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第一章 幼少期
第七十五話 地下通路
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僕は、さっきスコルに注意を喚起した人物――フラムを警戒していた。さっきまで、禁術の副作用で意識を失っているようだったフラムだが、スコルが派手に動いたせいで目覚めたのだろう。
起きてすぐに状況を把握し、スコルに危機を知らせた、か。流石だね。
フラムは体調こそ良くなさそうだが、意識はしっかりとしているようで、その顔は憤怒に歪んでいる。
スコルの首元の毛を掴み、なんとか跨っていられる様な有様ではあるが、今にも噛み付いてきそうな雰囲気だ。
「ソル! なんでアンタがここに居るのよ! 折角の作戦が……。まぁいいわ! アンタは今ここで殺してあげる!」
やはりフラムは、ソル――すなわち僕達が重症で、動ける状態じゃないと思っていたようで、僕達がここに居ることに驚いていたようだが、すぐさま切り替え、僕達を殺しにくる。
スコルは、フューの土魔法の攻撃を上に跳ぶことで和らげていたようで、思った程のダメージは受けていない。流石はAランク、といったところかな。
それにしても、厄介なことになったな。スコル単体でも大変だったのに、そこにスコルに指示をするフラムが加わってしまった。
スコルという強力な兵器に、優秀な使い手が現れたようなものだ。脅威は先程までの比ではない。
だが、この二人には弱点がある。
『ソーマ、わかってるな?』
「うん、勝機があるとすれば長期戦だ」
スコルは腹の傷のせいでどんどん体力を失っている。止血する時間もないため、血が垂れ流しだ。
フラムはと言うと、禁術の副作用で体がボロボロだ。そんな状態で、緊張感溢れる命懸けの戦闘を繰り広げればどうなるか、容易に想像がつく。
つまり、この戦いは長引けば長引くほど僕に有利だ。
そうと決まれば、僕の戦い方は一つだ。ひたすら遠距離から攻撃をすればいい。
僕はフラム達から距離を取り、短剣を投擲しては逃げ、逃げては短剣を投げ、を繰り返した。
もちろん、業物でもない短剣を投げただけだと、スコルの毛皮にあっさりと弾かれてしまう。だが、その短剣が目や腹の傷に当たれば話は別だ。
スコルは急所に当たらないよう避ける必要があり、なおかつフューが散発的に放つ魔法もかわさなければならないので、距離をなかなか詰めれないでいた。
「この! ちょこまかと! 仕方ないわね、スコル!」
フラムのその指示で、スコルが再び魔法を発動させた。今度は僕を囲むように黒い球体が発生する。
それは一斉に僕の方へと、弾かれるように向かってくる。
三百六十度、全ての方向から向かってくる魔法。僕は空へと活路を見出し、空に逃げる。魔法は僕がいた場所でぶつかり消滅するかと思いきや、合体してその大きさを増し、僕を追いかけてきた。
「なっ!? 追尾機能まであるのか!」
『ちっ、跳べ!』
空中にいるのに、跳べ? そんな疑問が一瞬頭をよぎるが、ソルを信じ、何も無い空中を思い切り蹴る。
すると、僕の足は確かに何かを蹴り、その反動で体が更に上へと浮かぶ。
ソルが土魔法で石を作ってくれたのだ。村で空中に登った時と同じ方法だ。
ギリギリで魔法をかわし地面へと落下していく最中、僕は地上に不自然な大きな穴を見つけた。明らかに自然にできた穴ではなく、人工的に作られた穴だ。
いや、穴と言うより通路と言った方が適切かもしれない。生き物が降りやすいように、一部がスロープのように斜めになっており、穴は何処かへと繋がっているようだ。
一体何のために……?
激しく嫌な予感がする。
起きてすぐに状況を把握し、スコルに危機を知らせた、か。流石だね。
フラムは体調こそ良くなさそうだが、意識はしっかりとしているようで、その顔は憤怒に歪んでいる。
スコルの首元の毛を掴み、なんとか跨っていられる様な有様ではあるが、今にも噛み付いてきそうな雰囲気だ。
「ソル! なんでアンタがここに居るのよ! 折角の作戦が……。まぁいいわ! アンタは今ここで殺してあげる!」
やはりフラムは、ソル――すなわち僕達が重症で、動ける状態じゃないと思っていたようで、僕達がここに居ることに驚いていたようだが、すぐさま切り替え、僕達を殺しにくる。
スコルは、フューの土魔法の攻撃を上に跳ぶことで和らげていたようで、思った程のダメージは受けていない。流石はAランク、といったところかな。
それにしても、厄介なことになったな。スコル単体でも大変だったのに、そこにスコルに指示をするフラムが加わってしまった。
スコルという強力な兵器に、優秀な使い手が現れたようなものだ。脅威は先程までの比ではない。
だが、この二人には弱点がある。
『ソーマ、わかってるな?』
「うん、勝機があるとすれば長期戦だ」
スコルは腹の傷のせいでどんどん体力を失っている。止血する時間もないため、血が垂れ流しだ。
フラムはと言うと、禁術の副作用で体がボロボロだ。そんな状態で、緊張感溢れる命懸けの戦闘を繰り広げればどうなるか、容易に想像がつく。
つまり、この戦いは長引けば長引くほど僕に有利だ。
そうと決まれば、僕の戦い方は一つだ。ひたすら遠距離から攻撃をすればいい。
僕はフラム達から距離を取り、短剣を投擲しては逃げ、逃げては短剣を投げ、を繰り返した。
もちろん、業物でもない短剣を投げただけだと、スコルの毛皮にあっさりと弾かれてしまう。だが、その短剣が目や腹の傷に当たれば話は別だ。
スコルは急所に当たらないよう避ける必要があり、なおかつフューが散発的に放つ魔法もかわさなければならないので、距離をなかなか詰めれないでいた。
「この! ちょこまかと! 仕方ないわね、スコル!」
フラムのその指示で、スコルが再び魔法を発動させた。今度は僕を囲むように黒い球体が発生する。
それは一斉に僕の方へと、弾かれるように向かってくる。
三百六十度、全ての方向から向かってくる魔法。僕は空へと活路を見出し、空に逃げる。魔法は僕がいた場所でぶつかり消滅するかと思いきや、合体してその大きさを増し、僕を追いかけてきた。
「なっ!? 追尾機能まであるのか!」
『ちっ、跳べ!』
空中にいるのに、跳べ? そんな疑問が一瞬頭をよぎるが、ソルを信じ、何も無い空中を思い切り蹴る。
すると、僕の足は確かに何かを蹴り、その反動で体が更に上へと浮かぶ。
ソルが土魔法で石を作ってくれたのだ。村で空中に登った時と同じ方法だ。
ギリギリで魔法をかわし地面へと落下していく最中、僕は地上に不自然な大きな穴を見つけた。明らかに自然にできた穴ではなく、人工的に作られた穴だ。
いや、穴と言うより通路と言った方が適切かもしれない。生き物が降りやすいように、一部がスロープのように斜めになっており、穴は何処かへと繋がっているようだ。
一体何のために……?
激しく嫌な予感がする。
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