スマフォ画面0.001ミリ差の恋

丹波 新

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二章 超AIの大活躍

30話 痛恨の溜め攻撃

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大乱戦バトルリングの第一試合を制したのは隠しキャラクターである轟夜。しかし、翼というキャラクターに割りこんでモニター内で対戦していたのは何とデレデーレモデルである。要するにデレデーレ本人がこのゲームに入り込んでいるのである。そして敗れはしたもののデレデーレはこう言い放った。――演算終了と、、、

「何してたの? デレデーレちゃん」

オレの背後から声を掛けたのはふぶくデヨーネさん。

『今のはですねぇ~~、相手がどのような技を打ってくるかとか行動パターンとかを絞り込んだんですよ』

「……やっぱりな」

前渡とうやがため息交じりに吐露する。さらに続けて、、、

「要するに敵の力量を計って、オレが三日間で奇跡の勝利にこぎつけたキャラクターの攻略法がわかったって言いたいんだな?」

『――はい、その通りです』

きっぱりと返事をするデレデーレ。

「では、こんな素早い動きし、威力高めの攻撃を仕掛けてくるキャラクターでも、もう負けはないと?」

『――はい、その通りです』

さらにもう一度きっぱりと返事をするデレデーレ。

「デレデーレ二本先取だぞ! まず敵に一勝されてしまった、もう負けることは出来ないからな……?」

オレは心配しながら訊いていたのだろう。声が震えていた。

『心配性ですねぇ~~、ケンマ様は、まぁ見ててください相手はかなりのツワモノだと理解しましたが、私のハイパーコンピューターに遅れをとることはないでしょう……』

「では、次の試合で見せてもらうとしよう……次の試合に進めてもいいかな」

来ヶ谷部長が催促する。

『ええ、私も演算を忘れないうちにお相手したいところです』

そのデレデーレの言葉をゴーサインと取ったのか、来ヶ谷先輩はセカンドラウンドと書かれたアイコンをクリックする。

そして、ステージ画面に映し出される数字。

スリー、

(か、勝てるのか……?)

ツー、

(これで負けたら終わりだぞ……?)

ワン、

(オレですら、一勝も一ダメージも与えることができなかった相手なのに……)

ゼロ――試合が始まった。

まず動いたのはやはり、またしても轟夜、初速のスピードがハンパではない。

しかし、その最初の攻撃をガードしたのは、さすがと言うべきか。デレデーレモデルの翼というキャラクターから何かオーラ的なものが身体に身を包んで行った。

「――そうか溜め攻撃か」

前渡とうやが高みの見物を決め込むかのように言い放つ。

『行動パターンは記録済みです。上段攻撃からの下弾攻撃の繰り返し、たぶん一発でも喰らえばヒットポイントの半分でも持っていかれるでしょう――前渡さん?』

「一発も喰らってないのによくそれがわかったな、結構な経験者とみる」

『某ストリート系も某大乱闘シリーズも合わせて5時間足らずしかやったことはありませんよ』

「――天才ってやつか、いや超AIにそんなもの関係なかったな」

(会話している場合か? 防戦一方じゃないか! もうヒットポイントも3/4にまで減っている……ガードしてても、ダメージが蓄積されていくのを忘れているんじゃないか?)

そうこうしている内にデレデーレの皮を被った翼の溜めがマックスまで達した。

そうするとデレデーレはジャンプし轟夜の背後に回り込む、当然のように轟夜はガードをするのだが、デレデーレはその瞬間を知っているかのように動かず、ガードが解けたと同時に、溜め攻撃を一気に打ちはなった。これで敵のヒットポイントを半分まで減らし、気絶状態となった敵に一気に弱攻撃の連続で畳みかけた。

『さっきは痛い目を見させてもらいましたからねぇ、ここで痛恨の一撃のお見舞いです』

そして、気絶状態から立ち直った轟夜のヒットポイントは既に1/4にまで下がっていた。
そこから来る反撃のパンチをデレデーレはいともたやすくガードして見せた。そうしてまた溜め攻撃の準備に入り、気を見計らってジャンプ、敵背後に回り込みKOの一発攻撃を喰らわせた。轟夜のヒットポイントはゼロになった。

翼ウィンの文字が堂々とモニター内に映し出されていた。

(か、勝った~~)

『だから言ったでしょケンマ様? 何の心配もいりませんよと……』

笑顔でデレデーレがこちらに向かってウィンクを投げかけていた。

残す試合はサード試合、勝っても負けてもこれがラストバトルとなる。
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