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R18【ヤンデレメーカー#49】ズブズブ共依存生活スタート

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……閉じ込められている。皆と暮らしたマンションの一室に。逃げるつもりはあまりなかったけれど、皆は念のためだと言って僕の足首にチェーンを巻いて重いベッドの脚に固定した。

『今度は容易に切れないやつ準備したから』

そうどこかうっとり言ったのは、雷さんだった。


テディは1番の恋人の特権を使い、隙あらば僕を抱きにきた。そしてテディの次に僕を離したがらないのも、雷さんだった。




ベッドに押さえつけて、僕のなかに身を沈めている。深夜2時。

「あ……は、ん……っ」
「藍、夜待っててくれてありがと。……俺ねえ、今日も練習頑張ったよ」

僕を組み敷く雷さんの首筋から汗がぼた、ぼたりと伝い落ちてくる。律動が激しい分、彼の色白の肌は高揚に染まっている。

「でもやろうと思ってた練習量には届かなかった。俺は本当はダメなやつだ……。藍はダメな俺でも見捨てない?許す……?」

頭を振って、辛そうに言う。僕から目を逸らして、怒られたくない時にこうするんだ。

両手で彼の両頬に添えて、僕に視線を合わさせる。こわごわ僕を見下ろす不安気な瞳。

「見捨てないよ。ゆるす。……それにいつもがんばってる。さすが」

それを聞いた瞬間、雷さんはぱっと笑顔になった。

「藍。大好きだ。じゃあ…じゃあさ。こんなことしても俺を許す?」

そう言って容赦なく僕の首を絞めてきた。

「ぐ……っ」

「すごいなか締まってる。どう?今息出来なくてしにそうに苦しい……?」

まじで苦しくて、僕はこくこくと頷いてみせた。

「は、最高。今俺のことだけ考えてる?俺のことだけ見つめてる?誰のことも考えないで?いいねそういうの……!」


彼はさらに力を込めて締めて、律動を激しくしてきた。これはヤバいという生命の危険を感じる。ドクンと鼓動が跳ねた。なのに、このイケナイ快楽は何だ。身体に変に力が掛かっていく。

「……あ、いい、藍!く……っ!」
「んぐ……!」

僕らは欲を吐き出した。お互いにべっとりついた欲……。

「藍……」

汗だくの身体でぼくに倒れ込んできた。その背にそっと手を回す。鍛えられた身体はのびやかな筋肉をつけている……。

「藍……ごめん。こんな俺をゆるす……?」

自信がないんだね。そんな不安気な声出さないでよ。

「ゆるすよ……」
「藍……!」

雷さんのアッシュ色の髪を撫でてあげながら言った。

「……それに闇堕ちした表情の雷さんは、色気があって素敵だったよ。

だから全部ゆるす」

「藍!すきだ……何もかも……」

その心から言う、みたいな感じがこそばゆかったけど。

そう言って、さっき果てたばっかりなのに勢いを取り戻し、また僕を抱こうとした。

「藍。またしたい。良い?」
「ん……良いよ、雷さん……」


僕はそうして雷さんのその背をまた抱きしめた。


雷さんは時々こうやって甘えないと、ダメなんだ。僕がいてあげないとダメなんだよ。僕が必要なんだ。だから首だって絞められてあげてる。良いんだそれで気が済むんなら……。






翌日。早朝5時。薄暗闇の中で音を立てないように身支度をしていた雷さん。

僕は声をかけた。

「雷さん。昨日は随分甘えんぼさんだったね」
「!うっせえ!……またな」

ほっぺあかい。ちょっとかわいい。昼間のツンギレはまだ健在かあ……。あの雷さんがベッドでふたりだとあんな甘えんぼさんになると、他に誰が知ってるだろう。僕以外に。






うたた寝していたら、誰かのキスで起こされた。

目を覚ます。テディだった。と同時にあまりに色気があってドキッとした。だってバチっとヘアメイクして、ダークスーツみたいな衣装を着ていたんだ。撮影帰りかな。

だけど僕がなんか言う前に、テディが聞いてきた。

「このキスマーク、誰がつけてったの?」
「雷さんかなあ?」

くっと唇を噛んでテディは悔しがった。

「いやだ!本当気に入らない!!!会いにくるたびにキスマークが増えてくの……!やっぱり全員ぶっころし」

嫉妬で目のふちが赤い。だから耳元でこしょこしょと言ってあげた。

「僕ね、ほんとはテディのキスマークが1番嬉しいよ」
「!!」

リップサービスしすぎちゃったかな?獰猛なライオンみたいなテディにそのまま喰われる様に犯された。はだけた衣服から覗く褐色肌はやらしくてドクンとしてしまった。

「藍。キスマークならいつでもつけてあげるよ。他の皆が嫉妬で死ぬくらいのやつをね」

全然消えないだろう濃いキスマークを残して帰って行った。


撮影の合間に抜けてきたと言っていた。





でもこうやって必要とされるのは嬉しい。テディが僕の肌のキスマークを見て、何とも思わなくなっちゃったらどうしよう?お前はもういらないと言われたら。ふと不安でぶるりと身体が震えた。



◆◆◆


それから少し間を置いて、今度は少し気怠げに部屋を訪れた人がいた。

「亜蓮さん……」

彼はベッドに腰掛けた。ぷいとよそ見しつつ、チラッと僕を刺す様に見下ろす。視線にドキッとした。

怒ってる?呆れてるのかな?テディの残していった大きいワイシャツを肌に纏う以外は何も着ておらず、キスマークと残滓だらけのこの身体……。

気まずくて、縮こまる様に隣に座った。

怒った声が頭上から聞こえた。

「藍は俺よりテディを選んだ」
「!……それはその、すみません」

「……俺を1番に選んで欲しかった」
「……ごめんなさい……」

「俺はどうせ必要ないんだろ……」

やけっぱちな声。エッと思って見上げた。そんな弱音を吐くなんて亜蓮さんらしくなかった。

僕に顔を見られまいとしてなのか、僕の目の当たりをそっと手のひらで覆ってきた。

そして僕の膝に倒れ込んできた。やっぱり顔は見せてくれない。

「……俺といる今この瞬間だけは、テディよりも俺を必要としてくれよ。

……俺の言うことを聞けよ、藍……」

僕はどうしたら良いのか分からなくて……。

「……今だけね」

それだけ応えた。




「ん、あっ…もう、やめっ……!」
「藍……!」

俺様な亜蓮さんだけど、ベッドでは意外と優しい。大きな手のひらが肌をなぞる。触れられたところが熱を帯びて、僕は胸がなんだかザワザワする。


だけど彼は少し変わったところもあった。

僕が済む部屋に残るテディの痕跡を毎回消していくのだ。テディがうっかり置いていった香水瓶、僕に着せていた大きいシャツ、ボディクリーム。テディのものはなんでも全部捨てていく。

ボディクリームは一緒にお風呂入った後にテディが僕にもよく塗ってくれた。

「藍とテディが同じ匂いするの死ぬほどイライラするわ」

だからいつも亜蓮さんと同じ香水の匂いにされる。マーキングという感じで僕は少し恥ずかしい。


ある時聞いた。

「どうしてそんなにテディのことばっかり気にするんですか?」

他のメンバーの忘れものは捨てたりしないのに。

「……俺はあいつが嫌いだから」

それから少し言いづらそうに付け加えた。

「あとは藍にとっての1番の席を開けさせたいからかな」







起きたら、亜蓮さんは窓のブラインドを少しあけて外を見ていた。朝焼けが少し眩しかった。

「亜蓮さん……」
「藍。起きたのか。お前、寝言でテディって2回言ったぜ。ヤッてる夢でも見ていた?俺の腕の中で寝ておきながら最低な奴だな」

うう……。

「別に良いけど。……どうせ皆テディみたいな奴の方が好きだからな」

「!あ、亜蓮さんの方が好きな人だっているでしょう」

チラ、と見据える様に僕を見て、そして彼は自嘲する様に目を伏せた。

「……お前だってそうじゃねーじゃん」

「お前だって、て……?」
「……」


亜蓮さんは時折寂しそうな顔をするから、そう言う時は何も言わずに抱きしめてあげている。

そうすると、亜蓮さんも無言で僕をそのままベッドで押し倒す。言葉少ない亜蓮さん。


ベッドを共にすると、そんな彼の心のうちがほんの少しだけ覗ける気がする……。


◆◆◆


サミーさんは雷さんと気が合うところがあるのか、2人で僕を抱きにくることも時折あった。

優しく背後から僕を抱きしめる雷さん。耳を齧られている。サミーさんが正面から荒く僕に挿れる。身体の大きいサミーさんを受け止めるのは結構大変で僕もふうふうと息があがった。

「ぐ……ん、あっ」

サミーさんがもうすぐクライマックスというところで機嫌よく言った。

「は、藍、俺とさ、ふたりっきりで暮らしてみない」
「ん……っどうして?」

「俺だけを頼りにする藍が見てみたいから」
「こうやって閉じ込められてる、今も似たようなもんですよ……あ」

「いや?こんなチェーンなんて甘いね。
藍。……脚の腱、いっぽん切ってやろうか。そしたら藍は本当に俺に頼らざるを得なくなる。ホンモノの依存を教えてやるよ」

「……!」

ぶるぶる震えてどうにかなりそう。そういう痛いのはいやだ。一気に自分のソレが萎えるのが分かった。そんな本気の表情でそんなこわいこと言わないで……。

だけど雷さんが割り込んでくれた。

「サミー、良い加減にしろよ。藍が怖がってるだろ」

助かったとばかりに雷さんに抱きついた。面白くなさそうな顔をしたサミーさん。

「それにサミーは間違ってる」

そうだそうだ……!

「どうせ腱切るなら両足だろ。何甘いこと言ってんだ。藍の俺らへの本気の依存が見たくねーのかよ」

僕はビクッと身体が震えた。サミーさんはドク!といつもより激しく欲を放った。

「雷。お前サイコーじゃん」

ははと心底楽しそうにサミーさんは笑った。


◆◆◆


「そんな怖いこと言われたんだ?大変だったねえ藍……」

テディが機嫌良く僕の頭を撫でた。テディの良い声が少し反響する。一緒に湯船に入っているから。

テディと二人っきりでいる時に、他のひとの話をするのはできるだけ避けていたけど、今日のくだりがあまりに怖くて話していた。

「藍がよそ見するから。皆で付き合うなんて、やっぱり無理なんだよそうだそうに決まってる藍は俺だけが閉じ込めなきゃ俺?俺はそうさ藍の脚の腱切ったりなんかしない俺だったら毎晩藍の脚をやさあしく愛撫して脚の甲にキスしてあげ」

「テディ」

闇のスイッチの入りかけたテディに無理やりキスして黙らせた。皆で付き合う話そのものは蒸し返してもしょうがないのだ。

「僕が1番好きなのはテディなんだよ。だから……恋人として雑誌の取材にも応えたじゃない……」

恥ずかしくてテディの胸に身を預けた。


そうなのだった。

空港で騒ぎを起こして、色々バレて。ドーム蹴ったのもあってテディは事務所とは相当な修羅場があった。

だけどあんな騒動を起こしても尚、意外なことに人気の落ちなかったテディ。スキャンダルが出てテディはもうおしまいだと僕は思っていたのだが、いい意味でそれは外れた。ファンは尚更熱狂した。

そんな彼を辞めさせることは事務所にとっても痛手と判断されたのだ。



最終的に僕はテディの本気の恋人として世間に認知されるようになったのだ。

『藍、俺が1番の恋人なら出来るよね?』

そう言われ、恋人として世間に紹介された。もちろん他のメンバーとは『ただの友人』という関係として……。


表向きの恋人の座があるから、こうしてテディはこの僕らの爛れた関係をどうにか受け入れているところがある。


前に一回こんな会話をしたことがある。

『もしテディが1番好きって言わなかったらどうしてた?』
『メンバー全員殺してたよ、藍を半裸に剥いてたあの時にね』


その本気のトーンに随分背筋が震えた。


……テディは僕を皆と共有しているというストレスからなのか、時折壁を本気で殴ることがある。キックすることもある。壁にはテディの苦悩の跡がところどころ残っている。

『でも、俺と皆が喧嘩して、藍が飛び降りたりなんかしたら俺は耐えられない……我慢するよ。それに俺は1番の恋人だから』

そういっては僕を抱きしめる……。





ちゃぷ、と湯船が波を立てた。ハッとした。いけないいけない、考え込んでいた。

「……でもそんな話聞くと、久しぶりのアレがやりたくなる。

…なあ?『あーくん』」

身体に刻まれたトラウマは未だ消えないまま。





「あん、や、やだ。テディ……!」
「だめだよあーくん、大人しくして。どう?気持ちいい?良いよね?」
「ふ……う……!」

暗くした浴室。前と一緒だ。
壁に押し付けられてキスされている。僕を追い詰めるテディは、僕自身をさすり上げるのを辞めない。

「あ、ん……!」


ぱしゃ、と液体の散る音が床に響いた。

「……今日もいっぱい出たねえ。きれいきれい、しようねえ」



僕に恥ずかしい思いさせて喜ぶテディ。僕のお世話して喜ぶのも相変わらず……。かあっと頬が熱くなる。



だけど……。

「ん……テディ、きれいきれい、して?」

誘うように自分で片脚を開いて見せた。僕のことこんなに必要としてくれるんだからちゃんと応えなくちゃ。それに僕がイケナイんだから。

「藍……!良いこになったねえ。大好きだよ」

僕は素直に甘えていれば良いんだ。そうだよね?



◆◆◆


いびつな関係は続いた。時間が経つなかで、時折信じられない組み合わせが部屋を訪れることもあった。

テディと亜蓮さんだ。

「お前が俺に譲れよ」
「無理。亜蓮がどっか行けば」

僕を挟んでふたりで喧嘩。

だけど時間がないとか、スケジュールの関係で今この時間しか来れないとなれば、どっちも譲らなくて……。

「あん、やだ。亜蓮さん、そこ、ん……」

亜蓮さんが僕に突っ込んで、僕はテディに縋り付く。胸をいじられながら。そんなあり得ない構図……。

「亜蓮しつこいんだよ。早く」
「お前みたいな早漏じゃないんだよ」
「ああ!?」
「喧嘩ダメだよ、ふたりとも仲良くして」

ふたりにそれぞれキスをした。そしたらそれぞれの愛撫が激しくなって……。


「あ、ん……やっ!あ」
「藍、どっちがイイ?」
「どっちが好きか聞けよセコイな。俺だけど」
「んなことどうでも良いんだよ。今この瞬間、どっちが気持ちイイか?って聞いてんの。それに気持ちはな、移り変わってくモンなんだよ!」

「~……っ!!」

亜蓮さんに一際大きく穿たれて、目の奥を星が飛んだ。意識が遠のくみたいだ……。

「藍。……藍?もしかして気絶?今のは俺の勝ちだね、ハハ!最高の気分だわ。テディが1番降ろされるのも直だな」

「亜蓮!ムカつくこと言うなよ!!」


そんな喧嘩の中、眠ってしまったこともあった。




そんな。皆喧嘩しないでよ。
僕の心も身体も、いつでもいくらでもあげるから。皆自由にすれば良いんだよ。皆には僕が必要みたいだから。それにここのところ、僕だって皆がいないと寂しくって眠れない。誰でも良い?それは失礼?でも誰かにはそばにいて欲しかった。誰かに求められていないと自分じゃないみたいな感覚なんだ。ここ最近。ねえ、どうしてだろう?







続く
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