僕と彼らの日常

オリエンテーション⑧

｢因みに俺は国語を担当している。問題を起こすなら学校外だけにしろ。身分証は持つんじゃねぇぞ、学校の評価が落ちる｣

話は以上だ、解散。と突っ込みどころ満載な担任のセリフに呆然とした。なんかかなり聞き捨てならない言葉が聞こえた様な…いや、うん、気のせいかな。

ちょっぴりやる気のない担任の名前は早瀬というらしい。先生も僕と同様に黒髪族。

予想外だったのは受け持ち学科が国語だった事。身長も高く割とがっちりした身体付き、

如何にもスポーツが得意そうな見た目だった事と、あとは服装がラフな格好だったから。



(あ、…でも先生の声って、)

ふと気付く早瀬先生の声質。かなり低音で聞きやすい声は、朗読とかされたらイチコロ。爆睡できること間違いなし。

案外国語の教科は早瀬先生に合っているのかもしれない。



耳障りな声ではなく、すっと耳に馴染むボイス。

先生の授業が少しだけ楽しみになったのは、ここだけの秘密。



解散、と告げられ散り散りになるクラスメート達を横目に僕も帰る準備をする。

貰った時間割表やら資料等をファイルに入れて、

後はスマホのチェック。

オリエンテーションが始まる前にやり取りしていた、さっちゃんとのLIN○

バイブ音はしなかったから来てないことは分かっていたけど、ついつい確認。


言わずもがなさっちゃんからの返事は来ておらず、ただ既読が付いていた。









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