48 / 77
公爵家ご令嬢は悪役になりたい!
13.知ってるけど知らない人がいる
しおりを挟む
シンシアの勉強がひと段落付いたので、俺はそっとお茶を出した。本来ならこの役目はそば付きメイドのゼイゴがやらなければいけないが、俺もシンシアに勉強を教えられていないので、まあいいだろう。
「ありがとうございます先生。さて、次に行きましょう。ずっと勉強ばっかでそろそろ体を動かしたかったんですよね」
シンシアには正式に教師と生徒の関係になった後も敬語を使っていたら気持ち悪いと言われてやめた。それにお嬢様呼びも、なんかこう、受け入れがたいものがあるみたいで、やめさせられた。さりげなく心にダメージをおったが、俺は何とか耐えきった。
そんなこんなで、シンシアと俺は良好な関係を築き上げようとしていた。
そんなシンシアは、凝り固まった筋肉をほぐすかのように肩を回し、ちらりとこちらを見る。なんというか、そろそろ出番ですよと言っているように見えたので、俺はそれとなく笑っておいた。
「そっち方面は得意だからな。剣術を教えてやる」
「「そっち方面?」」
イリーナとリセの眼力がやばい。
「剣術? 何ですかそれは。適度な運動をした後、魔法の実技を教えていただきたいと……」
「あ、ゴメン、俺魔法使えないや。魔法無効化体質って言ってな。その代わりに魔法に頼らない戦い方を教えてやる」
「まぁ、魔法に頼らない戦い方。それができれば悪役令嬢に一歩近づくのですね」
何故それで悪役令嬢に近づくと思ったのだろうか。どう考えても近づかないと思うけど、あえてそれを言う必要はないだろう。
「運動場にはミーさんもいますし、ここは悪役令嬢っぽいことをする場面ですよねっ!」
「ミーさん?」
「ミーさんはミーさんです。悪役がいるってことは主人公がいなくてはなりません。神のお告げです。私は、どうやら彼女の成長のために存在しているようなのです。そして彼女はこの時間、運動場にいますっ」
いや、キリッとした顔つきで言われてもこまるんだが……。まあとりあえず、悪役っぽいところを一目見てみよう。妄想したときはかわいかったしな。きっとかわいいに違いない。
そう思っていると、イリーナとリセが、俺のことを怪しんでいるような目で見つめてくる。なんか罪悪感という訳ではないか、いけないことをしているような気分になってきた。もし悪役的なことを始めたら止めてあげよう。
俺たちは、シンシアとゼイゴの後についていき、運動場に移動した。
「あちらにいるのがミーさん。この世界の主人公と神様が言っていましたっ!」
興奮気味にとある女の子を指すシンシア。自慢のお友達を紹介しているみたいでなんか可愛らしかった。
だけど俺は、そのミーという女の子よりも気になる存在を見つけてしまった。
「チェストオオオオオオオオオオ」
「ちょ、飛鳥様、張り切り過ぎですってっ!」
「何言ってんの! こんなのまだまだよ。魔法が効かない敵がいるって分かったんだから、剣の道をもっと究めないと。そのために修行をしているのよっ!」
「でもここは学園です。学生らしくしてくださいっ!」
「私も生徒なんだから使う権利ぐらいあるでしょうっ! 私はもっと、強くなりたい。魔法はもう飽きたわっ! 体を動かしたいのよっ!」
「魔法に飽きないでくださいよっ!」
聞いたことある声。お供の方は知らんけど、もう一人は知っている。それに剣術なんて俺ともう一人ぐらいしかやらんだろう。だってこの世界は魔法文化が発展した世界なんだから。
「おい飛鳥っ! お前こんなところで何してんだよ」
勇者であるはずの飛鳥が、なんかシンシアと同じ制服に身を包んで刀をぶんぶん振っていた。時折スカートがふわっとするのだが、絶対に下着が見えないという謎の勇者力を発揮している。
にしても、なんでこんなところに飛鳥がいるのだろうか。
「先生はあのうるさい人と知り合いなんですか? いつもミーさんの近くにいてうるさく叫んでいるんですけど、あれは何しているのでしょう?」
「先生……。まあ臨時講師だから先生なのか。なんか照れ臭いな。まあいいや。そうだ。あいつは俺の幼馴染の飛鳥だ。あいつがやっているのは剣術と言って、剣で敵を倒すための修行を行っているんだ」
「剣……とは何でしょう? 魔法があれば敵を倒せるのに」
この世界には俺やアッシュのような魔法無効化体質のやつがいる。魔法だけじゃダメなんだよな……。
『にょほほほほほほほ、魔法など弱いのじゃっ! 最強はやっぱり刀なのじゃっ!』
「はっ! どこからか声が聞こえた気がします」
「多分気のせいだ」
俺はさりげなくのじゃロリをたたく。刀を叩くって変な感じだけどな。
シンシアと少し話ながら、こちらに気が付いた飛鳥を待つ。
飛鳥が俺の前に来るとリセとイリーナがなぜか俺の目の前に出てきて飛鳥に威嚇する。
「ちょっと、私は諸刃に用があるの。アンタラはどっか行ってなさいよ」
「勇者(笑)が何を言ってるのっ! 諸刃は私と遊ぶんだから勇者(笑)はどっか行ってよ。あっち行ってっ! 近づかないで」
「そうです。この女は悪です。主殿には指一本触れさせません。あっち行け、しっし」
女の熱い戦いが始まった。あまりお近づきになりたくない戦いだったので、シンシアとゼイゴと共にそっと離れる。
『のじゃ、昔の女を捨てて新しい女と離れる……最低じゃのう』
「うるせぇ……」
あの痴話喧嘩の中心に入りたくないだけだ。めっちゃ目立ってかなり恥ずかしいぞ。ミーってやつも、何かを察したのか、ささっと撤退してたしな。
「あ、ミーさんがいなくなりました。これでは今日の悪役行動ができません」
「悪役行動って?」
この子はいったい何をするつもりだったのだろうか。少しだけ気になる。
「はい、今日はミーさんに背後から近づいて……」
俺はゴクリと唾をのむ。背後から近づいて何をするつもりだったのだろうか。俺には予想ができない。悪役だぞ。悪役令嬢っぽいことって言ったらかなりハードなイメージがある。
「脇をくすぐってやる予定でしたのに……」
「割としょうもないな、おいっ」
子供のいたずらかと突っ込みたくなった。
「悪役令嬢を目指しているんだろう。頭から水をかけてやったりとか、目の前でケガをするかもしれない事態にしてやるとか、再起不能にしてやるとか、ほかにできることがあるんじゃないのか?」
「な、なにを言ってるんですか先生はっ! そんな恐ろしいこと、できるわけないじゃないですか。あー恐ろしい……」
何だろう。子供のいたずらかなと思ってしまうようなことしかしていない。
多分こういうところが可愛らしと思われているんだよなきっと。
「あの、先生。私は悪役令嬢になれないのでしょうか」
なんて答えようか。結構重要な気がするのだが。ここで、無理なんて言ったら、私を本当の悪役令嬢にしてくださいと言われてしまいそうな気がする。
そして、ぷるぷる震えながら、私にはできませんとでもいうのではないだろうか。そんな悪役令嬢がいたら、確かにかわいいな……。
「悪役令嬢になるには厳しい道のりが必要だぞ」
「大丈夫です。私が悪役令嬢になることが神の望むものなのです。私はこの役割を全うしなければならないのです。どんなに厳しいことでも、やり遂げて見せますっ!」
ぐっと拳を握りやる気を見せるシンシア。努力する方向は間違っているような気がするが、こうやって見ると真面目な努力家にしか見えない。
この子を正しい道に導くのが俺の役目ってわけだ。悪役令嬢に見えそうで人気が出そうないたずらとは、いったい何をさせればいいのだろうか。
「ちょっと諸刃っ! このうるさいの何とかしなさいよっ! あんたの仲間でしょうっ! そこの幼女と乳繰り合てないでよ。私はあんたの幼馴染でしょうっ! なんで私を助けてくれないのよ」
「えっと、シンシア? あっち行こうか」
「そうですね、なんか絡んできてすごく怖いんですけど」
「あいつらは、ほら、ここがあれだからな」
俺は頭をこんこんとたたくと、シンシアは驚きの表情を浮かべる。
「そ、そうなんですか。でしたら逃げなきゃいけませんね」
「ちょ、諸刃っ! まって、待ってよっ! 幼馴染の私を助けなさいよー」
「「きっしゃぁぁぁぁっぁあぁあ」」
「うぎゃあああああああああ」
飛鳥がリセとイリーナに襲われて大変な目にあっているのを無視して、俺たちは場所を移した。
勇者様は二人に任せて、悪役令嬢っぽいけどトラブルにならない方法を考えよう。
「ありがとうございます先生。さて、次に行きましょう。ずっと勉強ばっかでそろそろ体を動かしたかったんですよね」
シンシアには正式に教師と生徒の関係になった後も敬語を使っていたら気持ち悪いと言われてやめた。それにお嬢様呼びも、なんかこう、受け入れがたいものがあるみたいで、やめさせられた。さりげなく心にダメージをおったが、俺は何とか耐えきった。
そんなこんなで、シンシアと俺は良好な関係を築き上げようとしていた。
そんなシンシアは、凝り固まった筋肉をほぐすかのように肩を回し、ちらりとこちらを見る。なんというか、そろそろ出番ですよと言っているように見えたので、俺はそれとなく笑っておいた。
「そっち方面は得意だからな。剣術を教えてやる」
「「そっち方面?」」
イリーナとリセの眼力がやばい。
「剣術? 何ですかそれは。適度な運動をした後、魔法の実技を教えていただきたいと……」
「あ、ゴメン、俺魔法使えないや。魔法無効化体質って言ってな。その代わりに魔法に頼らない戦い方を教えてやる」
「まぁ、魔法に頼らない戦い方。それができれば悪役令嬢に一歩近づくのですね」
何故それで悪役令嬢に近づくと思ったのだろうか。どう考えても近づかないと思うけど、あえてそれを言う必要はないだろう。
「運動場にはミーさんもいますし、ここは悪役令嬢っぽいことをする場面ですよねっ!」
「ミーさん?」
「ミーさんはミーさんです。悪役がいるってことは主人公がいなくてはなりません。神のお告げです。私は、どうやら彼女の成長のために存在しているようなのです。そして彼女はこの時間、運動場にいますっ」
いや、キリッとした顔つきで言われてもこまるんだが……。まあとりあえず、悪役っぽいところを一目見てみよう。妄想したときはかわいかったしな。きっとかわいいに違いない。
そう思っていると、イリーナとリセが、俺のことを怪しんでいるような目で見つめてくる。なんか罪悪感という訳ではないか、いけないことをしているような気分になってきた。もし悪役的なことを始めたら止めてあげよう。
俺たちは、シンシアとゼイゴの後についていき、運動場に移動した。
「あちらにいるのがミーさん。この世界の主人公と神様が言っていましたっ!」
興奮気味にとある女の子を指すシンシア。自慢のお友達を紹介しているみたいでなんか可愛らしかった。
だけど俺は、そのミーという女の子よりも気になる存在を見つけてしまった。
「チェストオオオオオオオオオオ」
「ちょ、飛鳥様、張り切り過ぎですってっ!」
「何言ってんの! こんなのまだまだよ。魔法が効かない敵がいるって分かったんだから、剣の道をもっと究めないと。そのために修行をしているのよっ!」
「でもここは学園です。学生らしくしてくださいっ!」
「私も生徒なんだから使う権利ぐらいあるでしょうっ! 私はもっと、強くなりたい。魔法はもう飽きたわっ! 体を動かしたいのよっ!」
「魔法に飽きないでくださいよっ!」
聞いたことある声。お供の方は知らんけど、もう一人は知っている。それに剣術なんて俺ともう一人ぐらいしかやらんだろう。だってこの世界は魔法文化が発展した世界なんだから。
「おい飛鳥っ! お前こんなところで何してんだよ」
勇者であるはずの飛鳥が、なんかシンシアと同じ制服に身を包んで刀をぶんぶん振っていた。時折スカートがふわっとするのだが、絶対に下着が見えないという謎の勇者力を発揮している。
にしても、なんでこんなところに飛鳥がいるのだろうか。
「先生はあのうるさい人と知り合いなんですか? いつもミーさんの近くにいてうるさく叫んでいるんですけど、あれは何しているのでしょう?」
「先生……。まあ臨時講師だから先生なのか。なんか照れ臭いな。まあいいや。そうだ。あいつは俺の幼馴染の飛鳥だ。あいつがやっているのは剣術と言って、剣で敵を倒すための修行を行っているんだ」
「剣……とは何でしょう? 魔法があれば敵を倒せるのに」
この世界には俺やアッシュのような魔法無効化体質のやつがいる。魔法だけじゃダメなんだよな……。
『にょほほほほほほほ、魔法など弱いのじゃっ! 最強はやっぱり刀なのじゃっ!』
「はっ! どこからか声が聞こえた気がします」
「多分気のせいだ」
俺はさりげなくのじゃロリをたたく。刀を叩くって変な感じだけどな。
シンシアと少し話ながら、こちらに気が付いた飛鳥を待つ。
飛鳥が俺の前に来るとリセとイリーナがなぜか俺の目の前に出てきて飛鳥に威嚇する。
「ちょっと、私は諸刃に用があるの。アンタラはどっか行ってなさいよ」
「勇者(笑)が何を言ってるのっ! 諸刃は私と遊ぶんだから勇者(笑)はどっか行ってよ。あっち行ってっ! 近づかないで」
「そうです。この女は悪です。主殿には指一本触れさせません。あっち行け、しっし」
女の熱い戦いが始まった。あまりお近づきになりたくない戦いだったので、シンシアとゼイゴと共にそっと離れる。
『のじゃ、昔の女を捨てて新しい女と離れる……最低じゃのう』
「うるせぇ……」
あの痴話喧嘩の中心に入りたくないだけだ。めっちゃ目立ってかなり恥ずかしいぞ。ミーってやつも、何かを察したのか、ささっと撤退してたしな。
「あ、ミーさんがいなくなりました。これでは今日の悪役行動ができません」
「悪役行動って?」
この子はいったい何をするつもりだったのだろうか。少しだけ気になる。
「はい、今日はミーさんに背後から近づいて……」
俺はゴクリと唾をのむ。背後から近づいて何をするつもりだったのだろうか。俺には予想ができない。悪役だぞ。悪役令嬢っぽいことって言ったらかなりハードなイメージがある。
「脇をくすぐってやる予定でしたのに……」
「割としょうもないな、おいっ」
子供のいたずらかと突っ込みたくなった。
「悪役令嬢を目指しているんだろう。頭から水をかけてやったりとか、目の前でケガをするかもしれない事態にしてやるとか、再起不能にしてやるとか、ほかにできることがあるんじゃないのか?」
「な、なにを言ってるんですか先生はっ! そんな恐ろしいこと、できるわけないじゃないですか。あー恐ろしい……」
何だろう。子供のいたずらかなと思ってしまうようなことしかしていない。
多分こういうところが可愛らしと思われているんだよなきっと。
「あの、先生。私は悪役令嬢になれないのでしょうか」
なんて答えようか。結構重要な気がするのだが。ここで、無理なんて言ったら、私を本当の悪役令嬢にしてくださいと言われてしまいそうな気がする。
そして、ぷるぷる震えながら、私にはできませんとでもいうのではないだろうか。そんな悪役令嬢がいたら、確かにかわいいな……。
「悪役令嬢になるには厳しい道のりが必要だぞ」
「大丈夫です。私が悪役令嬢になることが神の望むものなのです。私はこの役割を全うしなければならないのです。どんなに厳しいことでも、やり遂げて見せますっ!」
ぐっと拳を握りやる気を見せるシンシア。努力する方向は間違っているような気がするが、こうやって見ると真面目な努力家にしか見えない。
この子を正しい道に導くのが俺の役目ってわけだ。悪役令嬢に見えそうで人気が出そうないたずらとは、いったい何をさせればいいのだろうか。
「ちょっと諸刃っ! このうるさいの何とかしなさいよっ! あんたの仲間でしょうっ! そこの幼女と乳繰り合てないでよ。私はあんたの幼馴染でしょうっ! なんで私を助けてくれないのよ」
「えっと、シンシア? あっち行こうか」
「そうですね、なんか絡んできてすごく怖いんですけど」
「あいつらは、ほら、ここがあれだからな」
俺は頭をこんこんとたたくと、シンシアは驚きの表情を浮かべる。
「そ、そうなんですか。でしたら逃げなきゃいけませんね」
「ちょ、諸刃っ! まって、待ってよっ! 幼馴染の私を助けなさいよー」
「「きっしゃぁぁぁぁっぁあぁあ」」
「うぎゃあああああああああ」
飛鳥がリセとイリーナに襲われて大変な目にあっているのを無視して、俺たちは場所を移した。
勇者様は二人に任せて、悪役令嬢っぽいけどトラブルにならない方法を考えよう。
0
あなたにおすすめの小説
『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~
鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。
そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。
母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。
双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた──
前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。 〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜
トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!?
婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。
気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。
美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。
けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。
食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉!
「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」
港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。
気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。
――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談)
*AIと一緒に書いています*
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる