして、死体とはいえ折角人格を有しているのだ、悲しいぞラグーン」
ぇえ、と。
「……ええ、と」
だって…、ダルーダさんと出会ったときはまんまゲームだし、NPCならばいわずもがな……フレンドとだってあくまでマナーを守ってだし、そんな壁を作った覚えは全く無い。
「今はそれでも幾分かマシになっているようだが……まだ駄目なようだな」
「……」
悪いことは全くしていないのに、言い返す言葉が思い付かない。
ただ最低限の事をしてるだけ、人に迷惑のかからない範囲で好きなことを出来ればいい、それだけが理由だ。
僕が理由で唸るダルーダさん、別に悲しいなんて思わないけど……申し訳ない。
「あぁ……」
悩まし気に顔を合わせていると、ふいにダルーダはんは顔を横に向け手で口元を覆った。
「そのように見つめてはいけない……惚れる」
「……はい?」
「無自覚なのか……それもまた良い」
シリアスって知ってます??
「あぁそうだ男、濁して言ったがそろそろ帰らんと今頃赤龍の王が城で貴様の到着をいまかいまかと待っている筈だぞ」
「それはどういう?! はぁ? え? 彼の王と対談する予定は…、 っ!?」
目を剥いて勢いよく立ち上がった王様は目を泳がせると途端に顔を青ざめさせる。
「情報の処理が追い付かないだろうがほれ、休暇は終わりだ」
「ぬ。ぬう……これはどういう……後ほどアルギスを寄越す、待っていてくれ」
額の皺が大変なことになっている王様はきつく目を閉じるときっと眼光鋭く言い、傍で震えているオークちゃんを脇に抱えると、足元に真っ白な陣を作る。
「……気を付けてね?」
「おう」
気むずかしい顔をしながらも王様は片手をあげ一層強くなった光に包まれいなくなった。
「ちょっと失礼しますよ」
よいしょと掛け声と共に立ち上がり、王様の使っていたマグカップを手に取り、洗い場へ向かおうと振り返れば目の前に黒い壁。
「ラグーンよ……」
壁の上のほうを見れば、にっこりと満面の笑みのダルーダさんが腕を広げている……。
「……なんでしょう」
「ふふっ、これはこそばゆいものだが……二人っきり……だな」
嫌な予感をひしひしと感じつつ聞けば抵抗する間もなく抱きすくめられダルーダさんの口が耳元に寄せられ囁かれた。
えぇ(´・ω・`)
12
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました!
えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。
※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです!
※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない
葉泪秋
ファンタジー
HOTランキング1位感謝です!(2/3)
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー)
ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。
神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。
そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。
ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。
早く穏やかに暮らしたい。
俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。
【毎日18:00更新】
※表紙画像はAIを使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる