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逃避行
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職場に務めて早5年。最初は新人という事もあり他の教師たちの距離感を測るのに苦戦し、やっと慣れてきた頃1人で授業を受け持てるようになった。クラス持ち(担任)にならないかという話も来ていたが、副担任までに留まったのは生徒らに若さで舐められるのでは、と考えたから。
実際生徒たちは思春期にしては素直で、懐いてきてくれる子も少なくはなく
安堵したのは大分前の話し。そしてあれよこれよとしてる間に、彼等が入学して来て、
あぁ、いよいよゲームスタートだなぁ
なんて、第三者(傍観者)としてしみじみしたものだ。思い出は1日ごとに増えてゆき、前世と比べて「職場嫌い!ブラックだ!」と愚痴ることもなく、寧ろ俺の第2の居場所となりつつあった。
でも、それも今日でさよならだ。
「今までここで頑張ってくれてありがとう。向こうでも無理せず頑張りなさい」
校長室で校長に涙ぐみながら告げられた。
『はい。今までありがとうございました。校長先生もお身体にはお気を付けて』
あの日ルドルフに抱かれてから、直ぐに来た転勤の話し。正確には転勤は転勤でも、ほぼ引き抜きだという。
遠く離れた島にある高校、
そこの校長が俺の遠縁で、こっちにこないか。という有難い話をいただいた。
どちらにしろ教員に転勤は付き物。でも知り合いがいる場所ならまだ気持ち的にも余裕ができるし…、それにルドルフの事も忘れられるんじゃ
そう思い至った俺は二つ返事で頷いた。
□
■
□
俺はルドルフから逃げることを選んだ。
彼が俺を追いかけてくるなんて…まったく思いもせずに。
実際生徒たちは思春期にしては素直で、懐いてきてくれる子も少なくはなく
安堵したのは大分前の話し。そしてあれよこれよとしてる間に、彼等が入学して来て、
あぁ、いよいよゲームスタートだなぁ
なんて、第三者(傍観者)としてしみじみしたものだ。思い出は1日ごとに増えてゆき、前世と比べて「職場嫌い!ブラックだ!」と愚痴ることもなく、寧ろ俺の第2の居場所となりつつあった。
でも、それも今日でさよならだ。
「今までここで頑張ってくれてありがとう。向こうでも無理せず頑張りなさい」
校長室で校長に涙ぐみながら告げられた。
『はい。今までありがとうございました。校長先生もお身体にはお気を付けて』
あの日ルドルフに抱かれてから、直ぐに来た転勤の話し。正確には転勤は転勤でも、ほぼ引き抜きだという。
遠く離れた島にある高校、
そこの校長が俺の遠縁で、こっちにこないか。という有難い話をいただいた。
どちらにしろ教員に転勤は付き物。でも知り合いがいる場所ならまだ気持ち的にも余裕ができるし…、それにルドルフの事も忘れられるんじゃ
そう思い至った俺は二つ返事で頷いた。
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俺はルドルフから逃げることを選んだ。
彼が俺を追いかけてくるなんて…まったく思いもせずに。
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