僕のお兄様がヤンデレなんて聞いてない

ふわりんしず。

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本当に完璧過ぎて、ちょっと眩しいくらいのお兄様。僕の自慢で大好きな家族。

でも、その日知ってはいけない…

思い出してはいけない事実を僕は、


「イライラする。…ユリシアが誰かと話すたびに気が狂いそうなんだ」

お兄様の言葉で全て・・を思い出す事となった。



此処が『キミの側に居たいから-欲しいモノは1つだけ-』のゲームで、僕はただの脇役であると言うことを。

五爵の中、僕の家は侯爵という地位にいて僕には兄がいる。そう、今、目の前に居て、僕に吐き捨てた男-リシウスが僕の…


兄であり、ゲームの中では攻略対象者の1人


このゲームは日本で作られたため、外国をメインに作られてはいるが日本文化が普通に取り込まれている世界となっていて、

プレイヤーからかなり人気を得たゲームでもあった。話の内容としては、主人公が貴族の集う学校に通い、勉学・魔法を極めるストーリーだ。



その学園で何人もの攻略対象者に出会う訳なのだが、

すんなり物語は進む筈もなく、主人公には沢山の試練が待ち受けていた。攻略対象者で試練内容は異なり、

この国の王子を選べば、王子の伴侶としての教育が試練となり、また近衛騎士団の息子を選べば、彼の隠している秘密と向き合わなければいけなくなり、宰相の息子を選べば、学園での試験が高感度の鍵となる、

そして王子達から一目置かれているリシウス・ロレスターを選べば、彼の好感度を上げるのが試練となる。

宰相の息子とは違い、何で高感度が上がるのか。ファンの間では結構荒れていた



何故ならリシウスはプレゼント効果もなく、記述試験や魔法での特訓でポイントが稼げない。なんならゲームの画面に現れる確率すら低過ぎて、お前は本当に攻略できるのか!?と言われていたくらいだ。

すぐにゲームオーバーになるのは最早お約束


下手したら隠しキャラより難しいと噂されていた。が、何故だろう。

今、僕の目の前の兄-お兄様はどこか仄暗い瞳の中にギラギラのした炎を宿し、じっと僕をその瞳に捕らえて放さない。

『…おにい、さま?』

ど、してーーーー、


生きた心地がしないのは目の前の兄が捕食者の様な雰囲気を醸し出しているからだ、

「ユリシアは俺だけ見てればいい。他の奴らなんて見る必要ないだろう?

それとも…俺を試してるのかな。俺の可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い

ーーーーーー…ユリシアは」
















家庭教師から出された問題で分からない箇所があり、お兄様の部屋を訪ねた

深夜だから迷惑だろうか、と考えた時

まだ開けていない筈のドアが開き、お兄様が顔を出した。



“どうしたのユリシア…?”

ドア前に立っていた僕に驚く顔すら見せずに、ただ嬉しそうに笑った兄が

嫉妬で狂いかけている、なんて気付く筈もなくただ招かれた部屋にお邪魔した。



“実はね分からないところがーーーー…な、に…これ、”


部屋に入り、その異質な雰囲気に気付いたのは直ぐだった。背後で、かちゃり、と鍵が閉まる音と、ほぼ同時。

知らぬが仏。

頭の中に浮かんだ言葉はまさにその一言に尽きた



今日、兄の部屋に来たこと

兄に頼ろうとしたこと

そして、



兄の気持ちに気づけなかった事を酷く後悔した



「あぁ。これ?気に入ったかな。魔法でね一枚の絵みたいにその時の記憶が残せる仕組みなんだよ。異国では写真、というらしいよ」


部屋全体に広がる、

僕のーーーーー…写真、


いつ、どこで撮られたのかすら分からないものばかり。

一人で勉強しているものや、

お風呂に入っている時のものまで、


天井にすらそれらは貼られていた。



「聞いたよ。正式に王子と婚約するんだってね」


『ぁ、…そ、れは』


「おめでとう。でもね、ユリシア

俺はイライラする。…ユリシアが誰かと話すたびに気が狂いそうなんだ」




そして冒頭に戻るわけだが、

お、…思い出したからって、これの対処法は何が…正解なの!?モブルートなんて、無かったのに

なんで、…なんでこうなった!?




冷や汗ダラダラで、取り敢えず…

Uターンしよっか!って、ノリで扉を見るも

うん。分かってた。ドアがお兄様の背後にある事くらい分かってた!!

しかもさっき鍵閉められた音がする



なんなら、この部屋全体に保護魔法が張られているのも…今更ながらに気付いてしまった

いや、でも待って。なんで魔法…?

だって保護魔法はーーーーー


敵から身を守る防御魔法で、

この部屋全体に魔法を張っても、敵なんて…



つまり、この空間に2人きり。

僕の写真を部屋中に貼り付けてある男、と


事実、密室だ

それって…やばいんじゃ、


「あぁ。やっぱりユリシアは賢いね。

もう保護魔法に気付いたのか。偉いな。これはねサポート魔法だけど、

使い方は色々あるんだよ?例えば、

誰かを守りたい時や、その逆もしかり。拷問部屋が、なかったら保護魔法をだして…とかね?

便利なんだよ。使用者が解かない限り、ここからは出られないし、ね?」




待って、だれか、この状況を…説明して

「ユリシアがイケナイんだよ。俺が居るのに婚約しようとするから、だからーーーー

奪われる前に奪わないと、ね?」

告げられたセリフにまったく心当たりがない、わけじゃ…ない


確かに僕は王子の婚約者候補に選ばれ、


1週間後、正式に婚約発表を行う。




でも、なんで…お兄様はそんな事で怒るのか、僕には分からない

いや、…分かりたく、ない

だってこれじゃあ、まるでお兄様が…



「既成事実、作ろうね

ーーーー…俺のユリシア」
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