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稼業が嫌で逃げたらそこは異世界だった
26.ゴブリン帝国、素通りさせていただきます
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あの時の意味不明な異世界転移とは違う。
最初、目に映ったのは活気のある街並みだった。
俺達のことを特に気にも留めず、通行人が行き交う大通り。商人たちが出店で客を引き、買い物客は品物を見ている。
まるでゼロから始まっちゃうようなあの作品の始まりのような光景に、ちょっとだけ驚かされた。
あんな意味不明に落とされて、気が付いたら洞窟の中にいた、あの異世界転移とは違う。本物の異世界転移が、ここにあったんだ。
「驚いているところ悪いですが、早くいきましょう、主殿っ!」
イリーナが腕を絡ませ、俺を引っ張る。思わず足を勧めてしまう。
だが、もう片方の腕をぐっと引っ張られてしまった。
急に引っ張られたものだからイリーナも巻き込まれてしまう。反動で俺の方に倒れて来たので、そっと支えてやった。
「大丈夫か、イリーナ」
「はい、主殿……」
頬に手を当ててもじもじするイリーナ。何事もなかったのでほっと息を吐く。
そして腕を引っ張った張本人に向き直った。
「危ないじゃないか、リセ」
「二人がいきなり変なことしだすからでしょう! 私を仲間外れにしないでよ。もっとかまってよ!」
今はそんなことをしている場合じゃないというのに、この女は……。
「はいはい、飛鳥を助けたら後でかまってやる。今は先を急ぐぞ」
「後でね、絶対、絶対よ!」
うるさく喚くリセに、のじゃロリは『諸刃……お主……』と驚愕じみた声を漏らす。
すると、強くもう片方の腕を引っ張られた。
振り向くと、イリーナが、ほっぺを膨らませて上目遣いでなぜかこっちを睨んでいる。
「私も構ってください」
「ああもう、分かった、分かったから先を急がせてくれ」
こいつらのせいでなかなか先に進まない。のじゃロリがさりげなく『やはり屑刃じゃのう。最低じゃ、最低の鬼畜野郎なのじゃ!』なんて呟いていたが、俺は気にしないことにする。
「とりあえず先に進むぞ。イリーナ、どっちに進めばいい」
「こっちです、ついてきてください」
そう言ってイリーナが先導してくれるのだが、なぜか人の多い通りを進んでいく。全員がゴブリンたちなので、小さな子供たちがまるで蟻のようにたくさん群れている光景、とでも言えばいいのだろうか。
そんなところを無理やり通ろうとする大人の構図が生まれてしまった。
俺、まだ成人してないし、大人じゃないんだけどな……。身長差的にそう見えてしまう。
もう少し人ごみを避けて進めばいいのだが、一体どうしてこんな大通りを進もうとしたのだろうか。
ま、まさか、イリーナのやつ、大通り以外道分からないんじゃ……。
「おい、イリーナ」
「ど、どうしましょう主殿!」
「は、え、どうした?」
「迷子になりました!」
「ついてきてと言いながら迷子になってんじゃねえよ!」
思わずツッコミを入れると、イリーナが「ひぃ」と怯えた声を出す。いじめているみたいだからそんな泣きそうな表情をしないでほしいのだが、イリーナが悪いので今回ばかりは仕方ない。
落ち込むイリーナをリセがドヤ顔で追撃していたので、俺は頭を叩いてやった。
なんで私たたかれたんの的な表情をされてもこまる。
「できれば早く飛鳥のもとに行きたい。イリーナ、どうにかできないか」
「ど、どうにかと言われましても……あ、あそこに行けば何とかなると思いますよ?」
イリーナが指をさした方向には、これまたでかい城が聳え立っていた。見た目はガイヤール城に近く、人から見てもその大きさに圧倒されそうになる。
それがゴブリン視点で見た場合、もっと大きく目に映るだろう。それほど立派な城だった。
「あそこって、ゴブリン帝国の城か?」
「はい、シュバルツベリア城です。この帝国のすばらしさを象徴するような城で……私の実家です」
「すごい城だな……」
「そして私たちの新居です、ふふふ」
頬に手を当ててもじもじするイリーナだが、あれを新居と言われてもピンとこない。広い家に一種のあこがれがあると聞いたことはあるが、あそこまでデカいと、こう、なんというか、現実味がなさ過ぎて、「あ、そうなの」という感想しか出てこなかった。
本当に冗談にしか聞こえなかったので、とりあえずイリーナのことを放っておくことにする。
「よし、先を急ごう」
「はい、二人の愛の巣へ!」
俺とイリーナのやり取りを呆然と見ていたリセは、置いていかれて、はっと我に返る。
「ちょ、ちょっと置いてかないでよ」
別に置いていこうとしたわけじゃないし。ただ先を急ぎたいだけだし。
内心そんなことを思っていると、のじゃロリが『こいつら馬鹿なのじゃ……』と呟くのが聞こえた。
◇◆◇◆◇◆
シュバルツベリア城に入った俺たちは、イリーナに案内されて進んでいく。
途中、メイド服の可愛らしいゴブリンたちが俺たちに気が付き頭を下げる光景がちらほらと目に映る。
まるで自分が偉い人にでもなったかのような錯覚をするも、今はそんなことを気にしている場合ではないので先に進む。
「ここですわ!」
目的地についたのか、イリーナが扉を開けて中に入った。
そこにあったのは……そこそこ綺麗なただの部屋だった。天蓋付きのダブルベッドとか始めて見たよ。
内装は結構整理されているが、一部分だけ、女の子らしいものが置いてあったりもした。
ここからどうやって飛鳥のもとに移動するんだろうか。
俺にはよく分からなかった。
ちらりとリセに視線をやると、何やら頷いている。こいつにはわかるのか!
「なるほど、私たちの部屋ね!」
「ちょっと待ってください。私と、主殿の部屋です。あなたは関係ないので、犬小屋にでも行ってください」
「なんでイリーナは私を仲間外れにしよとするの! 私もいっしょがいい……一人って、寂しいのよ」
ちょっと待ってほしい、俺たちは飛鳥を助けに行くために、ゴブリン帝国を通って飛鳥が今いる場所まで行こうとしていたはずだ。なのになんで俺とイリーナの寝室という訳の分からない場所に来なければならない。
『のじゃ、あんまり怒るでないぞ。二人がかわいそうじゃ』
「そうだな…………」
女の子にあまり厳しくしても、ちょっとかわいそうかもしれない。少し抑えて……。
笑顔のまま二人に近づく。
そしてーー。
「目的が変わってるだろうがっ!」
「「いったーーーーーいっ」」
リセとイリーナに重たいげんこつを食らわせた。昭和の怒り方と馬鹿にするやつもいるかもしれないが、回りくどくくどくど言うより一発でわかりやすい。何より、俺が急ぎたいと言っているのに遊んでいる二人が気に食わない!
『諸刃がそんな心の狭い奴だとは思わんかったのじゃ』
「うるさい、俺は先を急ぎたいんだよ。イリーナ。どこにいけばいい」
「うう、怒られてしまいました……。これも全部リセのせい」
「私何にもしてないよ! 諸刃、信じて!」
「お前ら…………」
「「悪ふざけしないので笑顔で拳を振り上げながら近づかないでください」」
泣きそうになりながら頭を下げる二人。泣くなら最初っからするなってーの。
「そ、それに、ここに来たのには理由があるのです、ほらあそこ!」
イリーナが指をさす。その方向に視線を移すと、一匹の老ゴブリンがゆっくりとやってくるのが見えた。
「おお、これはイリーナ様、お戻りで」
「じいや、久しぶりだわ!」
じいやと呼ばれる老ゴブリンは、まるで孫にでもあったかのような優しい笑みを浮かべた。そして俺を見る時に悪鬼のような表情を浮かべる。ちなみに、リセにも優しい表情を浮かべていたぞ。
なぜ俺だけ……。というか、お前がゴブリン帝国を離れてまだ1日しかたっていないのに久しぶりとか、笑える。
「じいやにお願いがあるの。諸刃が女を助けに行きたいって言っていて、そこに飛べる門を探しているんだけど、教えてくれない?」
イリーナが可愛らしく言ったが、じいやと呼ばれるゴブリンはある言葉にピクリと反応し、俺を睨みつけて来た。
「てめぇコラ、姫様というものがありながら別の女追っかけるとかいい度胸してんじゃねえか。先代皇帝陛下に勝ったからって調子こいてんじゃねえぞ、姫様泣かせてみろ、ぶっ殺してやるっ!」
それはもう、血走った目で俺のことを睨んでいた。
イリーナ、お前は愛されてるんだな。その結果がこれだよ。どうしよう、この状況……。
早く先に進みたいのに……。
俺は手で顔を覆うと、静かにため息を漏らすのだった。
最初、目に映ったのは活気のある街並みだった。
俺達のことを特に気にも留めず、通行人が行き交う大通り。商人たちが出店で客を引き、買い物客は品物を見ている。
まるでゼロから始まっちゃうようなあの作品の始まりのような光景に、ちょっとだけ驚かされた。
あんな意味不明に落とされて、気が付いたら洞窟の中にいた、あの異世界転移とは違う。本物の異世界転移が、ここにあったんだ。
「驚いているところ悪いですが、早くいきましょう、主殿っ!」
イリーナが腕を絡ませ、俺を引っ張る。思わず足を勧めてしまう。
だが、もう片方の腕をぐっと引っ張られてしまった。
急に引っ張られたものだからイリーナも巻き込まれてしまう。反動で俺の方に倒れて来たので、そっと支えてやった。
「大丈夫か、イリーナ」
「はい、主殿……」
頬に手を当ててもじもじするイリーナ。何事もなかったのでほっと息を吐く。
そして腕を引っ張った張本人に向き直った。
「危ないじゃないか、リセ」
「二人がいきなり変なことしだすからでしょう! 私を仲間外れにしないでよ。もっとかまってよ!」
今はそんなことをしている場合じゃないというのに、この女は……。
「はいはい、飛鳥を助けたら後でかまってやる。今は先を急ぐぞ」
「後でね、絶対、絶対よ!」
うるさく喚くリセに、のじゃロリは『諸刃……お主……』と驚愕じみた声を漏らす。
すると、強くもう片方の腕を引っ張られた。
振り向くと、イリーナが、ほっぺを膨らませて上目遣いでなぜかこっちを睨んでいる。
「私も構ってください」
「ああもう、分かった、分かったから先を急がせてくれ」
こいつらのせいでなかなか先に進まない。のじゃロリがさりげなく『やはり屑刃じゃのう。最低じゃ、最低の鬼畜野郎なのじゃ!』なんて呟いていたが、俺は気にしないことにする。
「とりあえず先に進むぞ。イリーナ、どっちに進めばいい」
「こっちです、ついてきてください」
そう言ってイリーナが先導してくれるのだが、なぜか人の多い通りを進んでいく。全員がゴブリンたちなので、小さな子供たちがまるで蟻のようにたくさん群れている光景、とでも言えばいいのだろうか。
そんなところを無理やり通ろうとする大人の構図が生まれてしまった。
俺、まだ成人してないし、大人じゃないんだけどな……。身長差的にそう見えてしまう。
もう少し人ごみを避けて進めばいいのだが、一体どうしてこんな大通りを進もうとしたのだろうか。
ま、まさか、イリーナのやつ、大通り以外道分からないんじゃ……。
「おい、イリーナ」
「ど、どうしましょう主殿!」
「は、え、どうした?」
「迷子になりました!」
「ついてきてと言いながら迷子になってんじゃねえよ!」
思わずツッコミを入れると、イリーナが「ひぃ」と怯えた声を出す。いじめているみたいだからそんな泣きそうな表情をしないでほしいのだが、イリーナが悪いので今回ばかりは仕方ない。
落ち込むイリーナをリセがドヤ顔で追撃していたので、俺は頭を叩いてやった。
なんで私たたかれたんの的な表情をされてもこまる。
「できれば早く飛鳥のもとに行きたい。イリーナ、どうにかできないか」
「ど、どうにかと言われましても……あ、あそこに行けば何とかなると思いますよ?」
イリーナが指をさした方向には、これまたでかい城が聳え立っていた。見た目はガイヤール城に近く、人から見てもその大きさに圧倒されそうになる。
それがゴブリン視点で見た場合、もっと大きく目に映るだろう。それほど立派な城だった。
「あそこって、ゴブリン帝国の城か?」
「はい、シュバルツベリア城です。この帝国のすばらしさを象徴するような城で……私の実家です」
「すごい城だな……」
「そして私たちの新居です、ふふふ」
頬に手を当ててもじもじするイリーナだが、あれを新居と言われてもピンとこない。広い家に一種のあこがれがあると聞いたことはあるが、あそこまでデカいと、こう、なんというか、現実味がなさ過ぎて、「あ、そうなの」という感想しか出てこなかった。
本当に冗談にしか聞こえなかったので、とりあえずイリーナのことを放っておくことにする。
「よし、先を急ごう」
「はい、二人の愛の巣へ!」
俺とイリーナのやり取りを呆然と見ていたリセは、置いていかれて、はっと我に返る。
「ちょ、ちょっと置いてかないでよ」
別に置いていこうとしたわけじゃないし。ただ先を急ぎたいだけだし。
内心そんなことを思っていると、のじゃロリが『こいつら馬鹿なのじゃ……』と呟くのが聞こえた。
◇◆◇◆◇◆
シュバルツベリア城に入った俺たちは、イリーナに案内されて進んでいく。
途中、メイド服の可愛らしいゴブリンたちが俺たちに気が付き頭を下げる光景がちらほらと目に映る。
まるで自分が偉い人にでもなったかのような錯覚をするも、今はそんなことを気にしている場合ではないので先に進む。
「ここですわ!」
目的地についたのか、イリーナが扉を開けて中に入った。
そこにあったのは……そこそこ綺麗なただの部屋だった。天蓋付きのダブルベッドとか始めて見たよ。
内装は結構整理されているが、一部分だけ、女の子らしいものが置いてあったりもした。
ここからどうやって飛鳥のもとに移動するんだろうか。
俺にはよく分からなかった。
ちらりとリセに視線をやると、何やら頷いている。こいつにはわかるのか!
「なるほど、私たちの部屋ね!」
「ちょっと待ってください。私と、主殿の部屋です。あなたは関係ないので、犬小屋にでも行ってください」
「なんでイリーナは私を仲間外れにしよとするの! 私もいっしょがいい……一人って、寂しいのよ」
ちょっと待ってほしい、俺たちは飛鳥を助けに行くために、ゴブリン帝国を通って飛鳥が今いる場所まで行こうとしていたはずだ。なのになんで俺とイリーナの寝室という訳の分からない場所に来なければならない。
『のじゃ、あんまり怒るでないぞ。二人がかわいそうじゃ』
「そうだな…………」
女の子にあまり厳しくしても、ちょっとかわいそうかもしれない。少し抑えて……。
笑顔のまま二人に近づく。
そしてーー。
「目的が変わってるだろうがっ!」
「「いったーーーーーいっ」」
リセとイリーナに重たいげんこつを食らわせた。昭和の怒り方と馬鹿にするやつもいるかもしれないが、回りくどくくどくど言うより一発でわかりやすい。何より、俺が急ぎたいと言っているのに遊んでいる二人が気に食わない!
『諸刃がそんな心の狭い奴だとは思わんかったのじゃ』
「うるさい、俺は先を急ぎたいんだよ。イリーナ。どこにいけばいい」
「うう、怒られてしまいました……。これも全部リセのせい」
「私何にもしてないよ! 諸刃、信じて!」
「お前ら…………」
「「悪ふざけしないので笑顔で拳を振り上げながら近づかないでください」」
泣きそうになりながら頭を下げる二人。泣くなら最初っからするなってーの。
「そ、それに、ここに来たのには理由があるのです、ほらあそこ!」
イリーナが指をさす。その方向に視線を移すと、一匹の老ゴブリンがゆっくりとやってくるのが見えた。
「おお、これはイリーナ様、お戻りで」
「じいや、久しぶりだわ!」
じいやと呼ばれる老ゴブリンは、まるで孫にでもあったかのような優しい笑みを浮かべた。そして俺を見る時に悪鬼のような表情を浮かべる。ちなみに、リセにも優しい表情を浮かべていたぞ。
なぜ俺だけ……。というか、お前がゴブリン帝国を離れてまだ1日しかたっていないのに久しぶりとか、笑える。
「じいやにお願いがあるの。諸刃が女を助けに行きたいって言っていて、そこに飛べる門を探しているんだけど、教えてくれない?」
イリーナが可愛らしく言ったが、じいやと呼ばれるゴブリンはある言葉にピクリと反応し、俺を睨みつけて来た。
「てめぇコラ、姫様というものがありながら別の女追っかけるとかいい度胸してんじゃねえか。先代皇帝陛下に勝ったからって調子こいてんじゃねえぞ、姫様泣かせてみろ、ぶっ殺してやるっ!」
それはもう、血走った目で俺のことを睨んでいた。
イリーナ、お前は愛されてるんだな。その結果がこれだよ。どうしよう、この状況……。
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