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ここは一階の食事処。
テーブルについて待っていると、宿屋だけでなく、ごはん屋さんの方にも「臨時休業」の札をかけたおかみさんが戻ってきた。
手にはスープとパンの乗ったお盆を持ってる。
「すみません……わたしのせいで……」
「ああ、いいよいいよ。この辺は結構他にも食事処や宿屋はあるからね。うちが一日休んだところで何てことないさ」
「でも、お店……」
「こんなことあって仕事に手がつくと思うかい??さ、とりあえず飲みな。あんた、夜だって食べてないんだから」
うぅ……やさしい……
持ってきてもらった朝食へお祈りして、いただくことにした。
朝ごはんはゴロっと具が入ってるスープだ。香辛料がしっかりしてて、大きな具も口に入れるとほろほろ崩れて柔らかい。
おいしー……
他にお客さんもいないし、もうフードは被ってない。
騒がしくしてしまったけど、わたしがあの部屋を分厚いカーテンやしっかりした壁や床に変えちゃったおかげで、外にはほとんど光や音が漏れてなかったみたいだ……いいのか悪いのか……
あ、ちなみに扉も窓付きで鉄の鍵付きのに変わってました。扉の窓から光が漏れて、ちょうど別の客室を片付けようとしていたおかみさんが駆けつけてくれたみたい。
もぐもぐと食べているわたしの前で、店主さんがおかみさんに声をかける。
「おい、お前。お嬢様だって言ってるだろ。もーちょっとどうにかなんねぇのか」
「あらやだよ。ごめんなさいねぇ、ええと……ローズ様?お偉いさんの相手なんてとんと縁がないもんだから」
「!」
慌ててごくんとパンを飲み込む。
「うぅん、どうかそのままで話してください。わたし、そーいうのじゃないし……」
「そーいうのじゃないって、そんなねぇ」
実際、もう追放されてしまったからセスティア家の人間じゃなくなってるわけだし。
そういうことを抜きにしても、おかみさんは気安い口調の方がなんだかうれしい。
「いえ、ほんとに!さっきまでの話し方で!」
「そうかい……?じゃ、お言葉に甘えるとしようかね」
「はい……!」
ホッ。了承してもらえてよかった。
そのあとは、わたしが落ち着いて食事が出来るように、コーヒーを飲みながら二人とも待っていてくれた。
食事を終えると、おかみさんはわたしにもミルク入りのコーヒーを渡してくれる。
「………で、どういうことだい?どうして城主の娘さんがこんなところに……」
おかみさんは、ローブから出てるわたしの手首をそっと見た。
何となく、悲しそうな目だ。うぅ、すみません、ガリガリで……
店主さんも、難しそうな顔をして顎を触っている。
「何も迷子になったわけじゃねぇよなあ……?どうしやすかお嬢様、馬を飛ばしてお屋敷までお送りします?」
うぅっ。
伝えるのが心苦しい。でも、連絡されちゃうぐらいなら言わなくちゃ……
「そのことなんだけど……わたし、もうお嬢様じゃないんです」
「……ん?」
どういうことだ?って二人が顔を見合わせる。
「あの…………領地を、追放されちゃいまして」
一瞬固まった二人が、同じようにおどろきの声をあげた。
「「……………えぇぇえええ………!?!」」
テーブルについて待っていると、宿屋だけでなく、ごはん屋さんの方にも「臨時休業」の札をかけたおかみさんが戻ってきた。
手にはスープとパンの乗ったお盆を持ってる。
「すみません……わたしのせいで……」
「ああ、いいよいいよ。この辺は結構他にも食事処や宿屋はあるからね。うちが一日休んだところで何てことないさ」
「でも、お店……」
「こんなことあって仕事に手がつくと思うかい??さ、とりあえず飲みな。あんた、夜だって食べてないんだから」
うぅ……やさしい……
持ってきてもらった朝食へお祈りして、いただくことにした。
朝ごはんはゴロっと具が入ってるスープだ。香辛料がしっかりしてて、大きな具も口に入れるとほろほろ崩れて柔らかい。
おいしー……
他にお客さんもいないし、もうフードは被ってない。
騒がしくしてしまったけど、わたしがあの部屋を分厚いカーテンやしっかりした壁や床に変えちゃったおかげで、外にはほとんど光や音が漏れてなかったみたいだ……いいのか悪いのか……
あ、ちなみに扉も窓付きで鉄の鍵付きのに変わってました。扉の窓から光が漏れて、ちょうど別の客室を片付けようとしていたおかみさんが駆けつけてくれたみたい。
もぐもぐと食べているわたしの前で、店主さんがおかみさんに声をかける。
「おい、お前。お嬢様だって言ってるだろ。もーちょっとどうにかなんねぇのか」
「あらやだよ。ごめんなさいねぇ、ええと……ローズ様?お偉いさんの相手なんてとんと縁がないもんだから」
「!」
慌ててごくんとパンを飲み込む。
「うぅん、どうかそのままで話してください。わたし、そーいうのじゃないし……」
「そーいうのじゃないって、そんなねぇ」
実際、もう追放されてしまったからセスティア家の人間じゃなくなってるわけだし。
そういうことを抜きにしても、おかみさんは気安い口調の方がなんだかうれしい。
「いえ、ほんとに!さっきまでの話し方で!」
「そうかい……?じゃ、お言葉に甘えるとしようかね」
「はい……!」
ホッ。了承してもらえてよかった。
そのあとは、わたしが落ち着いて食事が出来るように、コーヒーを飲みながら二人とも待っていてくれた。
食事を終えると、おかみさんはわたしにもミルク入りのコーヒーを渡してくれる。
「………で、どういうことだい?どうして城主の娘さんがこんなところに……」
おかみさんは、ローブから出てるわたしの手首をそっと見た。
何となく、悲しそうな目だ。うぅ、すみません、ガリガリで……
店主さんも、難しそうな顔をして顎を触っている。
「何も迷子になったわけじゃねぇよなあ……?どうしやすかお嬢様、馬を飛ばしてお屋敷までお送りします?」
うぅっ。
伝えるのが心苦しい。でも、連絡されちゃうぐらいなら言わなくちゃ……
「そのことなんだけど……わたし、もうお嬢様じゃないんです」
「……ん?」
どういうことだ?って二人が顔を見合わせる。
「あの…………領地を、追放されちゃいまして」
一瞬固まった二人が、同じようにおどろきの声をあげた。
「「……………えぇぇえええ………!?!」」
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