アサシンの僕と魔導師のオレが融合した結果〜銀髪美少女の幼馴染と行く異世界漫遊記〜

ティムん

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第一章 幼少期

第二十六話 決着

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 これからの戦い方が決まった僕は和麒に飛びかかるようにして刀で斬り掛かる。当然その攻撃は和麒によってあっさり防がれる。でも、これでいい。僕は体をよじり和麒の手元に強烈な蹴りを叩き込む。その衝撃で刀は飛んでいったが、和麒は落ち着いて僕の足を掴みに来る。空中で無理矢理蹴りを放ったせいで体勢が崩れていた僕にはそれを避ける術はない。前もって対策をしていなければ、だけど。

 僕は和麒に斬り掛かる前に木に結びつけておいたワイヤーを思いっきり引っ張る。僕の体はワイヤーを結びつけた木の方に引き寄せられ、和麒の手は空くうを切る。
 和麒はすぐさま宙にいる僕に向けて短剣を飛ばしてくる。僕は刀を盾にしてその短剣を防ぎ、着地する。

 僕が着地したのを見た和麒は、懐から龍の装飾が柄つかに施された刀を取り出した。

 やっぱり! 思った通りだ!

 和麒が取り出したのは和麒の愛刀だった。小さい頃から和麒はその刀を宝物のように大事にしているから、余程のことが無ければこの刀を使いたがらない。そう、例えば他に使う武器がなくなったりしなければ……!

 僕が企んでいたのは和麒の武器を無くすことだった。
 和麒は搦め手を好むため、どうしても武器を大量に使ってしまう。だから戦えば戦うほど、和麒の武器は減っていく。あれだけの数の人と戦ったんだ。和麒の武器は残り少ない、僕はそう考えたんだ。

 あとはあの和麒の愛刀さえなんとかすれば……!

 僕は閃光弾を和麒に向かって投げた。この閃光弾は和麒に作ってもらったものだ。和麒が作った物に和麒自身が苦しめられるなんて、皮肉だね。

 僕は閃光弾と同時に鎖鎌を投げていた。閃光弾の光に一瞬動きを止めてしまった和麒はその刀を鎖鎌の鎖にに絡み取られてしまう。僕は鎖鎌を強く引く。和麒はそれに引っ張られるのは不味いと考えたのだろう。刀を手放した。
 刀は鎖鎌に引き寄せられ、僕の手元に来る。僕はその刀を遠くへ投げ捨てる。

 これで和麒は丸腰のはず……!

 僕は油断せずに和麒に斬り掛かる。和麒には防ぐ手段は無い。だからこの刀は和麒の命を刈り取るだろう。

 そんな僕の予想に反して僕の刀は和麒が取り出した、使い込まれた刀・・・・・・・によってキンという音と共に弾かれる。

「ハハッ、お前に貰った刀に命を救われちまったな」

 和麒が取り出したのは、和麒が里を出る時僕が渡した刀だった。さっき閃光弾を使った時に自分のもので自分が苦しめられるなんて皮肉だ、なんて思ったけどまさかそれが自分に返ってくるなんて。

 僕の刀を最後まで使わなかったということは、和麒の愛刀よりも大事にしていてくれた、ということだろうか。
 僕はそんな考えを振り払い、和麒を睨みつける。和麒は敵なんだ。変なことは考えちゃダメだ。

 和麒が僕に斬り掛かってくる。僕はそれを刀で受け止め、鍔迫り合いの状態になる。
 ぎりぎりと金属が擦れる音がし、火花が飛び散る。
 至近距離にある和麒の顔を見ると、和麒は笑みを浮かべていた。
 嫌な予感がした僕は離れようとしたが、それは一足遅く僕は足に強い衝撃を受ける。和麒に足払いをかけられたのだ。このまま倒れるわけにはいかないと僕は和麒の襟元をつかみ、和麒もろとも倒れ込む。
 運悪くそこは坂道になっていたらしく、僕達はゴロゴロと転がり落ちる。その途中、お互いの手からは刀が離れてしまう。

 数秒間転がり落ち、ようやく止まった僕の手の先には和麒の手から零れ落ちた刀が転がっていた。僕が和麒に渡した刀だ。
 僕は咄嗟にそれを掴む。そして和麒に馬乗りになり、刀の切っ先を突きつける。

「……俺の負け、だな」

 和麒は諦めたようにそう言い、僕をしっかりと見つめる。

「殺せよ」
「わかってるよ……!」

 僕はカタカタと震える手を抑え和麒の首に狙いを定める。

「あぁ、それでいい。本当はわかってたんだよ。無事に逃げるのなんて無理だし、もし逃げられてもお前の言う通り幸せなんてないって。まぁ、彼女は無事に逃げられたから良しとするしかねぇな」

 一族にはご令嬢を必死になってまで殺す必要はない。だからきっとそのご令嬢はこれからは安全に生きられるだろう。和麒の犠牲の下で。

「それにな、お前に殺されるならまだ良いと思えるんだ。親友のお前になら、な」

 僕の視界が涙で歪む。堪えようとしても目から流れ出る液体は一向にその勢いを衰えさせない。

「あぁ……悪いな、夢麗ゆり。生きて帰るって約束、守れなかったぜ」

 和麒は、おそらく和麒が守ろうとした令嬢のものだろう名前を呼び、一筋の涙を流す。


 僕はこれから親友を殺す。親友にお守りとして渡したこの刀で命を奪う。
 そのことに耐えられずに僕は叫ぶ。喉が張り裂けんばかりに叫ぶ。

 そして、両手に力をかけ――――和麒の喉元に刀を突き刺す。



 ブスッという音と共に和麒の目の光は失われた。刀を突き刺した時に少し吹き出した血が僕の手を濡らす。

 僕は和麒の体に覆いかぶさるようにして涙を流す。まだ残っている和麒の体温を感じながら、ただひたすらに涙を流す。声はあげずに、涙だけを静かに流す。

 戦闘が終わり静寂を取り戻した闇の中、僕のすすり泣く声だけが響いていた。
 綺麗な満月が辺りを照らす。僕は和麒の体温が無くなり、冷たくなるまでそのまま泣き続けていた。
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