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変身?成長?元通り?
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「ちょ、ちょっと!大丈夫かい!?」
「はわぁ………」
今の、どーいうことぉ……?
目の前、っていうか……何か、わたしが光った気がして、目の前がチカチカしてる。
あぁ、でも何ともない……かな……?
きょろきょろ、って周りを見ても、特に……変わりが……
湯気でよく見えないな……って、手でちょっと湯気を払う。
……………んん??
何か違和感が……
「ろ、ローズちゃん。あんた……」
おかみさんが、こっちを見たまま目を見開いて口をパクパクさせてる。
「へ…………」
ぱちぱち、と瞬きして、やっと気付いた。
手が、なんか!骨の浮いてた手が!きれいになってる!?!
「わぁ!?!!」
手だけじゃない!膝も、髪も!
肌はつるっとして、お風呂に入ってるからか血色もいい。
髪は何かきらきらに輝いてるよ……!?
くるくるっと手をまわして、手の表と裏を見て、じゃぷっ!って足を上げたあたりでおかみさんは一回顔を引っ込めてくれた。
「あゎゎ……ちょっとお嬢ちゃん!簡単に肌見せんじゃないの!」
ざぶんっっ
「はぁぁっ!ごめんなさぃ、つい……!」
おかみさんが引っ込んじゃったから、もう誰も見てないんだけど、慌てて肩までお湯に沈んだ。
「ろ、ローズちゃんなんだね……?」
「そ、そのはず……です……?」
仕切りの向こう側からおそるおそる確認してくれるおかみさんに、わたしもハテナをいっぱい浮かべながら答える。
改めて確認することにして触ってみると、どこもかしこも……
ほんとに、健康そのものだぁ……
いろいろしっかりふっくらして、何だか、そう……成長した……?
っていうか、すごい……肌が何かもちもちして……すべすべ……
はっ、つまり……!?!
「こっ、これ……入浴剤の効果でしょうか!?」
「違うんじゃないかねぇ!?!」
□□□
ふわっと髪や体を乾かし、ローブを着て下に降りる。
乾かした髪はつやつやしてて、ゆったりしたウェーブがかかってる。
お風呂へ入る前と同じように、背中のほうへ流して、まとめてローブにしまっておいた。
ローブはゆったりした作りだから、体が入って助かった……ちょっとだけ、胸のとこがキツイ気がしなくもないけど。
湯上りのわたしを見て、店主さんもあんぐりと口を開けた。
一階にいて、あの大騒ぎはほとんど聞こえてなかったみたい。
あの部屋、防音もすごくなってるんだなぁ……
「…………うちは、女神さんでも泊めたんだったか……?」
「!?!ご、ご挨拶してきます!?」
「あんたのことだよ、ローズちゃん……」
自分のほっぺをつねって夢かどうか確認してる店主さん。
慌てて二階へ上がろうとするわたしへ、おかみさんが呆れたよーな声で笑った。
め、女神!?
「まぁ…………何か復活(?)しちゃったし、そんな感じなんですかねぇ……?」
頭の後ろに手をやって、ぇへへ……って笑う。
二人は、こりゃー分かってないな……って顔をした、っぽい。
「そーいうことじゃないんだけどねぇ……外でもそのフード、しばらく被ってたほうがいいかもしんないよ」
「あぁ、これは……目立っちまうだろうなぁ……」
「??そーなんですね……?」
「そーだよ。悪いこと言わないから、安全なとこ行くまで顔を隠しときなさい」
「は、はぃ」
……で、こんな風になっちゃった理由。
わたしが上がる前に、おかみさんが店主さんへ話しておいてくれたみたいなんだけど。
「そりゃー多分、お嬢様の力だろうなぁ」
っていうことになった。
今のわたしのこの姿は、たぶん……わたしが、普通の生活をしてたら、こうなってたんだろうな……っていう姿。
もともと成長したらこんな感じになるはずだったのが、過酷な魔石の儀式を何年も繰り返した事によってしょぼしょぼのガリガリになっちゃってたんだなぁ……
それが、わたしが魔力で豪華に変えちゃったお風呂に入りながら、ぐっ!と力を入れたことで……
その時口に出した「元気です!」が、現実になっちゃった。……みたい。
「まー、よかったよ。あのまま行かすのも何か心配だったしねぇ」
「おぉ、そーだな。どこに行くにしてもお嬢様なら大丈夫だろうがね!」
二人は、わたしの行先も聞かなかった。でも、心配してないわけじゃなくて……大丈夫だって、信じてくれてるのかな。
「……はいっ!」
そう思うと嬉しくって、自然と笑顔になっちゃうんだ。
「はわぁ………」
今の、どーいうことぉ……?
目の前、っていうか……何か、わたしが光った気がして、目の前がチカチカしてる。
あぁ、でも何ともない……かな……?
きょろきょろ、って周りを見ても、特に……変わりが……
湯気でよく見えないな……って、手でちょっと湯気を払う。
……………んん??
何か違和感が……
「ろ、ローズちゃん。あんた……」
おかみさんが、こっちを見たまま目を見開いて口をパクパクさせてる。
「へ…………」
ぱちぱち、と瞬きして、やっと気付いた。
手が、なんか!骨の浮いてた手が!きれいになってる!?!
「わぁ!?!!」
手だけじゃない!膝も、髪も!
肌はつるっとして、お風呂に入ってるからか血色もいい。
髪は何かきらきらに輝いてるよ……!?
くるくるっと手をまわして、手の表と裏を見て、じゃぷっ!って足を上げたあたりでおかみさんは一回顔を引っ込めてくれた。
「あゎゎ……ちょっとお嬢ちゃん!簡単に肌見せんじゃないの!」
ざぶんっっ
「はぁぁっ!ごめんなさぃ、つい……!」
おかみさんが引っ込んじゃったから、もう誰も見てないんだけど、慌てて肩までお湯に沈んだ。
「ろ、ローズちゃんなんだね……?」
「そ、そのはず……です……?」
仕切りの向こう側からおそるおそる確認してくれるおかみさんに、わたしもハテナをいっぱい浮かべながら答える。
改めて確認することにして触ってみると、どこもかしこも……
ほんとに、健康そのものだぁ……
いろいろしっかりふっくらして、何だか、そう……成長した……?
っていうか、すごい……肌が何かもちもちして……すべすべ……
はっ、つまり……!?!
「こっ、これ……入浴剤の効果でしょうか!?」
「違うんじゃないかねぇ!?!」
□□□
ふわっと髪や体を乾かし、ローブを着て下に降りる。
乾かした髪はつやつやしてて、ゆったりしたウェーブがかかってる。
お風呂へ入る前と同じように、背中のほうへ流して、まとめてローブにしまっておいた。
ローブはゆったりした作りだから、体が入って助かった……ちょっとだけ、胸のとこがキツイ気がしなくもないけど。
湯上りのわたしを見て、店主さんもあんぐりと口を開けた。
一階にいて、あの大騒ぎはほとんど聞こえてなかったみたい。
あの部屋、防音もすごくなってるんだなぁ……
「…………うちは、女神さんでも泊めたんだったか……?」
「!?!ご、ご挨拶してきます!?」
「あんたのことだよ、ローズちゃん……」
自分のほっぺをつねって夢かどうか確認してる店主さん。
慌てて二階へ上がろうとするわたしへ、おかみさんが呆れたよーな声で笑った。
め、女神!?
「まぁ…………何か復活(?)しちゃったし、そんな感じなんですかねぇ……?」
頭の後ろに手をやって、ぇへへ……って笑う。
二人は、こりゃー分かってないな……って顔をした、っぽい。
「そーいうことじゃないんだけどねぇ……外でもそのフード、しばらく被ってたほうがいいかもしんないよ」
「あぁ、これは……目立っちまうだろうなぁ……」
「??そーなんですね……?」
「そーだよ。悪いこと言わないから、安全なとこ行くまで顔を隠しときなさい」
「は、はぃ」
……で、こんな風になっちゃった理由。
わたしが上がる前に、おかみさんが店主さんへ話しておいてくれたみたいなんだけど。
「そりゃー多分、お嬢様の力だろうなぁ」
っていうことになった。
今のわたしのこの姿は、たぶん……わたしが、普通の生活をしてたら、こうなってたんだろうな……っていう姿。
もともと成長したらこんな感じになるはずだったのが、過酷な魔石の儀式を何年も繰り返した事によってしょぼしょぼのガリガリになっちゃってたんだなぁ……
それが、わたしが魔力で豪華に変えちゃったお風呂に入りながら、ぐっ!と力を入れたことで……
その時口に出した「元気です!」が、現実になっちゃった。……みたい。
「まー、よかったよ。あのまま行かすのも何か心配だったしねぇ」
「おぉ、そーだな。どこに行くにしてもお嬢様なら大丈夫だろうがね!」
二人は、わたしの行先も聞かなかった。でも、心配してないわけじゃなくて……大丈夫だって、信じてくれてるのかな。
「……はいっ!」
そう思うと嬉しくって、自然と笑顔になっちゃうんだ。
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