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騎士の警備
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正門から出勤すれば登校時間の生徒らに『先生おはようごさいます!』と、朝から元気な挨拶を何度か受け取った。
朝の空気はどこかひんやりしていて、体内の何かを浄化してくれるような…そんな気がする。
気を引き締める様にして一度深呼吸をし、ふと違和感を覚えた。目の前に広がる、見慣れ始めた校舎。そして校舎を囲む様にして作られた校庭。
靴箱前には学生用、職員用に設けられた警備員室があり必ず生徒手帳と自身の顔を見せた後、教室もしくは職員室へと行くことが出来る。
学校に警備室?と思うのも無理はないが…
ここに通う生徒らに価値があるのは事実。だからこそ警備はしっかりとしていた。
警備室の窓から顔を出し、いつも穏やかな笑顔で迎えてくれていた警備員さんとちょっとした世間話をしたりする事もあって、
ほんのちょっとだけ、この学校にも慣れてきたかな。なんて思えていたのだが、
(あのおじさん、今日は休みなのか)
定位置の場所に見慣れた人物は立っておらず、代わりに警備室の外。つまり廊下側にはラフな格好をした成人男性等が佇んでいた。
腰に剣を帯刀していないにも関わらず、何故だか騎士を連想させたのは日本でいう軍人の立ち姿と似ていたからだ。
警備をしている、というよりただ眺めている風を装いたいのか緊張感も殺気すらも押し殺している。なんなら気軽に、近くを通った生徒に向かって「おはよう。ねぇねぇ名前教えてよ」なんて言っている輩も…って、おいおい
軽くナンパしてる奴もいるんだが?仮にもお前ら、仕事で来てるんだよな
ちゃっかり、しっかりナンパしてんじゃねぇぞ。
そう、俺の読みが正しければ彼等は国のお抱え騎士…ではないだろうか。
とはいっても沢山の部隊があるから、何処の誰が来ているのかまでは知らないけど。
国が動く案件があるとすれば、十中八九アレしかないだろう。
魔力暴走、だ。つい最近リーハスが騎士の見回りが増える、と言っていたが…
まさか学園の中にまで入ってくるとは。なんともまぁ物騒な事で
(学園内で何も起きないことを願うしかないな)
思わず内心で呟きながら、止まっていた足を進めた。きっと今日も職員室のドアを開けば珈琲の香りが漂うのだろう。
俺の新しい職場。
そして長いことお世話になるであろう職場。
きっかけは何であれ、この場所に来たのは正解だった。
進んだ教育方針と、周りを囲んだ自然
心が落ち着くこの場所は、この世界が本の世界だとか。前世の事だとか、色々忘れさせてくれる。このままのんびり年を取るのも…
『悪くないかもな』
職員室に向かう廊下。
時折生徒らとすれ違う中、ポツリと零した声は誰かの耳に入る事無く消えてゆく。
■
□
■
『なん、で…ここに居るんだよ…、』
数時間後、思いもよらない人物が俺の前に現れたのはまだ少し後のこと。
朝の空気はどこかひんやりしていて、体内の何かを浄化してくれるような…そんな気がする。
気を引き締める様にして一度深呼吸をし、ふと違和感を覚えた。目の前に広がる、見慣れ始めた校舎。そして校舎を囲む様にして作られた校庭。
靴箱前には学生用、職員用に設けられた警備員室があり必ず生徒手帳と自身の顔を見せた後、教室もしくは職員室へと行くことが出来る。
学校に警備室?と思うのも無理はないが…
ここに通う生徒らに価値があるのは事実。だからこそ警備はしっかりとしていた。
警備室の窓から顔を出し、いつも穏やかな笑顔で迎えてくれていた警備員さんとちょっとした世間話をしたりする事もあって、
ほんのちょっとだけ、この学校にも慣れてきたかな。なんて思えていたのだが、
(あのおじさん、今日は休みなのか)
定位置の場所に見慣れた人物は立っておらず、代わりに警備室の外。つまり廊下側にはラフな格好をした成人男性等が佇んでいた。
腰に剣を帯刀していないにも関わらず、何故だか騎士を連想させたのは日本でいう軍人の立ち姿と似ていたからだ。
警備をしている、というよりただ眺めている風を装いたいのか緊張感も殺気すらも押し殺している。なんなら気軽に、近くを通った生徒に向かって「おはよう。ねぇねぇ名前教えてよ」なんて言っている輩も…って、おいおい
軽くナンパしてる奴もいるんだが?仮にもお前ら、仕事で来てるんだよな
ちゃっかり、しっかりナンパしてんじゃねぇぞ。
そう、俺の読みが正しければ彼等は国のお抱え騎士…ではないだろうか。
とはいっても沢山の部隊があるから、何処の誰が来ているのかまでは知らないけど。
国が動く案件があるとすれば、十中八九アレしかないだろう。
魔力暴走、だ。つい最近リーハスが騎士の見回りが増える、と言っていたが…
まさか学園の中にまで入ってくるとは。なんともまぁ物騒な事で
(学園内で何も起きないことを願うしかないな)
思わず内心で呟きながら、止まっていた足を進めた。きっと今日も職員室のドアを開けば珈琲の香りが漂うのだろう。
俺の新しい職場。
そして長いことお世話になるであろう職場。
きっかけは何であれ、この場所に来たのは正解だった。
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心が落ち着くこの場所は、この世界が本の世界だとか。前世の事だとか、色々忘れさせてくれる。このままのんびり年を取るのも…
『悪くないかもな』
職員室に向かう廊下。
時折生徒らとすれ違う中、ポツリと零した声は誰かの耳に入る事無く消えてゆく。
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『なん、で…ここに居るんだよ…、』
数時間後、思いもよらない人物が俺の前に現れたのはまだ少し後のこと。
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