13 / 20
13 帰宅
しおりを挟む
家まで送るというランシェの申し出に、柚季は遠慮なく甘えることにした。
「こんな機会でもないと我々は敷地内にすら入れませんからね」
そう言いながら子供のように馬車の窓を覗いていたランシェだったが、柚季が住む水車小屋を指し示すと、ぽかんとした顔になった。
「……え? これ、に住んでるんですか?」
「あ、はい。昨日の部屋の方が広いっていうの、本当なんですよ」
「冗談ですよね? だってこれ家畜……」
家畜小屋、と言おうとしたのだろう。慌ててランシェは咳払いをした。
「……いくらなんでも、酷くないですかこれは。ただの掘立小屋ですよ。柚季様は自分には関係のないこの国に尽くしてくれたというのに、女王は何を考えてるんです? 悪趣味にもほどがある」
不愉快そうに目を細めたランシェの声は、明らかに怒気を含んでいた。
「あっ違……違うんですこれは! 僕が好きで住んでるんです!」
「す、好きで?」
予想外だったのか、ランシェがぽかんとした顔になった。
「ええと、石造りの家が普通のここでは、木造のこの家が粗末に見えちゃうんですけど……でも、僕の元いたところではこれが伝統的な家の形なんです。最初、女王は宮殿内の部屋を貸してくれようとしたんですけど僕がそういうの苦手で……だからむしろ、その、我儘聞いてもらっているのは僕の方で」
女王は悪くないのだ。無意味に手を動かしながら弁明すると、信じられない、というようにランシェは首を振った。彼の中での日本像がとてつもなく貧しい国になってしまったような気がする。
「それは大変、清貧な暮らしを……ああ、だから隠者……」
何か納得したようなつぶやきが聞こえたところで、その小屋の前で馬車が止まる。外側の掛け金が外れる音が聞こえた。すかさず先に降りてランシェがエスコートしてくれる。
「それではランシェさん、お送りいただきありがとうございました」
「では、またお目にかかれる日を楽しみにしていますね」
女王の物にはさすがに及ばないものの、かなり豪華な作りの馬車が走り去るのを見送り、柚季は玄関前で大きく伸びをした。
――とりあえず、お礼状でも書くか。
一目惚れした、とランシェは言ってはいたものの、柚季はそれを信じる気にはなれなかった。自分の見た目のどこにもいいところはない。強いて言えば頑丈なところだ。
きっと、ランシェは柚季のことなんてこれっぽっちも好きではないだろう。
お金や地位、そういった類のものが欲しいだけなのではないか。勝手な思い込みだが、なんとなくそんな気がした。
けれど、それなら――柚季のことなんて大切でもないのに親切にしてくれたというなら、こちらも誠意をもって返さなくてはいけないだろう。
「ふぁ……」
大あくびをしながら小屋の鍵を開けようとして、すでに開いていることに気づく。
かけ忘れだろうか。訝しがりながら扉を開ける。
ベルカントがいた。
「ひっ」
上がり框に直立不動で立っている姿に、柚季は垂直に飛び上がった。
「お待ちしておりました。……おかえりなさいませ」
「あっ、はい、ええと、はい……」
どこか不機嫌そうなベルカントの目元はうっすらと、しかし隠しようもなく赤かった。見てはいけないものを見てしまった気がして、そっと目を逸らす。
「昨晩戻られなかったので、心配しましたよ」
「それは……すいません」
気まずい。自分を見てくるベルカントの視線がちくちくと柚季を責めている気がした。
でも別に、柚季がどこで誰と外泊しようと、ベルカントには関係のないことのはずだ。ほっといてくれればいいのに。
「っていうか……なんで人の家にいるんですか」
「女王様より、柚季様の警護を仰せつかったからです。鍵もいただきました」
「はあ?」
なぜそんなことになるんだ。舞踏会の件を話しでもしない限りそんなことにはならないはずだ。今度は柚季が非難めいた声を上げると、しれっとした顔でベルカントが言い放つ。
「自分は、女王様には何も話しておりません」
「あー……そう」
別の人間に言わせた、ということか。
なんだそれ。とんちかよ。約束さえ守ればいいと思ったのか。
ため息をつき、柚季は上がり框に腰を下ろした。靴紐をほどいていると、横でベルカントが膝をついた。
「ところで、先ほどの方は予定されていたお見合い相手ではありませんよね? どなたですか?」
冷たく低い、だが燃えるような声。思わず背筋がぞっとしてしまった事実を隠すように、柚季は靴を放り投げるようにして立ち上がった。
「誰でもいいでしょう、そんなの」
「いいえ、柚季様をお守りするためには知る必要があります」
「……ランシェ。ランシェ・ウィルポット。メメント・ホテルの支配人」
「昨晩、一緒だったのは彼ですか?」
「そうだよ。実に素晴らしい夜だったね」
挑発と皮肉を込めて言い返す。嘘は言ってないのだからいいだろう。
とにかく、これ以上柚季に干渉してこないで欲しかった。ベルカントなんて、もう柚季の人生に関係ないのだから。
呆然とするベルカントの顔がもっと歪めばいいと思ったが、それ以上は見ていられなかった。どこかに行ってしまえ、と思いつつベルカントに背を向け、柚季は寝室の襖を開けた。
「そうそう、彼と付き合うことにしたから」
「ふざけんなよっ!」
背後からの叫び声と同時に、柚季は畳の上に突き飛ばされていた。肩がぶつかり、畳の匂いが広がる。柚季を跨いで膝をついたベルカントに、両肩を押さえつけられた。
「自分のことは拒絶したくせにっ、なんでっ、そんな……っ!」
それ以上の言葉を押し込めたベルカントの喉が、唸り声のような音を立てた。その上にある葡萄色の瞳が潤んだかと思うと、ぱたぱたと雫が柚季の胸元に落ちてくる。
「ベル……」
誤解だ、と言おうとして、それ以上柚季は何も言えなかった。
やましいことに、変わりはない。
何もなかったのは――ランシェが何もしてこなかったからというだけだから。
自分の上にあるベルカントの顔を、ただ眺める。
見たことのない表情だ、と思った。誰かが撮った映像でも見ているように現実感がない。
なんで、この人はこんなに必死なんだろう、と他人事のような感想が浮かぶ。
自分を振った相手なんて、さっさとくたばればいいと思わないのだろうか。
「自分、はっ……」
そこまで言ったベルカントは、歯を食いしばって目を閉じた。深呼吸をして、赤い制服の袖で涙を拭う。
「……大変、失礼……しました」
「ああ、いえ……別に」
上からベルカントが降りていく。柚季は倒れたまま天井を見上げた。
突き飛ばされた背中と、床にぶつかった肩に鈍い痛みが残っている。急いで起き上がると、また突き飛ばされそうな気がして怖かった。
目を閉じ、ゆっくりと息を吸う。ベルカントの足音が離れたのを確認してから、柚季はゆっくりと上体を起こした。
「すみません、僕も……言い過ぎました。昨日の夜はただ泊めてもらっただけです。ちょっと……調子が悪かったのを気遣ってくださって」
「……そう、ですか」
それ以上の言葉を、つまりランシェと付き合うかどうかの部分についても否定されるのを待っている雰囲気を感じたが、柚季はそこには触れなかった。
ブラウスを脱ぎながら、ちゃぶ台に置かれた便箋と封筒に目をやる。
ランシェにお礼状を書くのは、一服しておやつを食べて、その後でもいいかと思った。
「こんな機会でもないと我々は敷地内にすら入れませんからね」
そう言いながら子供のように馬車の窓を覗いていたランシェだったが、柚季が住む水車小屋を指し示すと、ぽかんとした顔になった。
「……え? これ、に住んでるんですか?」
「あ、はい。昨日の部屋の方が広いっていうの、本当なんですよ」
「冗談ですよね? だってこれ家畜……」
家畜小屋、と言おうとしたのだろう。慌ててランシェは咳払いをした。
「……いくらなんでも、酷くないですかこれは。ただの掘立小屋ですよ。柚季様は自分には関係のないこの国に尽くしてくれたというのに、女王は何を考えてるんです? 悪趣味にもほどがある」
不愉快そうに目を細めたランシェの声は、明らかに怒気を含んでいた。
「あっ違……違うんですこれは! 僕が好きで住んでるんです!」
「す、好きで?」
予想外だったのか、ランシェがぽかんとした顔になった。
「ええと、石造りの家が普通のここでは、木造のこの家が粗末に見えちゃうんですけど……でも、僕の元いたところではこれが伝統的な家の形なんです。最初、女王は宮殿内の部屋を貸してくれようとしたんですけど僕がそういうの苦手で……だからむしろ、その、我儘聞いてもらっているのは僕の方で」
女王は悪くないのだ。無意味に手を動かしながら弁明すると、信じられない、というようにランシェは首を振った。彼の中での日本像がとてつもなく貧しい国になってしまったような気がする。
「それは大変、清貧な暮らしを……ああ、だから隠者……」
何か納得したようなつぶやきが聞こえたところで、その小屋の前で馬車が止まる。外側の掛け金が外れる音が聞こえた。すかさず先に降りてランシェがエスコートしてくれる。
「それではランシェさん、お送りいただきありがとうございました」
「では、またお目にかかれる日を楽しみにしていますね」
女王の物にはさすがに及ばないものの、かなり豪華な作りの馬車が走り去るのを見送り、柚季は玄関前で大きく伸びをした。
――とりあえず、お礼状でも書くか。
一目惚れした、とランシェは言ってはいたものの、柚季はそれを信じる気にはなれなかった。自分の見た目のどこにもいいところはない。強いて言えば頑丈なところだ。
きっと、ランシェは柚季のことなんてこれっぽっちも好きではないだろう。
お金や地位、そういった類のものが欲しいだけなのではないか。勝手な思い込みだが、なんとなくそんな気がした。
けれど、それなら――柚季のことなんて大切でもないのに親切にしてくれたというなら、こちらも誠意をもって返さなくてはいけないだろう。
「ふぁ……」
大あくびをしながら小屋の鍵を開けようとして、すでに開いていることに気づく。
かけ忘れだろうか。訝しがりながら扉を開ける。
ベルカントがいた。
「ひっ」
上がり框に直立不動で立っている姿に、柚季は垂直に飛び上がった。
「お待ちしておりました。……おかえりなさいませ」
「あっ、はい、ええと、はい……」
どこか不機嫌そうなベルカントの目元はうっすらと、しかし隠しようもなく赤かった。見てはいけないものを見てしまった気がして、そっと目を逸らす。
「昨晩戻られなかったので、心配しましたよ」
「それは……すいません」
気まずい。自分を見てくるベルカントの視線がちくちくと柚季を責めている気がした。
でも別に、柚季がどこで誰と外泊しようと、ベルカントには関係のないことのはずだ。ほっといてくれればいいのに。
「っていうか……なんで人の家にいるんですか」
「女王様より、柚季様の警護を仰せつかったからです。鍵もいただきました」
「はあ?」
なぜそんなことになるんだ。舞踏会の件を話しでもしない限りそんなことにはならないはずだ。今度は柚季が非難めいた声を上げると、しれっとした顔でベルカントが言い放つ。
「自分は、女王様には何も話しておりません」
「あー……そう」
別の人間に言わせた、ということか。
なんだそれ。とんちかよ。約束さえ守ればいいと思ったのか。
ため息をつき、柚季は上がり框に腰を下ろした。靴紐をほどいていると、横でベルカントが膝をついた。
「ところで、先ほどの方は予定されていたお見合い相手ではありませんよね? どなたですか?」
冷たく低い、だが燃えるような声。思わず背筋がぞっとしてしまった事実を隠すように、柚季は靴を放り投げるようにして立ち上がった。
「誰でもいいでしょう、そんなの」
「いいえ、柚季様をお守りするためには知る必要があります」
「……ランシェ。ランシェ・ウィルポット。メメント・ホテルの支配人」
「昨晩、一緒だったのは彼ですか?」
「そうだよ。実に素晴らしい夜だったね」
挑発と皮肉を込めて言い返す。嘘は言ってないのだからいいだろう。
とにかく、これ以上柚季に干渉してこないで欲しかった。ベルカントなんて、もう柚季の人生に関係ないのだから。
呆然とするベルカントの顔がもっと歪めばいいと思ったが、それ以上は見ていられなかった。どこかに行ってしまえ、と思いつつベルカントに背を向け、柚季は寝室の襖を開けた。
「そうそう、彼と付き合うことにしたから」
「ふざけんなよっ!」
背後からの叫び声と同時に、柚季は畳の上に突き飛ばされていた。肩がぶつかり、畳の匂いが広がる。柚季を跨いで膝をついたベルカントに、両肩を押さえつけられた。
「自分のことは拒絶したくせにっ、なんでっ、そんな……っ!」
それ以上の言葉を押し込めたベルカントの喉が、唸り声のような音を立てた。その上にある葡萄色の瞳が潤んだかと思うと、ぱたぱたと雫が柚季の胸元に落ちてくる。
「ベル……」
誤解だ、と言おうとして、それ以上柚季は何も言えなかった。
やましいことに、変わりはない。
何もなかったのは――ランシェが何もしてこなかったからというだけだから。
自分の上にあるベルカントの顔を、ただ眺める。
見たことのない表情だ、と思った。誰かが撮った映像でも見ているように現実感がない。
なんで、この人はこんなに必死なんだろう、と他人事のような感想が浮かぶ。
自分を振った相手なんて、さっさとくたばればいいと思わないのだろうか。
「自分、はっ……」
そこまで言ったベルカントは、歯を食いしばって目を閉じた。深呼吸をして、赤い制服の袖で涙を拭う。
「……大変、失礼……しました」
「ああ、いえ……別に」
上からベルカントが降りていく。柚季は倒れたまま天井を見上げた。
突き飛ばされた背中と、床にぶつかった肩に鈍い痛みが残っている。急いで起き上がると、また突き飛ばされそうな気がして怖かった。
目を閉じ、ゆっくりと息を吸う。ベルカントの足音が離れたのを確認してから、柚季はゆっくりと上体を起こした。
「すみません、僕も……言い過ぎました。昨日の夜はただ泊めてもらっただけです。ちょっと……調子が悪かったのを気遣ってくださって」
「……そう、ですか」
それ以上の言葉を、つまりランシェと付き合うかどうかの部分についても否定されるのを待っている雰囲気を感じたが、柚季はそこには触れなかった。
ブラウスを脱ぎながら、ちゃぶ台に置かれた便箋と封筒に目をやる。
ランシェにお礼状を書くのは、一服しておやつを食べて、その後でもいいかと思った。
10
あなたにおすすめの小説
2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。
ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。
異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。
二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。
しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。
再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由
スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの二人は、スキルを得た事で魔王討伐に旅立つ勇者と彼の帰還を待つだけのただの親友となる。
勇者と親友の無自覚両片想いのじれったい恋愛の物語。
呪われた辺境伯は、異世界転生者を手放さない
波崎 亨璃
BL
ーーー呪われた辺境伯に捕まったのは、俺の方だった。
異世界に迷い込んだ駆真は「呪われた辺境伯」と呼ばれるレオニスの領地に落ちてしまう。
強すぎる魔力のせいで、人を近づけることができないレオニス。
彼に触れれば衰弱し、最悪の場合、命を落とす。
しかしカルマだけはなぜかその影響を一切受けなかった。その事実に気づいたレオニスは次第にカルマを手放さなくなっていく。
「俺に触れられるのは、お前だけだ」
呪いよりも重い執着と孤独から始まる、救済BL。
となります。
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
悪役令息に転生した俺は推しの為に舞台から退場する
スノウマン(ユッキー)
BL
前世の記憶を思い出したアレクシスは悪役令息に転生したことに気づく。このままでは推しである義弟ノアが世界を救った後も幸せになれない未来を迎えてしまう。それを回避する為に、俺は舞台から退場することを選んだ。全てを燃やし尽くす事で。
そんな俺の行動によってノアが俺に執着することになるとも知らずに。
【土壌改良】スキルで追放された俺、辺境で奇跡の野菜を作ってたら、聖剣の呪いに苦しむ伝説の英雄がやってきて胃袋と心を掴んでしまった
水凪しおん
BL
戦闘にも魔法にも役立たない【土壌改良】スキルを授かった伯爵家三男のフィンは、実家から追放され、痩せ果てた辺境の地へと送られる。しかし、彼は全くめげていなかった。「美味しい野菜が育てばそれでいいや」と、のんびり畑を耕し始める。
そんな彼の作る野菜は、文献にしか存在しない幻の品種だったり、食べた者の体調を回復させたりと、とんでもない奇跡の作物だった。
ある嵐の夜、フィンは一人の男と出会う。彼の名はアッシュ。魔王を倒した伝説の英雄だが、聖剣の呪いに蝕まれ、死を待つ身だった。
フィンの作る野菜スープを口にし、初めて呪いの痛みから解放されたアッシュは、フィンに宣言する。「君の作る野菜が毎日食べたい。……夫もできる」と。
ハズレスキルだと思っていた力は、実は世界を浄化する『創生の力』だった!?
無自覚な追放貴族と、彼に胃袋と心を掴まれた最強の元英雄。二人の甘くて美味しい辺境開拓スローライフが、今、始まる。
鬼神と恐れられる呪われた銀狼当主の元へ生贄として送られた僕、前世知識と癒やしの力で旦那様と郷を救ったら、めちゃくちゃ過保護に溺愛されています
水凪しおん
BL
東の山々に抱かれた獣人たちの国、彩峰の郷。最強と謳われる銀狼一族の若き当主・涯狼(ガイロウ)は、古き呪いにより発情の度に理性を失う宿命を背負い、「鬼神」と恐れられ孤独の中に生きていた。
一方、都で没落した家の息子・陽向(ヒナタ)は、借金の形として涯狼の元へ「花嫁」として差し出される。死を覚悟して郷を訪れた陽向を待っていたのは、噂とはかけ離れた、不器用で優しい一匹の狼だった。
前世の知識と、植物の力を引き出す不思議な才能を持つ陽向。彼が作る温かな料理と癒やしの香りは、涯狼の頑なな心を少しずつ溶かしていく。しかし、二人の穏やかな日々は、古き慣習に囚われた者たちの思惑によって引き裂かれようとしていた。
これは、孤独な狼と心優しき花嫁が、運命を乗り越え、愛の力で奇跡を起こす、温かくも切ない和風ファンタジー・ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる