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第一章 幼少期
第七十九話 セリアという少女
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私はいつも一人だった。
パパとママは私を見てくれないし、村の大人たちも私に話しかけてはくれなかった。話すことが下手な私には、同年代の子供と仲良くすることも出来なかった。
ある日の事。家にいたらママの邪魔になるから、私は外で時間を潰していた。向かう先は、たまたま見つけた変な人形の所。前の日はその人形を眺めて一日を過ごした。
その日も同じように人形を見に行こうとしたけど、人形があったところから声が聞こえてきた。私は驚いて、木の後ろに隠れた。
どうやら、話しているのは同じ歳の男の子のようだった。すごく楽しそうに喋っている。でも、おかしなことに話し相手が見つからない。独り言が好きなのかもしれない。変な人。
少し不思議に思いながらその声を聞いていると、その男の子が苦しそうな声で叫び始めた。ど、どうしたんだろう。誰か呼んでこないと。
そう考えたけど、急なことで、どうしたらいいのか分からなくて動けない。すると突然、熱い風が吹いてきた。
メキメキ、バキバキ
恐ろしい音をあげながら、炎の渦が木をなぎ倒しながら近づいてきた。驚いて腰が抜け、地面にペタンと座り込んでしまう。
あぁ、私、ここで死ぬのかな……
そう諦めて、ぎゅっと目を瞑って炎が来るのを待つが、しばらくたっても何も起きない。
……炎が来ない?
おそるおそる目を開けてみると、炎は私の手前で止まっていたようだった。呆然としていると、上から戸惑ったような声が聞こえてきた。
「だ、大丈夫?」
顔を上げてみると、赤い髪の男の子が困ったような顔をしていた。本当はとても怖かったが、私のことを気遣うように話しかけてくれた彼に、心配をかけたくなくて、私は小さく頷いた。
そして彼が差し伸べてくれた手を取り、立ち上がった。
彼は私の返事に安心したような顔をしたが、視線を下にずらすと、気まずそうな顔になった。
「あー、えっと、ごめんね? 近くの川に洗いに行こうか」
……? どうして?
彼の視線は私の足元を向いていて、そこには黄色い水溜りができていた。
は、恥ずかしい。五歳にもなってお漏らししてしまうなんて。
彼は私の手を握り、川の方まで連れていってくれた。川まで行く間、私はお漏らししてしまった恥ずかしさと、誰かと手を繋ぐ気恥しさで一言も喋れなかった。
その間、私は彼のことを考えていた。彼は私なんかのことを心配してくれて、私の下手な話し方にも嫌がらない。とても優しい人だと思った。
出来ればもっと仲良くなりたいと思った。一人は寂しいから。
だから、川に着いて服を洗ってもらった後、私は彼に体を洗ってくれるよう頼んだ。家にある本では、仲のいい男の人と女の人は一緒に体を洗うと書いていたから、体を洗ってもらったら仲良くなれるはず。
体を洗ってもらうのは恥ずかしいけど、もう裸も見られてしまったし、なによりこの男の子と仲良くなりたい。
体を人に洗ってもらうというのは、覚えている限りでは初めてで、なんだか幸せな気分になった。彼の手から優しさが伝わってくるみたいで、胸がどきどきした。
慣れていないせいか、くすぐったく感じるときもあって、その時に変な声を出してしまったのも気にならないくらい、幸せな時間だった。
パパとママは私を見てくれないし、村の大人たちも私に話しかけてはくれなかった。話すことが下手な私には、同年代の子供と仲良くすることも出来なかった。
ある日の事。家にいたらママの邪魔になるから、私は外で時間を潰していた。向かう先は、たまたま見つけた変な人形の所。前の日はその人形を眺めて一日を過ごした。
その日も同じように人形を見に行こうとしたけど、人形があったところから声が聞こえてきた。私は驚いて、木の後ろに隠れた。
どうやら、話しているのは同じ歳の男の子のようだった。すごく楽しそうに喋っている。でも、おかしなことに話し相手が見つからない。独り言が好きなのかもしれない。変な人。
少し不思議に思いながらその声を聞いていると、その男の子が苦しそうな声で叫び始めた。ど、どうしたんだろう。誰か呼んでこないと。
そう考えたけど、急なことで、どうしたらいいのか分からなくて動けない。すると突然、熱い風が吹いてきた。
メキメキ、バキバキ
恐ろしい音をあげながら、炎の渦が木をなぎ倒しながら近づいてきた。驚いて腰が抜け、地面にペタンと座り込んでしまう。
あぁ、私、ここで死ぬのかな……
そう諦めて、ぎゅっと目を瞑って炎が来るのを待つが、しばらくたっても何も起きない。
……炎が来ない?
おそるおそる目を開けてみると、炎は私の手前で止まっていたようだった。呆然としていると、上から戸惑ったような声が聞こえてきた。
「だ、大丈夫?」
顔を上げてみると、赤い髪の男の子が困ったような顔をしていた。本当はとても怖かったが、私のことを気遣うように話しかけてくれた彼に、心配をかけたくなくて、私は小さく頷いた。
そして彼が差し伸べてくれた手を取り、立ち上がった。
彼は私の返事に安心したような顔をしたが、視線を下にずらすと、気まずそうな顔になった。
「あー、えっと、ごめんね? 近くの川に洗いに行こうか」
……? どうして?
彼の視線は私の足元を向いていて、そこには黄色い水溜りができていた。
は、恥ずかしい。五歳にもなってお漏らししてしまうなんて。
彼は私の手を握り、川の方まで連れていってくれた。川まで行く間、私はお漏らししてしまった恥ずかしさと、誰かと手を繋ぐ気恥しさで一言も喋れなかった。
その間、私は彼のことを考えていた。彼は私なんかのことを心配してくれて、私の下手な話し方にも嫌がらない。とても優しい人だと思った。
出来ればもっと仲良くなりたいと思った。一人は寂しいから。
だから、川に着いて服を洗ってもらった後、私は彼に体を洗ってくれるよう頼んだ。家にある本では、仲のいい男の人と女の人は一緒に体を洗うと書いていたから、体を洗ってもらったら仲良くなれるはず。
体を洗ってもらうのは恥ずかしいけど、もう裸も見られてしまったし、なによりこの男の子と仲良くなりたい。
体を人に洗ってもらうというのは、覚えている限りでは初めてで、なんだか幸せな気分になった。彼の手から優しさが伝わってくるみたいで、胸がどきどきした。
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