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一人だけで全部やれ!?
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わたし一人を残して浄化係の人たちを解雇するように言ったお父様。
……とは言っても、浄化係……というか、魔石に関わる仕事はその過酷さのために、平民だと、もって数年程度の期間しか務められないみたい。
国からのおふれで退職金も相応に出ることになっているから、急に解雇されたとしても、雇われてる人達の動揺はそこまででもないみたいだった。
でも、わたしにとっては……短過ぎる間とはいえ、色んな事を教えてもらった人たちとの別れだったから。
挨拶も許されなかったから、ちゃんとしたお礼も言えずに……
雇い止めをされた浄化係の領民はびっくりしながらも、わたしの力を見ていたからか納得して辞めていったらしい。
「あのお嬢様がいらっしゃるなら間違いねぇや!」
っていう感じ。
わたし一人に浄化を任せる事については心配そうにしてたものの……
お父様は、すぐに別の人間を雇い入れるから、と言って丸め込んだみたい。
「ちょっと心配ですが、数日すれば次の人も来るっていうし……」
「そーそー。まーたっぷり給料頂けるとはいえ確かにきつい仕事なんでね、交代さして貰えるならありがてーや」
「あと少しすればリリアお嬢様もすぐに浄化の儀式に参加できるだろうし…お二人がいれば安心でさぁ」
あとから、使用人にこっそり聞いたら。皆口々にそう言って、自分の家に帰っていったみたい。
でも、追加の人員が来ることはなかった。妹のリリアが浄化に参加することもなかった。
モンスターを倒して、魔石の原石を取り出す仕事にも一度だけ連れていかれた。
その時にも、わたしは、指一本触れずに、モンスターを倒すことができた。
わたしが原石を握ったら、石は魔力によって一瞬で磨かれて、魔石の形になった。
わたしにモンスターを退治する力があるって知ったお父様は、回収係の人達も、加工係の人達も次々に解雇してしまった。
「ローズ」
お父様が、わたしの名前を呼ぶ。
この頃はもう、名前を呼ばれることがすごく怖いことみたいに聞こえてた。
「ぁ、あのぅ、わたし……わたし、そんな…………」
「すべて、お前一人で、出来るな?」
言い聞かせるみたいに、お父様が低い声で言う。
「これだけの力があるお前の事だ……そうなれば他の領民達はますます豊かに暮らせるだろう。
これは、全て、領民達の為なのだよ」
そう言われると、何も言えなかった。
コク……
「……はい……」
こんな感じで幼いわたしは、魔石に関する作業をすべて、一人でするように言い付けられた。
そこからは、もう。忙しくて、記憶がところどころ消えてる。
□□□
魔石の精製は、そりゃーもう大変だった。まず領地内の森へあふれるモンスターを退治しに行かなくちゃいけないし。
凶暴きわまりないモンスターを倒して核である魔石の原石を取り出す。
それを研磨して水晶の形に磨くんだけど、そのままだと闇属性の穢れが強くて使えたものじゃないんだよね。だから祈りを捧げて浄化しなくちゃいけない。
……って言っても、正直……ここまでは結構大丈夫だった。
頭の中で声が響いた日から、魔力は大幅に増えていたから。
モンスターを倒し、取り出した原石を魔力で一気に削って磨く。
でも、祈りの儀式がやっぱり大変。
専用の塔で月光を浴びながら三日間祈る。
一度で大量に祈れるとはいえ、正直眠くて眠くて仕方ないとこあったし……少しでも月光が浴びれるように塔にはガラスのない窓しかついてない。
日光を浴びせちゃいけないから、昼は太陽の光を遮る黒い幕で覆われて部屋は真っ暗。その中で、体に貯めた魔力を魔石に注いで夜になるのを待つ。一瞬でも気が抜けない。
風が直接入ってきちゃうわけだから夏は暑いし冬は寒いし、魔力をたくさん使うから浄化係の人達は祈りを捧げるたびにボロボロになっていく。そうならないように交代人員が必要ってわけ。
そのために魔力のある領民を雇ってたんだ。でもお父様がみーんな解雇してしまった。
でも、やめるってなった時は結構ホッとしてる人もいた。
お給料かなりいいとは言え、精神的にも体力的にも結構きついからね。
そーいえば、妹が儀式に参加しなかった理由は……お父様とお母さまが止めてたみたい。あんな大変なところに大事な大事な娘をやれるか!ってことらしーです。わたしも娘なんだけどなーーーー。
わたしはずーっとずーっと何年も何年も……家のため、領地のためにと思って頑張ってきた。
でも、18歳になったわたしへ待ってたのは、婚約破棄と領地追放だった。
は~~~…………そんなのってヒドイ。ちょっとくらい性格悪くなっても当然じゃん!?
……とは言っても、浄化係……というか、魔石に関わる仕事はその過酷さのために、平民だと、もって数年程度の期間しか務められないみたい。
国からのおふれで退職金も相応に出ることになっているから、急に解雇されたとしても、雇われてる人達の動揺はそこまででもないみたいだった。
でも、わたしにとっては……短過ぎる間とはいえ、色んな事を教えてもらった人たちとの別れだったから。
挨拶も許されなかったから、ちゃんとしたお礼も言えずに……
雇い止めをされた浄化係の領民はびっくりしながらも、わたしの力を見ていたからか納得して辞めていったらしい。
「あのお嬢様がいらっしゃるなら間違いねぇや!」
っていう感じ。
わたし一人に浄化を任せる事については心配そうにしてたものの……
お父様は、すぐに別の人間を雇い入れるから、と言って丸め込んだみたい。
「ちょっと心配ですが、数日すれば次の人も来るっていうし……」
「そーそー。まーたっぷり給料頂けるとはいえ確かにきつい仕事なんでね、交代さして貰えるならありがてーや」
「あと少しすればリリアお嬢様もすぐに浄化の儀式に参加できるだろうし…お二人がいれば安心でさぁ」
あとから、使用人にこっそり聞いたら。皆口々にそう言って、自分の家に帰っていったみたい。
でも、追加の人員が来ることはなかった。妹のリリアが浄化に参加することもなかった。
モンスターを倒して、魔石の原石を取り出す仕事にも一度だけ連れていかれた。
その時にも、わたしは、指一本触れずに、モンスターを倒すことができた。
わたしが原石を握ったら、石は魔力によって一瞬で磨かれて、魔石の形になった。
わたしにモンスターを退治する力があるって知ったお父様は、回収係の人達も、加工係の人達も次々に解雇してしまった。
「ローズ」
お父様が、わたしの名前を呼ぶ。
この頃はもう、名前を呼ばれることがすごく怖いことみたいに聞こえてた。
「ぁ、あのぅ、わたし……わたし、そんな…………」
「すべて、お前一人で、出来るな?」
言い聞かせるみたいに、お父様が低い声で言う。
「これだけの力があるお前の事だ……そうなれば他の領民達はますます豊かに暮らせるだろう。
これは、全て、領民達の為なのだよ」
そう言われると、何も言えなかった。
コク……
「……はい……」
こんな感じで幼いわたしは、魔石に関する作業をすべて、一人でするように言い付けられた。
そこからは、もう。忙しくて、記憶がところどころ消えてる。
□□□
魔石の精製は、そりゃーもう大変だった。まず領地内の森へあふれるモンスターを退治しに行かなくちゃいけないし。
凶暴きわまりないモンスターを倒して核である魔石の原石を取り出す。
それを研磨して水晶の形に磨くんだけど、そのままだと闇属性の穢れが強くて使えたものじゃないんだよね。だから祈りを捧げて浄化しなくちゃいけない。
……って言っても、正直……ここまでは結構大丈夫だった。
頭の中で声が響いた日から、魔力は大幅に増えていたから。
モンスターを倒し、取り出した原石を魔力で一気に削って磨く。
でも、祈りの儀式がやっぱり大変。
専用の塔で月光を浴びながら三日間祈る。
一度で大量に祈れるとはいえ、正直眠くて眠くて仕方ないとこあったし……少しでも月光が浴びれるように塔にはガラスのない窓しかついてない。
日光を浴びせちゃいけないから、昼は太陽の光を遮る黒い幕で覆われて部屋は真っ暗。その中で、体に貯めた魔力を魔石に注いで夜になるのを待つ。一瞬でも気が抜けない。
風が直接入ってきちゃうわけだから夏は暑いし冬は寒いし、魔力をたくさん使うから浄化係の人達は祈りを捧げるたびにボロボロになっていく。そうならないように交代人員が必要ってわけ。
そのために魔力のある領民を雇ってたんだ。でもお父様がみーんな解雇してしまった。
でも、やめるってなった時は結構ホッとしてる人もいた。
お給料かなりいいとは言え、精神的にも体力的にも結構きついからね。
そーいえば、妹が儀式に参加しなかった理由は……お父様とお母さまが止めてたみたい。あんな大変なところに大事な大事な娘をやれるか!ってことらしーです。わたしも娘なんだけどなーーーー。
わたしはずーっとずーっと何年も何年も……家のため、領地のためにと思って頑張ってきた。
でも、18歳になったわたしへ待ってたのは、婚約破棄と領地追放だった。
は~~~…………そんなのってヒドイ。ちょっとくらい性格悪くなっても当然じゃん!?
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