ストーリーが終わった後のキミと俺ー最初から好きなのはアンタだけー

ふわりんしず。

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就職3日目

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朝起きると、昨日感じた筋肉痛は幾分かマシになり、起きて早々肩をグルグルと回して身体を解した。

時刻は朝の6時。出社用のスーツを選びながら歯を磨き、軽く朝食の準備を済ませた後、顔を洗って、朝食にありついた。

テーブルの、皿の上に乗っているのはスクランブルエッグとトースト1枚。


幾ら漫画の世界、とは言っても調味料や食材は日本と変わらず。こういう些細な事でよく前世の記憶を思い出したりしたものだ。

例えば前世の母はトーストに必ず、マーガリンではなくチーズ派だったこと。父は、手間が掛かるのに両面、パンを焼く派だったこと。それから、母はスクランブルエッグより目玉焼きが好きだったこと。父は卵焼きオンリーだったこと。


味の好みや好きな物がバラバラで、よく口喧嘩をしていた風景が今でも鮮明に思い出す。

何かの本では、年々、前世の記憶が薄れていく。という描写があったけれど、

どうやら俺はそれに当てはまらないらしい

不安だったから一応は日本語で、前世の事を書いたノートもあるにはあるが…。誰にも見られないように大事に保管している。

誰かに俺が前世の記憶を持っている、なんて

打ち明ける日はきっと来ないだろうし。



言う気にもなれない。

もし話したとして、異端、もしくは異常だと言われて精神疾患を疑われるのが目に見えている。なら黙っているのが得策だ。

『ご馳走様でした』

食べ終わった皿を前に、そっと手を合わせる

ご飯を食べる前は『いただきます』食べ終わったら『ごちそうさまでした』

この挨拶は此方では通用しないが、いつもの癖でしてしまう。異世界あるあるだよな


『さて、と。コーヒーでも1杯飲むとしますか』

平らげた皿を下げ、インスタントのコーヒーパックをコップに入れる。本当は豆を挽きたいのだが、それは追々かなぁ。前住んでいた場所を引き払ってこっちに移ったから、落ち着き次第、趣味に走りたい…。

とはいっても、好きな事なんて朝コーヒーを飲む事と本を集める事くらいだが、

コーヒーを飲む事も、
本を読むことも、

俺にとっては、趣味であり。雑念を消し、気持ちを落ち着かせるには持ってこいなだけ

何かを考えたい時や、苛立ちをかき消すのには丁度よく。



コーヒーを飲み終わる頃には思考がクリアになっていたりする。勿論読書も同じく。

『その内落ち着くんじゃないの、か』

昨日タヌキじじい、もといい校長先生ティナトが口にした言葉。

頭を空っぽにして、昨日の言葉をおうむ返で呟けば、彼が何を言いたかったのか。いや、何を敢えて伝えなかったのかは、自ずと導きだされ…

思わず眉を顰めた。


久しぶりに見た校長に話題を振ったのは言わずもがな自分だった。たまたまではあったが、リーハス先生から聞いた魔力暴走の話し

それが頻繁に起こるなんて事は有り得ない・・・・・のだが、


あの男の口ぶりから見て間違いないのだろう




『魔力暴走は人為的に起こっている、か』







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