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間章
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〈暇だ! そうだ、ダンジョン行こう!〉
海月のこの言葉を聞くのはこれで五回目だった。
アーヴィンと「不落の迷宮」に行って、無事に帰って来た我が家。1日と半分を眠っていたらしい私は、体を動かしたい海月に頷いてあげることは出来なかった。
だってもうすぐ夜だし。ダンジョンを紹介してくれるギルドは夕方には閉められる。夜勤の職員さんはいるが、通常の仕事はしない。緊急時の為に控えているだけなのだ。
そんなに体を動かしたいならば、私が眠っている間に乗っ取ってしまえば良かったのに、彼女はそれをしない。戦闘時などに私が気を失ったり、眠りこけている時に危険が迫っていたりした場合くらいだ。私の意識がある時は強引に出て来たりするクセに、妙なところで遠慮する。
「髪、切りに行こうと思ってたんだった……まだ間に合うかな」
町に戻って、入手した素材やら肉やらを売ってアーヴィンと山分けしたら、また金持ちになった。私は計算が苦手なのだと何故か知られてしまっているらしく、紙幣を一枚ずつ二人分に分けて置いていくという、面倒なことをしてくれた上に、余った一枚を含めた数枚を余分にくれたアーヴィンは、実は神様なんじゃないかと思った。
そしてその時に言ってくれたのだ。不揃いになった髪を、きちんと専門店で切って貰うようにって。
調髪専門店もだいたい夕方まで。ならば今からでも十分に間に合う筈。
懐具合がぬくぬくになったお陰で十分に腹を満たせられる幸せを感じてから、髪を切りに行くなら仕方ないと折れてくれた海月に礼を言って部屋を出た。
この町に調髪専門店は四件ある。三件は男女共に受け付けているが、町の……ギルドの前の道をずーっと行った後に右側の方向(つまりは町の南西? 北西? 東だったか?)に見えて来る小さくて可愛らしい一件は、女性だけが入ることを許されていた。
普段は男女兼用のところに行っていたのだが、ちょっとした冒険心を持って、その可愛らしい店に向かう。私だって可愛いのは大好きだ。それに女性なんだから断られたりすることもないだろう。
アーヴィンに借りっ放しの布を被った形で町を歩くと、時折不思議そうな表情をして私を見る人がいることに気付いた。私の髪の色と同じ布だが、被り方がおかしかっただろうか。鏡で確認した時にはそんな風に思わなかったのだが。
「……」
アイボリーの壁に、ちょこんと小さめの帽子を片側に寄せてのせたようなプラム色の屋根、そして細く銀で縁取りされた扉は半透明で中の様子がうっすらと見える。
そんな調髪専門店の前に着いた私は、初めて入店するとあってかなり緊張していた。ダンジョンを前にした時よりもだ。
「ようこそフェアリー調髪専門店へ。係員が案内しますので、ベルを鳴らして下さい?」
扉近くにあるプレートに記されていた文字を読み上げ、その角に下がっているベルを振ってみる。
すると間もなく扉が開き、丼茶碗を逆さまにしてのっけたような髪型をした女性が出てきた。
丼茶碗の模様のように花が生けられていることに目が離せない。
「いらっしゃいませ。初めての方ね? 今日は予約も入っていませんから、すぐに席にご案内出来ますよ?」
「あ……はい。じゃあ、お願いします」
チラリと顔を見ると、優しそうなおばさんだった。頭の花から漂うのか、匂いが強く感じられたけれど嫌いではない。
店内には待っている間に寛げるように喫茶スペースがあった。植木鉢がやたらに多いが、隣り合った客を気にしなくて済むようになっているみたいだ。
迎えに出てくれたおばさんが担当してくれるらしい。先客には学園で見掛けたことのある子がいたが、知り合いではなかったし、担当者の男性と盛り上がっていたみたいだから、素通りした。
しかし、客は女性だけでも店員には男性がいるなんて、ちょっと解せない。
「まあ。こんなに綺麗な色の髪なのに、随分酷いことになってしまったのね。とても悲しかったでしょう? 可哀想に。でも大丈夫ですよ。きっとご満足して頂ける仕上がりにしてご覧にいれますからね」
布を取った私に、おばさんは沈痛な面持ちになったが、すぐに励ますように微笑みながらそう言った。
悲しくなかった訳ではないが、おばさんの反応が大袈裟過ぎて軽く引く。だけど、そもそも私が布で隠すようにして来たのが悪かったのだろう。傷心しているに違いないと思って、合わせてくれただけなんだろうから、内心で謝っておいた。
「肩に少し掛かるくらいで揃えて、先の方だけクセを作って軽く遊ばせてみましようか」
遊ばせるって何? 手入れとか面倒になるのは勘弁だよ?
「ざっくりさっぱりイッちゃって下さい」
「えっ?」
私の注文に、おばさんがギョッと目を剥く。
「すっきりちゃっきりしちゃって下さい」
言い方が不味かったかと言い直してみたが、おばさんは石化したように反応が変わらない。
「えーっと……カッコよい感じで。男装の人たちみたいに」
ふと浮かんだのが、私にマジックバッグという高価な物をくれたバトラーさんだった。
しかし、男装の人、という言葉が効いたのか、おばさんの石化は解けたようで、今度は微笑ましげな目を向けられる。
「それでは、愛らしくも凛々しくなるように、頑張りますね」
そう言っておばさんは職人モードに切り替わった。
約一時間経っただろうか。髪を洗ったり頭皮やら肩やらを揉んだりしてくれる為、ただ髪を切りに来ただけの割りに、結構な時間が経過してしまった気がするが、あっという間でもあった。
職人モードのおばさんは、確認以外には一言も喋らず、優しげな表情は厳しい先生に似たものに変わり、怖いことでもされそうな雰囲気に一瞬怯んだものの、強い花の匂いと頭皮などを揉んで貰ったりしたことで、すぐに気分は寛いだ。
想像したものよりやや長めではあったが、すっきりとした髪型に満足する。
ただ、私の顔では男装は無理そうだ。バトラーさんみたいにカッコいい感じにはなれそうにない。
否、目指してないからいいけど。ちょっといいなと思ってみただけだし。
そして最後に喫茶スペースでハーブティーを飲んだら、これからダンジョンでも何処でも行ってやるぜ、的な気分になった。
気分だけで本当には行かないけれど。
そんな風に色々やって貰って、お代はなんとアーヴィンが余分に渡してくれた分ぴったりだった。
まさかここに、こっそり美少年が通ってたりしてませんよね?
これはお礼に何か贈らねば。と夜でも暫くは営業している肉屋に立ち寄ろうと思った。アーヴィンは全体的に薄いから、男なら肉を食って逞しくなれ、という気持ちを込めてみようと思ったからであり、自分が食べたかったからではない。
だが、その途中でばったりアーヴィンと遭遇した。
明日またギルドで待ち合わせていたから、その準備の為に水を汲みに行っていたのだと言う。
そしてアーヴィンは、辺りが薄暗いからか私をじっと見つめて、何故かがっかりしたような表情をする。
「何だ、その反応は。似合ってないってことか」
「否、そうじゃないよ。似合ってないんじゃなくて……」
はぁ、と深く溜め息。
やっぱり似合ってないっていうことじゃないのか、その態度は。
私は気に入ったのに、酷いじゃないか。と文句を言おうとすると。
「責任、取った方がいいか?」
「???」
「髪、そんなに短くなったの、俺の所為だから」
「……」
あのハサミ蛇足がいた水溜まりの水がどういったものか、前もって説明出来なかったことをまだ悔やんでいたのか。
「責任取るって、どうやって? カツラでも買ってくれるの?」
もしそうなら、私もアーヴィンみたいなキラキラな金髪がいい。
「! カツラって……」
結構本気な私の言葉に、アーヴィンが腹を抱えて笑う。
「今の何処にそこまで笑う要素があった?」
「いやいや、ルナは本当に面白いな」
「全然面白さなかった筈だけど?」
アーヴィンの笑いのツボは通常のものとはかけ離れているのかもしれないな。
何が面白かったのか説明して貰えなかったから、そう考えて納得しておくことにする。
布は私にくれたつもりだったようなので、そのまま貰っておくことにして、お礼に肉を贈りたいのだと言ったら、また爆笑された。多分、今のアーヴィンは壊れてるに違いない。
「腹痛いから帰る」
「えっ? お大事に」
「あはは。うん、じゃあ、また明日」
「うん」
具合が悪かったなら先に言ってくれれば、引き留めなかったのに。暗いから顔色も分からないんだぞ。
アーヴィンを見送りながらそんなことを心の中でぼやいていると、私の中からも笑い声が。海月だ。
「何がそんなにおかしいのかな?」
〈いやぁ、見ていて痒くなるくらいの初々しさだったよ。ルナは本気で言ってるから面白いんだよな〉
「だから何が」
ちょっとイラっとする。アーヴィンと海月だけ分かってるのは狡い。
〈さっきの責任取るってのだって、取らせりゃ良かったのに。髪は女の命だなんてアホな考え、この世界にもあるんだな〉
「髪が命の訳ないだろう。カツラなら欲しかったぞ」
〈カツラじゃねーって。あははははは……笑い死にしそう。もう死んでるけど〉
……むぅ。
何だかつまらん。全然面白くない。
〈拗ねるなって。ただあの少年はそれだけルナを気に入ってるってことさ。じゃなきゃ髪の毛なんか気にしたりしない。良かったな〉
「うん?」
何が良かったのか分からないが、取り敢えずアーヴィンが気にしなくていいようなことを引き摺っていたことは分かったから、もうそんなことのないように、自分のことだけでももう少し気を付けようと思った。
自分の行動で誰かが責任を感じてしまうなら、それは極力避けるべきなのだと。
海月のこの言葉を聞くのはこれで五回目だった。
アーヴィンと「不落の迷宮」に行って、無事に帰って来た我が家。1日と半分を眠っていたらしい私は、体を動かしたい海月に頷いてあげることは出来なかった。
だってもうすぐ夜だし。ダンジョンを紹介してくれるギルドは夕方には閉められる。夜勤の職員さんはいるが、通常の仕事はしない。緊急時の為に控えているだけなのだ。
そんなに体を動かしたいならば、私が眠っている間に乗っ取ってしまえば良かったのに、彼女はそれをしない。戦闘時などに私が気を失ったり、眠りこけている時に危険が迫っていたりした場合くらいだ。私の意識がある時は強引に出て来たりするクセに、妙なところで遠慮する。
「髪、切りに行こうと思ってたんだった……まだ間に合うかな」
町に戻って、入手した素材やら肉やらを売ってアーヴィンと山分けしたら、また金持ちになった。私は計算が苦手なのだと何故か知られてしまっているらしく、紙幣を一枚ずつ二人分に分けて置いていくという、面倒なことをしてくれた上に、余った一枚を含めた数枚を余分にくれたアーヴィンは、実は神様なんじゃないかと思った。
そしてその時に言ってくれたのだ。不揃いになった髪を、きちんと専門店で切って貰うようにって。
調髪専門店もだいたい夕方まで。ならば今からでも十分に間に合う筈。
懐具合がぬくぬくになったお陰で十分に腹を満たせられる幸せを感じてから、髪を切りに行くなら仕方ないと折れてくれた海月に礼を言って部屋を出た。
この町に調髪専門店は四件ある。三件は男女共に受け付けているが、町の……ギルドの前の道をずーっと行った後に右側の方向(つまりは町の南西? 北西? 東だったか?)に見えて来る小さくて可愛らしい一件は、女性だけが入ることを許されていた。
普段は男女兼用のところに行っていたのだが、ちょっとした冒険心を持って、その可愛らしい店に向かう。私だって可愛いのは大好きだ。それに女性なんだから断られたりすることもないだろう。
アーヴィンに借りっ放しの布を被った形で町を歩くと、時折不思議そうな表情をして私を見る人がいることに気付いた。私の髪の色と同じ布だが、被り方がおかしかっただろうか。鏡で確認した時にはそんな風に思わなかったのだが。
「……」
アイボリーの壁に、ちょこんと小さめの帽子を片側に寄せてのせたようなプラム色の屋根、そして細く銀で縁取りされた扉は半透明で中の様子がうっすらと見える。
そんな調髪専門店の前に着いた私は、初めて入店するとあってかなり緊張していた。ダンジョンを前にした時よりもだ。
「ようこそフェアリー調髪専門店へ。係員が案内しますので、ベルを鳴らして下さい?」
扉近くにあるプレートに記されていた文字を読み上げ、その角に下がっているベルを振ってみる。
すると間もなく扉が開き、丼茶碗を逆さまにしてのっけたような髪型をした女性が出てきた。
丼茶碗の模様のように花が生けられていることに目が離せない。
「いらっしゃいませ。初めての方ね? 今日は予約も入っていませんから、すぐに席にご案内出来ますよ?」
「あ……はい。じゃあ、お願いします」
チラリと顔を見ると、優しそうなおばさんだった。頭の花から漂うのか、匂いが強く感じられたけれど嫌いではない。
店内には待っている間に寛げるように喫茶スペースがあった。植木鉢がやたらに多いが、隣り合った客を気にしなくて済むようになっているみたいだ。
迎えに出てくれたおばさんが担当してくれるらしい。先客には学園で見掛けたことのある子がいたが、知り合いではなかったし、担当者の男性と盛り上がっていたみたいだから、素通りした。
しかし、客は女性だけでも店員には男性がいるなんて、ちょっと解せない。
「まあ。こんなに綺麗な色の髪なのに、随分酷いことになってしまったのね。とても悲しかったでしょう? 可哀想に。でも大丈夫ですよ。きっとご満足して頂ける仕上がりにしてご覧にいれますからね」
布を取った私に、おばさんは沈痛な面持ちになったが、すぐに励ますように微笑みながらそう言った。
悲しくなかった訳ではないが、おばさんの反応が大袈裟過ぎて軽く引く。だけど、そもそも私が布で隠すようにして来たのが悪かったのだろう。傷心しているに違いないと思って、合わせてくれただけなんだろうから、内心で謝っておいた。
「肩に少し掛かるくらいで揃えて、先の方だけクセを作って軽く遊ばせてみましようか」
遊ばせるって何? 手入れとか面倒になるのは勘弁だよ?
「ざっくりさっぱりイッちゃって下さい」
「えっ?」
私の注文に、おばさんがギョッと目を剥く。
「すっきりちゃっきりしちゃって下さい」
言い方が不味かったかと言い直してみたが、おばさんは石化したように反応が変わらない。
「えーっと……カッコよい感じで。男装の人たちみたいに」
ふと浮かんだのが、私にマジックバッグという高価な物をくれたバトラーさんだった。
しかし、男装の人、という言葉が効いたのか、おばさんの石化は解けたようで、今度は微笑ましげな目を向けられる。
「それでは、愛らしくも凛々しくなるように、頑張りますね」
そう言っておばさんは職人モードに切り替わった。
約一時間経っただろうか。髪を洗ったり頭皮やら肩やらを揉んだりしてくれる為、ただ髪を切りに来ただけの割りに、結構な時間が経過してしまった気がするが、あっという間でもあった。
職人モードのおばさんは、確認以外には一言も喋らず、優しげな表情は厳しい先生に似たものに変わり、怖いことでもされそうな雰囲気に一瞬怯んだものの、強い花の匂いと頭皮などを揉んで貰ったりしたことで、すぐに気分は寛いだ。
想像したものよりやや長めではあったが、すっきりとした髪型に満足する。
ただ、私の顔では男装は無理そうだ。バトラーさんみたいにカッコいい感じにはなれそうにない。
否、目指してないからいいけど。ちょっといいなと思ってみただけだし。
そして最後に喫茶スペースでハーブティーを飲んだら、これからダンジョンでも何処でも行ってやるぜ、的な気分になった。
気分だけで本当には行かないけれど。
そんな風に色々やって貰って、お代はなんとアーヴィンが余分に渡してくれた分ぴったりだった。
まさかここに、こっそり美少年が通ってたりしてませんよね?
これはお礼に何か贈らねば。と夜でも暫くは営業している肉屋に立ち寄ろうと思った。アーヴィンは全体的に薄いから、男なら肉を食って逞しくなれ、という気持ちを込めてみようと思ったからであり、自分が食べたかったからではない。
だが、その途中でばったりアーヴィンと遭遇した。
明日またギルドで待ち合わせていたから、その準備の為に水を汲みに行っていたのだと言う。
そしてアーヴィンは、辺りが薄暗いからか私をじっと見つめて、何故かがっかりしたような表情をする。
「何だ、その反応は。似合ってないってことか」
「否、そうじゃないよ。似合ってないんじゃなくて……」
はぁ、と深く溜め息。
やっぱり似合ってないっていうことじゃないのか、その態度は。
私は気に入ったのに、酷いじゃないか。と文句を言おうとすると。
「責任、取った方がいいか?」
「???」
「髪、そんなに短くなったの、俺の所為だから」
「……」
あのハサミ蛇足がいた水溜まりの水がどういったものか、前もって説明出来なかったことをまだ悔やんでいたのか。
「責任取るって、どうやって? カツラでも買ってくれるの?」
もしそうなら、私もアーヴィンみたいなキラキラな金髪がいい。
「! カツラって……」
結構本気な私の言葉に、アーヴィンが腹を抱えて笑う。
「今の何処にそこまで笑う要素があった?」
「いやいや、ルナは本当に面白いな」
「全然面白さなかった筈だけど?」
アーヴィンの笑いのツボは通常のものとはかけ離れているのかもしれないな。
何が面白かったのか説明して貰えなかったから、そう考えて納得しておくことにする。
布は私にくれたつもりだったようなので、そのまま貰っておくことにして、お礼に肉を贈りたいのだと言ったら、また爆笑された。多分、今のアーヴィンは壊れてるに違いない。
「腹痛いから帰る」
「えっ? お大事に」
「あはは。うん、じゃあ、また明日」
「うん」
具合が悪かったなら先に言ってくれれば、引き留めなかったのに。暗いから顔色も分からないんだぞ。
アーヴィンを見送りながらそんなことを心の中でぼやいていると、私の中からも笑い声が。海月だ。
「何がそんなにおかしいのかな?」
〈いやぁ、見ていて痒くなるくらいの初々しさだったよ。ルナは本気で言ってるから面白いんだよな〉
「だから何が」
ちょっとイラっとする。アーヴィンと海月だけ分かってるのは狡い。
〈さっきの責任取るってのだって、取らせりゃ良かったのに。髪は女の命だなんてアホな考え、この世界にもあるんだな〉
「髪が命の訳ないだろう。カツラなら欲しかったぞ」
〈カツラじゃねーって。あははははは……笑い死にしそう。もう死んでるけど〉
……むぅ。
何だかつまらん。全然面白くない。
〈拗ねるなって。ただあの少年はそれだけルナを気に入ってるってことさ。じゃなきゃ髪の毛なんか気にしたりしない。良かったな〉
「うん?」
何が良かったのか分からないが、取り敢えずアーヴィンが気にしなくていいようなことを引き摺っていたことは分かったから、もうそんなことのないように、自分のことだけでももう少し気を付けようと思った。
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