アサシンの僕と魔導師のオレが融合した結果〜銀髪美少女の幼馴染と行く異世界漫遊記〜

ティムん

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第一章 幼少期

第六十四話 遠距離戦

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 柵まで辿り着いた魔物は邪魔な柵を壊そうと、掴みかかったり、あるいは武器で攻撃した。だが、柵はびくともしない。フューが村を囲う柵全てに魔力を流し、強化しているからだ。
 更に不運にも素手で柵を掴んでしまった者は有刺鉄線でダメージを負い、フューが魔力と共に流している電流で体を痺れさせる。

 村人達は麻痺して動きが鈍っている魔物や、柵を壊そうと必死になって隙だらけの魔物を、柵の間に差し込んで槍で落とし穴に突き落としている。
 落ちた魔物は炎に焼かれ、後から落ちてきた魔物に潰される。

「よし、作戦が上手くいってるね」
『まぁ、悪くねぇ作戦だな』

 村人達にはろくな戦闘経験が無い。そんな村人達にまともに魔物と戦うのは無理だろう。
 だけど、この作戦なら村人達がやる事は一つだけだ。柵の前で右往左往する魔物達を槍で突き落とすだけ。
 技術は必要なく、大事なのは度胸だけだ。その度胸は父さんの演説のおかげでバッチリだ。

 柵を壊すことはフューのおかげで困難だし、乗り越えようにも有刺鉄線と電流があるからこれも難しい。
 これだけなら魔物を倒す決定打に欠けるが、それは炎と落とし穴でカバーしている。

 落とし穴の深さは父さんの頑張りで五メートルにも達している。五メートルもの穴に落ちれば運が悪ければ命を落とすし、戦闘復帰出来なくなる怪我を負う可能性は高い。
 しかも上から別の魔物が降ってくるのでダメージは更に大きくなる。

 炎は特に人型の魔物に有効だ。彼らはボロい布の様な物を身につけているので、非常に燃え移りやすいのだ。
 そして炎は魔物に恐れを抱かせ、熱はパニックを起こさせる。魔物の士気は下がり、スコルの指示を聞く余裕も無くなるかもしれない。

 懸念材料としては柵を乗り越えられそうな魔物。すなわち、不定形の粘液のような魔物や、巨大な体を持つ魔物だ。
 だが――

「そいつらは僕が始末すればいい」

 僕は槍での狙撃を再開した。投擲した槍は柵をジャンプして飛び越えようとしたオーガを吹き飛ばした。僕は次の標的、フューより二回りほど大きなスライムに狙いを定め、腕を振りかぶり――

「ソル、あいつどうやって倒せばいいの?」

 倒し方がわからず、槍を下ろした。

『はぁ……ったくお前って奴は……。ああいう魔物は魔石を狙うんだ。魔石は魔物の核だからな。そいつを壊せばどんな魔物だろうと死ぬ』
「なるほど、魔石か。魔石……あれか!」

 スライムはよく見ると中央に紫色の塊を浮かべていた。恐らくそれが魔石なのだろう。僕はその紫の塊目掛けて槍を投げた。
 槍は狙い違わず目標に吸い込まれていった。紫の塊が槍に砕かれると、スライムは動かなくなった。

「よし! 当たった!」
『この距離であんな小さな標的に一発で当てるのかよ。しかも落下しながら』
「クナイとか投げるの得意だからね」
『得意ってレベルじゃねぇけどな』

 その後も僕は、槍で厄介な魔物を始末し続けた。高度がおちれば再び石を踏み台にジャンプし、落下しながら槍を投擲し、また高度がおちれば――と半ば機械のように繰り返し続けた。
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