レジェンドオーブ・ロード~物語に憧れて最強への道を歩み始めるオレは、魔王達の根源たる最魔の元凶を滅ぼし全ての異世界を平和へと導きます~

丹波 新

文字の大きさ
236 / 942
第五章 絆をはぐくんだ三人はいざ戦いへ

第236話 魔王への宣戦布告

しおりを挟む
「こ、壊そうって、なんでそうなる……やめてくれ、オレには家族が必要で――」

「ここじゃないのか……? あなたの大切な家があった場所は……結局、思い出を取り戻しても家は返って来ない。家族も、それどころか、この地に魔王の像を建てたことに後悔する。そして、あなたはいつか自分の手で、家族と同じ場所へ行く」

「…………」

 顔を俯かせるダン。今度はロードが彼の身体にしがみつく。

「それではダメなんだ! 魔王に屈してはダメなんだ! 死の道を進んではいけない! 家族を思い出す道は一つじゃないはずだ! 他にも呪いを解く道! 家族を知る者と話して思い出す道! 魔王を倒せば思い出せるかもしれない! もっとあるはずだ別の道が!」

「別の道……そうかもしれない……奴が約束を守る保証はどこにもないしな……」

 激しかった雨がポツポツと降り出し、やがて止む。

 月の光が彼らを照らした。

「壊しちまってくれ、このデカブツ」

 魔王の支配に吹っ切れたダン。

「うん」

 頷くロード。

 その時オーイワ城の城のてっ辺で爆発が起きた。

「城が爆発した」

「あそこは魔王の玉座じゃないか! 誰か戦っているのか!?」

「お爺さん」

 ロードが呟いた。


 ◆ ◆ ◆ ◆


 爆発したオーイワ城。
 ボタタタタタと床に血を零す者がいた。

「魂を貫く一撃、だがその程度ではオレは倒せん! 一つ二つ魂が消えたところでオレは破壊できん!」

 最強の男グレイドの頭を掴んでいる魔王ゴワドーン。すでに勝敗は決していた。

 魔王はグレイドを頭から瓦礫へと投げつけた。

「フン死んだか脆弱な人間が! では貰おう……」

 ズンと近づいていく魔王だった。


 ◆ ◆ ◆ ◆

 
 ズズンと城内に響き渡る音。

「「「――!?」」」

 魔物たちと戦っていたクウエン達にも伝わっていた。

「何だ! この揺れは!?」

 驚く魔物狩り。

「まさか上で魔王が――!?」

 クウエンは直感した。


 ◆ ◆ ◆ ◆


 城のてっ辺から落ちてくる瓦礫によって魔物たちが潰されていく。

「――!?」

 運よく瓦礫の下敷きにならないギンゴ隊だった。

「危ない瓦礫が降ってくる……皆の者、気を付けて下がるのだ!」


 ◆ ◆ ◆ ◆


 また遠くからオーイワ城を見ている者がいた。

「グレイドさん」

 バスタードがその名を口にした。

 
 ◆ ◆ ◆ ◆


 そしてロードたちはというと、

「ど、どうなんだ? 倒せそうか? あんなもの魔王の実力の半分も出してはいないが……」

 ダンが尋ねてくる。

「厳しい戦いになるのは確かだ」

 ロードが告げる。

「もしもの時はどうすればいい」

「考えなくていい。全身全霊を賭して魔王を討つ!」

 そう心に誓った。

「ダンさん、オレに捕まってくれ、この像の首を斬る」

「分かった……そうだアンタ名前は?」

「ロード・ストンヒュー、勇者と名乗っている。では行くぞ」

 ロードは石像から下へ飛び降りた。

「うわぁ!!」

「しっかりつかまっていてくれ!!」

 この時、
(魔王の像の首を斬る)
(魔王への完全な宣戦布告)
(奴の怒りを買うのは明白だ)
(だが、同時に他の者へ向けられる怒りは和らぐ)
(負けたとしても俺たちは助かるかもしれない)
(だが確実にこの男は死ぬ)
(無残に今まで殺された誰よりも)
(それを分かっていながら)
(魔王さえ壊せないものを壊すということが分かっていながら)
(そのすべてを背負ってこの男は戦う道を行くのか……)
(なんて……なんて……勇ましい者なんだ)
 ダンは思っていた。

 タンと着地し作業現場の石像の首あたりまで来たロードたち。

「――!?」

「離れてくれダンさん」

 言われた通り離れる。

「ミチルお前は飛ぶ剣なんだな。だったらこんなことは出来ないか?」

 ロードは青き精霊の剣を振る構えを取った。ロードの目は真っ直ぐ目の前のものを見ていた。


 ◆ ◆ ◆ ◆


 オーイワ城の最上階。
 魔王は死んだ老人から何かを奪い取った。それは、

「これが、魂の秘宝玉……――!!」

 その時、魔王は敵意を感じた。

「この威圧感、何者だ? オレの像の方から……」

 その時、魔王の像の首に亀裂が生じた。そしてバカァーーンと斬り砕かれた。

「――――!?」

 自分の像の行く末を見た魔王だった。


 ◆ ◆ ◆ ◆


「す、凄い……本当に切った」

「では行ってくる」

「ま、任せたぞ……魔王を倒してくれ!」

「ああ」

 石像の壊れた首の上に移動するロード。

「ミチルもうひと仕事だ。オレをあの城の最上階まで連れて行ってくれ」

 青き剣先が刺し示すのは煙が上がるオーイワ城だった。

 ビュンと青き剣に引かれて空を飛ぶロード。

 赤き竜封じの剣を左手に構えた。そして視界に入って来た。その巨体が……魔王ゴワドーンが、そして向こうも視界に入ったようだ。拳を握り迎え撃とうとする魔王。

 ガギィン!! 両者、甲高い音を鳴らせて相見舞った。

「来たぞ魔王」

「壊れないか、いい剣を持っている」

 そしてロードは横たわる最強の男グレイドさんを見た。

「お爺さん」

 息をしていないことに気が付いた。

 血反吐を吐いていたのか、口元は汚れていたが、どこか安らかな顔をしていた。

 ロードは始めてみた死者に涙を流す。

「オレの像の首を切り落としたのはお前だな! このゴワドーンの怒りをその肉体を持って思い知れ! 肉塊も肉片も残さず潰し尽くす!!」

「知るのはお前だ……オレの名は勇者ロード・ストンヒュー、お前たち魔の物から人々を救い生かす者――――そのオレの怒りを思い知れ……」

 魔王に青き剣の切っ先を突き付けるロード。

 そして魔王と対したロード、世界の命運を賭けた戦いが今始まる。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~

Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。 それでも、組織の理不尽には勝てなかった。 ——そして、使い潰されて死んだ。 目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。 強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、 因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。 武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。 だが、邪魔する上司も腐った組織もない。 今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。 石炭と化学による国力強化。 情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。 準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。 これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、 「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、 滅びの未来を書き換えようとする建国譚。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

処理中です...