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饒舌な鳥
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「!?」
何、今の声!
誰!?
まとまらない考えがぐるぐると渦巻いているところに聞こえた悲鳴。
パニックに陥りそうになったわたしと違って、アストの反応は早かった。
観音開きの窓を両手で勢いよく開き、やや斜めの上空へ向かって手をかざす。
「さっきからあった妙な気配はあれだ!小さいとは思ってたが……っ」
わたしも慌てて窓に駆け寄って、隣から外を覗き込む。
窓の外は教会の中庭になってるらしくて、背の低い木々や植えられた花なんかが並んでいる。
そして、アストが手を伸ばした延長線上で、小さな鳥が羽ばたいていた。
『待った待った待った今のなし、なしなしなし』
「!?しゃ、喋っ……!」
くちばしをパクパクと動かして、確かに、声が、そこから……
小鳥が喋ってる!!
「喋ってる!?」
『気のせい!!』
「ええぇええ!!?」
お、押し切ろうとするな!!
細かく上下左右にとよろめいて逃げていた小鳥が、何かに引っ掛かったみたいに動きを止める。
『あっちょホントやめ……』
「この……っ!」
『アァー――ッッ!』
アストがぐっ、と空を引き寄せる仕草をすると、小鳥がばたばたと羽毛を散らし、騒がしく「ギャッギャッ!」と鳴きながら落ちてくる。
同時に、別の方から呻く声が聞こえた。
「ぐぇっ……」
アストは動かなくなった小鳥を地面に落ちるすれすれで拾い上げると、わたしに向かって投げるように託した。
ぽいっ
「頼む」
「えぇっ!?」
慌てて両手でキャッチすると、ぐったりとはしてるけど小さな鼓動が直接肌に伝わってきて、脈が動いてるのが分かる。
あ、よかった、生きてる……
そんなことを感じた間にも、アストは片手で桟を掴み、両足を跳ね上げ窓を乗り越えて外へ出た。
ざざざっと、短い草を踏みしめる音がする。
「お前か!」
手の中に小鳥の小さな温もりを感じながら、身を乗り出すようにして現場を覗く。
それは、窓にほど近い壁際のところ。壁に寄り掛かるように座り込んだ男の人が見えた。
わたしの手の中にいる、小鳥のようにぐったりとしてる。
アストは両腕を大きく広げる動作をしてから、ぐるぐるとその男の人に何かを巻き付け始めたようだった。
縛ってる……のかな?
項垂れたその人の首の後ろから、括った髪がぴょんと飛び出てるのが見える。
ん?なんか、どこかで……
小鳥……と、あの髪型……と……
「んん…………!?!」
ぐちゃぐちゃだった頭の中に、ポンッと新しく別の問題が浮かぶ。
そこに、神官様が記録を携えて戻ってきた。
「やはり、申請は別のものしか……あれ?」
部屋の中には、小鳥を抱えて窓から身を乗り出すわたし。
大きく開け放たれた窓の向こうから、肩で人間を担いだアストが戻って来ようとしている。
「…………一体、何の騒ぎですか?」
何、今の声!
誰!?
まとまらない考えがぐるぐると渦巻いているところに聞こえた悲鳴。
パニックに陥りそうになったわたしと違って、アストの反応は早かった。
観音開きの窓を両手で勢いよく開き、やや斜めの上空へ向かって手をかざす。
「さっきからあった妙な気配はあれだ!小さいとは思ってたが……っ」
わたしも慌てて窓に駆け寄って、隣から外を覗き込む。
窓の外は教会の中庭になってるらしくて、背の低い木々や植えられた花なんかが並んでいる。
そして、アストが手を伸ばした延長線上で、小さな鳥が羽ばたいていた。
『待った待った待った今のなし、なしなしなし』
「!?しゃ、喋っ……!」
くちばしをパクパクと動かして、確かに、声が、そこから……
小鳥が喋ってる!!
「喋ってる!?」
『気のせい!!』
「ええぇええ!!?」
お、押し切ろうとするな!!
細かく上下左右にとよろめいて逃げていた小鳥が、何かに引っ掛かったみたいに動きを止める。
『あっちょホントやめ……』
「この……っ!」
『アァー――ッッ!』
アストがぐっ、と空を引き寄せる仕草をすると、小鳥がばたばたと羽毛を散らし、騒がしく「ギャッギャッ!」と鳴きながら落ちてくる。
同時に、別の方から呻く声が聞こえた。
「ぐぇっ……」
アストは動かなくなった小鳥を地面に落ちるすれすれで拾い上げると、わたしに向かって投げるように託した。
ぽいっ
「頼む」
「えぇっ!?」
慌てて両手でキャッチすると、ぐったりとはしてるけど小さな鼓動が直接肌に伝わってきて、脈が動いてるのが分かる。
あ、よかった、生きてる……
そんなことを感じた間にも、アストは片手で桟を掴み、両足を跳ね上げ窓を乗り越えて外へ出た。
ざざざっと、短い草を踏みしめる音がする。
「お前か!」
手の中に小鳥の小さな温もりを感じながら、身を乗り出すようにして現場を覗く。
それは、窓にほど近い壁際のところ。壁に寄り掛かるように座り込んだ男の人が見えた。
わたしの手の中にいる、小鳥のようにぐったりとしてる。
アストは両腕を大きく広げる動作をしてから、ぐるぐるとその男の人に何かを巻き付け始めたようだった。
縛ってる……のかな?
項垂れたその人の首の後ろから、括った髪がぴょんと飛び出てるのが見える。
ん?なんか、どこかで……
小鳥……と、あの髪型……と……
「んん…………!?!」
ぐちゃぐちゃだった頭の中に、ポンッと新しく別の問題が浮かぶ。
そこに、神官様が記録を携えて戻ってきた。
「やはり、申請は別のものしか……あれ?」
部屋の中には、小鳥を抱えて窓から身を乗り出すわたし。
大きく開け放たれた窓の向こうから、肩で人間を担いだアストが戻って来ようとしている。
「…………一体、何の騒ぎですか?」
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