生産チートの流され魔王ののんびり流されライフ

おげんや豆腐

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十章 緩やかに劇的に

龍王陛下とセンブレルの荒ぶる臣下達&僕

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「ラグーンの影に潜んでい今までの会話は聞いていたのだろう? なのに呼ばれねば来ないとは自我はどうした、規則的な事しか出来ぬただの屑人形か? ん?  その数千年生きた経験と実績はただのお飾りかごるぁ!!」
「も、申し訳御座いません!!」
テンション高めのアリムさんも空気を読んだのか重苦しい空気を纏っている中、突如開始した目の前のこれ。

畏怖とか、怖い系統のオーラは無くなった代わりに男性は言葉ひとつでアリムさん達を呼び寄せると鬼教官がごとき顔で怒鳴る。

「は……?」
これには王様も、アルさんも目が点にならざるおえない。
このヤンキーみたいな怒鳴り方……どっかで。

「主を十分に守れない、いまの現状に関して上手く把握してない事に訂正すら、いやむしろ気づいてすらいない、それでもラグーン一の臣下か? ……使えぬ、全く使えぬ……無能な護衛どもが……今の地位に胡座をかいているようなら我直々に叩き落としてやろうか……!!」
「い、いえそのような事は決して……!」
「黙るがいい! ただ守る事のみに固持した結果がこれではないか……貴様達、500年前に言ったことは覚えているな……?」
「は、はい!! 」
アルさんに対しても王様に対してもちょっとフランクな態度だった二人がこうも縮み上がっている。

なんぞこれ。


「゛何があっても、その身を捧げラグーンを守れ゛?と!! 身も!! 心も!! 見よ愛しきラグーンを! 哀愁が漂いもはや狂気一歩手前の香りを出しているではないか!」
え、なにその香り。


「そ、そんな!! わたくし達は誠心誠意全力を込めてマスターの暮らしやすいように取りはからって」
「はっ! 大方ラグーンの負担だけを減らして゛役に立っている゛気持ちを得ているだけだろう、そんなもの文官にでもさせておけ! 冥界のはただ単に影に潜んでもしもの時は身を呈して守るだ? そこの蛮将で事足りるは馬鹿もの!」
「い、いえそのような……」
「誠意を持ち情を通そうとするセンブレルの王を見習わんかこの木偶の坊ども! 我が城で鍛え直してやるから覚悟しておけ!!」
「「も、申し訳ありませんでした!!」ごはっ!」


「……んん?」
「っとあぶねえ」
爽快感すら感じる一喝、身に纏う軍服的な豪華な衣装と合間って良い感じに教官してる。


ついでにアリムさんが一瞬ぶれるといきなりこっちに飛んできたために避けたアルさんのいた場所を勢い良く通過して壁に衝突、動かなくなっちゃった。

「話が途中だったな、いやすまない、主の危機にぬけぬけと影に潜んでるポンコツどもに我慢できなかったのでな、許せ」
満足そうに頷く男性が近くで固まる王様に笑いかけると服の埃を払い、咳払いをする。

「りゅ、龍王」
「なんだ」
「ラグーンの部下にあそこまで強気に出て、大丈夫なのか?」
信じられないものを見る目で王様が聞けば男性は鼻で笑い、目の前で小さくなっているクロユリさんを冷たい目で見下ろす。

「構わんさ、我とラグーンは家族、いわばこやつらは別の部署の下っぱのようなものだ、使えない下っぱは殴り飛ばすのが普通だろう?」
「も、申し訳……」
「煩い、反論もせず謝罪するだけならば影にでも潜んどれ女狐が」
「……ますたぁ」
ギロリと睨んだ男性の一言で完全にポッキリいったのかクロユリさんが男性に頭を下げとぼとぼとこちらに歩いてくる。

「い……至らぬばかりか十分に御守りできず誠に、誠に申し訳ありませんでした……!」
固まる僕を他所に目の前で膝をつき綺麗な土下座の姿勢を取ったクロユリさんが悲壮感のオーラを駄々漏らしながら影に沈んでいった。


なんぞや。


「りゅ、龍王……、質問を重ねるようで申し訳ないが、ラグーンと家族と聞く……それは詳細にはどのような関係なのか」
「……それも教えねばいけないか?」
「納得できない者がいるのでな……頼む」                 
苦笑する王様の視線の先は……アルさん。

ついで男性の視線もアルさんに向き片眉を上げた。

「……何見てんだよ」
「我の見立てではあやつは……だがそうなのか?」
「そうだ……家族の中の伴侶や正式な番だった場合どうしても争うことになるぞ」
「ふむ、面倒な事になるな」
「だからなんなんだよ」
顔を付き合わせ唸る男性と王様に不満げなアルさんはさておき。


……丁度良いしプロフィール内容確認してこの人が誰なのか思いだそう。
家族関係なら称号とかそこら辺確認すれば分かるでしょ。


「……先に確認させてもらおう、貴様等は愛しのラグーンを害する気はないと?」
「ああ、そうだ」
「つーかさっきから俺のラグーンを愛しいだのなんだのと呼ぶんじゃねえ、喉かっ切るぞごら」
「誰の許しを得て独占欲を出してるのか知らんが……害を為す気はない……窓の外で我の首を狙う男もか?」
「それは……んん?! 窓の外?」
事も無げに告げられた衝撃発言に王様がきょろきょろと部屋の窓や廊下の窓に目を見渡す。



称号、称号……、これか。


「おいアルギス」
「あ? おいアイデン! んなとこに引っ付いてないで出てこい!」
「へ?!」
アルさんが声を張り上げる、すると少しの間をおき、部屋の奥の窓がガタガタと揺れ、開いた。

「え……なに」
プロフィールを覗く手を止め真っ暗な窓の向こうに釘付けになれば、おもむろに暗闇から見たことのある籠手が伸び窓枠に手をかけるとそこから笑顔のアイデンさんが現れた。

「やー、こっそりと見てたつもりがバレてたか」
軽やかに降り立ったグレーの軍服アイデンさん。

頭の後ろに手をおきにこにことしている……でもあの目って怒ってるよね? 訓練見てたから知ってるよ。


「上手く隠してたが少々違和感を感じ探ってみれば蜘蛛のように外の壁に張り付いてるときた……面妖だな」
壁に張り付くってなに。

「あー、アイデン? 何故壁に……」
「もしラグーンを悲しませるような事があればあわよくば首をスパッと……」
「頼むからやめてくれ」
「中々に見所のあるやつだ……愛されてるではないかラグーン、ククク」
そんな笑いかけられても困るしそもそも貴方は誰? ……ん?  なにこの【火龍の愛し子(歪)】ってなんぞ、詳細なに。

「なんでそう直接的な方法を取ろうとするんだこいつらは……」
「仕方ないだろう、ラグーンが泣くような事案を事前に防ぐにはそれしか無いだけだ、なあアルギス」
「おう」
「おまえらぁ……」
何々? 火龍の祖に愛された者が家族となり、龍の家族紋を与えられた者に贈る称号……家族構成は父ラルドテウス 母 イミナ 兄ルドレウス……。

うん?

父が、龍? 兄も、龍。

……目の前にいる男性はどっちだ。


「さて……いい加減この場を納めねばな」
疑念の意味を込めて顔を上げればニヒルに笑う男性と目が合う。

「……疲れるぜ」
「愉快な臣下達ではないか」
「……お褒めいただき光栄だ、で? ラグーンと貴様の関係は一体なんなんだ」
疲れがもろに出た顔の王様が中途半端に取り繕った言葉で促せば男性、父か兄かわかんない人は腕を組んだ。

父か兄かわかんないってなんだろうね……………そういえば勝手に家族が増えてることに対して驚くべきなんだろうけど……心が疲れてるからなぁこれくらい笑顔で乗り越えて見せる……ため息ついて良い?

「無駄に長くなったからな、このまま長引かせても有意義で構わんがラグーンの疲れが最高潮に溜まっている」 
「俺らもかなり疲れがきてるんだが、あと怒りも」
「結論から済ませよう」
ぼやくアルさんを華麗に無視した男性がずんずんと僕の前に歩いてくる。

つまりアルさんの目の前に。

「なんで俺らの前に来るんだ…よ」
「わっぷ」
「てめえ! 誰の頭に手をおいてやがる!!」
「……えっと」
怒鳴るアルさんは怖いとして……僕の頭にはなんと男性の手が乗っている、大きい。

「我とラグーンは唯一無二の愛し合った兄弟である、なあ? ラグーン」
「は?」
あ、ルドレウスさんの方か。

……あぁ~、火山の……思い出してきたかも。



「は……あ? 兄…弟? 」
「……ん? ラグーンと、龍王が……?」
「あぁ、我が兄でラグーンが弟だ」
ちょっと膨らんでた違和感がひとつ解消された、あーよかったよかった。


「「「はぁ……!?」」」
ところで心労で眠いんだけど寝て良い?

「おいラグ、説明」
ダメですかはい。

アルさんの目力に僕の体力がごりごりと削られた……気がした。





    
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