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第41話 プロジェクトマネジメント
しおりを挟む午前中にネットショッピングで購入した布団セットと洗濯乾燥機を何もない新居で受け取り、午後は報告のため出社した。
「プロジェクト計画書を提出して欲しい」
お相手は、隠れドM札幌事業部長殿だ。自席はいつの間にか営業部の島から管理部の島に移されていた。
「プロジェクト計画書⋯⋯ですか」
「プロジェクト管理するのに必要だろう? 現状だと報告を受けても、スケジュールに対してどんな進捗なのか、どんな状態なのかも判断が付かん」
一見、真っ当な話ではあるが、プロジェクト管理ごっこをしたところで、遅れをリカバーできる手を打ってくれる訳でもない。面倒が増えるだけだ。
「プロジェクトのゴールはどこに設定しましょうか。『お客様の要求達成』と『自社の利益最大化』で、方向性が大分違ってきますが」
「うん? ⋯⋯その辺は互いの利益を尊重した上で、上手くバランスを取ってくれたまえ。いいね?」
「はい。分かりました」
よくある玉虫色の御命令だ。上手くとは言うが、バランスが取れているかどうかの判断は誰もしない。
彼も札幌事業部のトップと言えども所詮は中間管理職。上に対する報告ができればそれでよく、まともにマネジメントする気もないのだ。
生憎と、この手の能力もやる気もない人間に都合のいい情報を誤認させるドキュメント作成は業務で慣れ親しんだ作業だ。だからSEに嫌気がさしたとも言えるが。
小一時間ほどでドラフト版を作成した。
マイルストーンにはイースト界とススキノ界の攻略を置き、最近の獲得EPから想定した倍のスケジュールで仮置きだ。
ススキノ界の間引きは不確定要素が多すぎて、リスク含みで倍にしてみたが足りるかどうかも分からない。間引きメンバーも恐らくは足りていないのだ。
とはいえ、悩む時間の方が無駄なのでリスクについても記載するだけして、部長に送信する。
だめだったら早めにごめんなさいすればいいのだ。大事なのは怒られる事を必要以上に恐れる事だ。誰もやっていない事を計画通りにやれって言う方がそもそもがおかしい。
行雲流水、怒られても水の如く聞き流せばいいのだ。いやそういう意味の言葉じゃないけど。
担当の彼からもメールが届いており、界の主についてのレポートも添付されていた。
大体の内容は知っている情報ではあったが、界の主はプレイヤーとは取引ができないとあり軽く驚く。
確かにプレイヤーと取引ができれば、やりたい放題の金儲かりまくりになってしまうのに、ルイさんがモモカに界の主について教えていた時に、その儲け話が話題に出なかった時点で予想できたのかも知れない。
「斎藤君、今日は間引きないんだろう? ススキノ界の用地探しに出ようか」
おっとー。スケジュール等々を把握されるのも色々面倒だな。もう、ただの飲みに行く言い訳じゃん。
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