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公爵家ご令嬢は悪役になりたい!
25.妙な噂が出ているらしい
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実施訓練が終わってから数日後。
あれから特に問題も起こらず、平和な日々が続いていた。
ミーをなんとか王子に返却した後、何も起こることなく実施訓練は終了したし、特に問題というものは起こらなかった。イベント的なシーンがもう少しあってもよさそうだったが、まあいいだろう。あの時のミーを思い浮かべると、涙が出そうになるほど可哀そうだった。
『なに女のことを思い浮かべてニヤニヤしているのじゃ。気持ち悪いのじゃ』
「そんなことしてないからな。んで、どうしたんだ急に」
『いやなに、諸刃が気持ち悪い顔しておるなと思って、こりゃからかわないといけんと思ったまで……あ』
こいつ馬鹿だろう。
自分から暴露する奴初めて見た。いやまあ、こいつは見た目通りダメな刀だからな。
刀と言えばアッシュだが、あいつは最近飛鳥と訓練をしているそうだ。同じ剣術をたしなむものとして、一緒に訓練をしているらしい。互いに真剣を持って「死にさらせゃぁぁぁぁぁ」とか「くたばれぇぇぇぇぇぇ」と言った罵声を浴びせ合いながら訓練しているらしい。シンシアを通して俺のところに苦情が来る。
何故シンシアを通して苦情が来るのかと思うところもあるが、あの気迫というか雰囲気が関わっちゃいけない人みたいになっていて大貴族様に頼りたいということもあるのだろう。何せ王子どもがあれだからな。臭くて得体のしれない不気味な雰囲気を漂わせるイケメンどもしかいないからな。あいつら頼りなさそうに見えて実際に頼りないし。
こっちを頼りたくなるのも仕方のないことなのだろう。
さて、実地試験が終わった今、これから目指すのは学期末試験のその後のパーティーの準備だ。
この学園では、学期末が終わった後に長期休みが入る。その前に一同が集まってパーティーが行われるのだ。ある意味貴族同士の交流会みたいなもので、これもある意味で勉強だったりする。貴族というのも大変だなと思った。
学期末試験は実技試験なんて行わない。この前の実地試験がある意味で実技試験のようなものなので学期末試験は筆記しか行わないが、シンシアなら大丈夫だろう。
「あ、先生!」
シンシアがてとてとと子供らしくこちらにやってきた。なんか会うたびに精神年齢が幼くなっているような気がするのだが、気のせいなのだろうか。
「おはようございます先生」
「おう、おはようさん。こんな早くからどうした?」
「あのですね。お茶会に誘われたんです。よく分からないですけど、なんか誘われました」
良く分からないけど誘われたんだ。何が分からないのだろうか。シンシアは大貴族だし、そういう経験も豊富な気がするのだが。
そこでふと、なんとか王子の顔が頭によぎった。もしかしたらシンシアの周りにはアレのような王族や貴族しかいなかったのかもしれないと思うと少し可哀そうに思えた。
シンシアはルンルン気分のようだが、一緒にいたイリーナとリセの表情は暗い。リセとリーナは顔を見合わせた後、一度頷いてイリーナが俺の方によって来た。
「主殿、お耳に入れたいことがあります」
「どうした。なんかあったのか」
イリーナは周りを見渡して、特にシンシアの方を注意深く見た後、小さな声で伝えてきた。
「あの、シンシアの変な噂が流れているのはご存知ですか? すっごくやばいうわさなんです。激やばです」
やばいうわさ? 俺は特に聞いていないんだけどな。
俺が聞いた話は、学期末試験って結構難しいという話で、シンシアなら大丈夫だろうが、しっかりと勉強を頑張って無事に合格してほしいなと思っていたりする。噂って学期末がやべーってことぐらいしか知らないんだが。ゼイゴなら知っているだろうか? あのメイドがシンシアに関することで見落としているわけないと思うのだが。
ちらりと視線を移すと、目がやばい感じになっていた。変質者の目だ。今は関わるのをやめよう。
「えっと、ところで噂ってどういうのかな?」
「私が聞いた話だと、シンシアがミーに暴力を振るったとか、水魔法でばしゃーってしたとか。あとはそうですね。脇をくすぐっていたとかですか」
最後のはやってそうだ。暴力とか水攻めはシンシアが絶対にやらないと思うが、どうしてそんな噂が流れ始めたのだろうか。
いや、でも……やっぱりくすぐりはやってそうだ。
そしてこのタイミングでのお茶会。何か裏で動いているような気がする。
『なんか諸刃が難しい顔をしているのじゃが、たぶん気のせいなのじゃ』
「気のせいかもしれないけど、何か対策を考えたほうがいいだろうな。やって無駄になるなんてことはない」
『まあそうじゃろうけど、諸刃が笑いものになるのじゃ、ぷぎゃー』
こいつムカつく。
だけど、シンシアをこのままにしておいてよいのだろうか。この悪いうわさが変な方向に進んでしまいそうな気が……。
そこでふと思い出す。シンシアが悪役令嬢を目指していたことを。悪役令嬢になりたいのなら、この悪い噂はそもそも間違っていないのでは。
そんなことを考えていると、変な声が聞こえてきた。
「ねえ聞いた。ミーって平民が5股してるんだって」
「私が聞いた話だと99股したって感だったけど……」
「それはやり過ぎよ。それでね、我らがシンシア様が、天誅下してくれるんだって」
「こう、ぎゃふんと言わせてほしいわね!」
キャッキャと話す女子生徒たち。
どうもミーが嫌われているらしく、ミーの方でも根も葉もないうわさが流れている。それに乗っかってシンシアの噂が流れ始めたという感じだろうか。天誅を下す正義のヒーローって感じで悪役令嬢からかけ離れている気がするのだが。
ちらりとシンシアに視線を向ける。彼女はルンルン気分で鼻歌まで歌っていた。幼児化が進んでいるようでとても楽しそうだ。そんな彼女の様子を、ゼイゴが幸せそうな表情を浮かべながら見つめている。
微動だにしないその目が怖い。
特に噂を気にしているわけではないので安心した。もしも「これじゃあ悪役令嬢ではありません」とか言われたらどうしようかと思った。もっともっとひどいことをやれと言うわけにはいかず、かといって俺が何かするのも間違っているような気がする。
ふと、他の女子生徒の噂が聞こえてきた。またシンシアとミーの噂かと思ったのだが、どうやら違う噂のようだ。俺は黙って聴き耳をたてる。後ろでジト目を向けるイリーナなど気にしない。
「ねえ、またシンシア様がミーにちょっかいかけているらしいわよ。あの方もよくやるわね。そんなに婚約者を取り戻したいのかしら。あれを? 本気なのって思うわよね」
「私はただシンシア様がミーと仲良くしたいだけのように見えるけど。あの方、平民とか貴族とか身分を気にせずに接してくれる方だからね。それは良いんだけど、あのミーをどうにかしてくれって噂、あれこそやめてほしいわよね。あのどうしようもない口では言えないあれらを取りまとめてくれているのがミーなんだから。彼女には頑張ってもらいたいわ。私たちの平和のためにもっ!」
「それ私も思ったっ。あれでしょう? 99股の噂。でもあれって、99人の口では言い表せない気持ち悪い集団を取りまとめているだけで、特にそういう関係ではないんでしょう? この前掛け声出しながら集団を取りまとめているミーを見たわ」
「あれは私も見た。さすがだと思ったわ。よくもあの集団を前にして吐かないものね。さすがだと思うわ。特に、名前を言うのもつらいなんとか王子。あれを制御できるミーさんはさすがだと思う」
ミーの評価とシンシアの評価についていろいろとツッコミたいところがあるのだが、特に思ったのは俺の知っている乙女ゲームとは違うということだ。
まあ、乙女ゲームなんて飛鳥に押し付けられて少しやったことがあるだけで、すごく詳しいってわけでもないんだけど、それでも違うと言い切れる。
特になんとか王子とその取り巻き。99股は置いておくとしても、ヒーロー的立ち位置の人物が口では言い表せないとか、目の前にしたら吐きそうとか、その時点でいろいろと間違っているのは確かだ。
誰が求めるんだよ、そんな乙女ゲーム。
にしても、最近変な噂が多くなってきたな。もしかしたらシンシアが誘われたお茶会もこのうわさと何か関係があるんじゃないだろうか。
そう邪推してしまったが、きっと考えすぎだろうと俺は気にしないことにした。
あれから特に問題も起こらず、平和な日々が続いていた。
ミーをなんとか王子に返却した後、何も起こることなく実施訓練は終了したし、特に問題というものは起こらなかった。イベント的なシーンがもう少しあってもよさそうだったが、まあいいだろう。あの時のミーを思い浮かべると、涙が出そうになるほど可哀そうだった。
『なに女のことを思い浮かべてニヤニヤしているのじゃ。気持ち悪いのじゃ』
「そんなことしてないからな。んで、どうしたんだ急に」
『いやなに、諸刃が気持ち悪い顔しておるなと思って、こりゃからかわないといけんと思ったまで……あ』
こいつ馬鹿だろう。
自分から暴露する奴初めて見た。いやまあ、こいつは見た目通りダメな刀だからな。
刀と言えばアッシュだが、あいつは最近飛鳥と訓練をしているそうだ。同じ剣術をたしなむものとして、一緒に訓練をしているらしい。互いに真剣を持って「死にさらせゃぁぁぁぁぁ」とか「くたばれぇぇぇぇぇぇ」と言った罵声を浴びせ合いながら訓練しているらしい。シンシアを通して俺のところに苦情が来る。
何故シンシアを通して苦情が来るのかと思うところもあるが、あの気迫というか雰囲気が関わっちゃいけない人みたいになっていて大貴族様に頼りたいということもあるのだろう。何せ王子どもがあれだからな。臭くて得体のしれない不気味な雰囲気を漂わせるイケメンどもしかいないからな。あいつら頼りなさそうに見えて実際に頼りないし。
こっちを頼りたくなるのも仕方のないことなのだろう。
さて、実地試験が終わった今、これから目指すのは学期末試験のその後のパーティーの準備だ。
この学園では、学期末が終わった後に長期休みが入る。その前に一同が集まってパーティーが行われるのだ。ある意味貴族同士の交流会みたいなもので、これもある意味で勉強だったりする。貴族というのも大変だなと思った。
学期末試験は実技試験なんて行わない。この前の実地試験がある意味で実技試験のようなものなので学期末試験は筆記しか行わないが、シンシアなら大丈夫だろう。
「あ、先生!」
シンシアがてとてとと子供らしくこちらにやってきた。なんか会うたびに精神年齢が幼くなっているような気がするのだが、気のせいなのだろうか。
「おはようございます先生」
「おう、おはようさん。こんな早くからどうした?」
「あのですね。お茶会に誘われたんです。よく分からないですけど、なんか誘われました」
良く分からないけど誘われたんだ。何が分からないのだろうか。シンシアは大貴族だし、そういう経験も豊富な気がするのだが。
そこでふと、なんとか王子の顔が頭によぎった。もしかしたらシンシアの周りにはアレのような王族や貴族しかいなかったのかもしれないと思うと少し可哀そうに思えた。
シンシアはルンルン気分のようだが、一緒にいたイリーナとリセの表情は暗い。リセとリーナは顔を見合わせた後、一度頷いてイリーナが俺の方によって来た。
「主殿、お耳に入れたいことがあります」
「どうした。なんかあったのか」
イリーナは周りを見渡して、特にシンシアの方を注意深く見た後、小さな声で伝えてきた。
「あの、シンシアの変な噂が流れているのはご存知ですか? すっごくやばいうわさなんです。激やばです」
やばいうわさ? 俺は特に聞いていないんだけどな。
俺が聞いた話は、学期末試験って結構難しいという話で、シンシアなら大丈夫だろうが、しっかりと勉強を頑張って無事に合格してほしいなと思っていたりする。噂って学期末がやべーってことぐらいしか知らないんだが。ゼイゴなら知っているだろうか? あのメイドがシンシアに関することで見落としているわけないと思うのだが。
ちらりと視線を移すと、目がやばい感じになっていた。変質者の目だ。今は関わるのをやめよう。
「えっと、ところで噂ってどういうのかな?」
「私が聞いた話だと、シンシアがミーに暴力を振るったとか、水魔法でばしゃーってしたとか。あとはそうですね。脇をくすぐっていたとかですか」
最後のはやってそうだ。暴力とか水攻めはシンシアが絶対にやらないと思うが、どうしてそんな噂が流れ始めたのだろうか。
いや、でも……やっぱりくすぐりはやってそうだ。
そしてこのタイミングでのお茶会。何か裏で動いているような気がする。
『なんか諸刃が難しい顔をしているのじゃが、たぶん気のせいなのじゃ』
「気のせいかもしれないけど、何か対策を考えたほうがいいだろうな。やって無駄になるなんてことはない」
『まあそうじゃろうけど、諸刃が笑いものになるのじゃ、ぷぎゃー』
こいつムカつく。
だけど、シンシアをこのままにしておいてよいのだろうか。この悪いうわさが変な方向に進んでしまいそうな気が……。
そこでふと思い出す。シンシアが悪役令嬢を目指していたことを。悪役令嬢になりたいのなら、この悪い噂はそもそも間違っていないのでは。
そんなことを考えていると、変な声が聞こえてきた。
「ねえ聞いた。ミーって平民が5股してるんだって」
「私が聞いた話だと99股したって感だったけど……」
「それはやり過ぎよ。それでね、我らがシンシア様が、天誅下してくれるんだって」
「こう、ぎゃふんと言わせてほしいわね!」
キャッキャと話す女子生徒たち。
どうもミーが嫌われているらしく、ミーの方でも根も葉もないうわさが流れている。それに乗っかってシンシアの噂が流れ始めたという感じだろうか。天誅を下す正義のヒーローって感じで悪役令嬢からかけ離れている気がするのだが。
ちらりとシンシアに視線を向ける。彼女はルンルン気分で鼻歌まで歌っていた。幼児化が進んでいるようでとても楽しそうだ。そんな彼女の様子を、ゼイゴが幸せそうな表情を浮かべながら見つめている。
微動だにしないその目が怖い。
特に噂を気にしているわけではないので安心した。もしも「これじゃあ悪役令嬢ではありません」とか言われたらどうしようかと思った。もっともっとひどいことをやれと言うわけにはいかず、かといって俺が何かするのも間違っているような気がする。
ふと、他の女子生徒の噂が聞こえてきた。またシンシアとミーの噂かと思ったのだが、どうやら違う噂のようだ。俺は黙って聴き耳をたてる。後ろでジト目を向けるイリーナなど気にしない。
「ねえ、またシンシア様がミーにちょっかいかけているらしいわよ。あの方もよくやるわね。そんなに婚約者を取り戻したいのかしら。あれを? 本気なのって思うわよね」
「私はただシンシア様がミーと仲良くしたいだけのように見えるけど。あの方、平民とか貴族とか身分を気にせずに接してくれる方だからね。それは良いんだけど、あのミーをどうにかしてくれって噂、あれこそやめてほしいわよね。あのどうしようもない口では言えないあれらを取りまとめてくれているのがミーなんだから。彼女には頑張ってもらいたいわ。私たちの平和のためにもっ!」
「それ私も思ったっ。あれでしょう? 99股の噂。でもあれって、99人の口では言い表せない気持ち悪い集団を取りまとめているだけで、特にそういう関係ではないんでしょう? この前掛け声出しながら集団を取りまとめているミーを見たわ」
「あれは私も見た。さすがだと思ったわ。よくもあの集団を前にして吐かないものね。さすがだと思うわ。特に、名前を言うのもつらいなんとか王子。あれを制御できるミーさんはさすがだと思う」
ミーの評価とシンシアの評価についていろいろとツッコミたいところがあるのだが、特に思ったのは俺の知っている乙女ゲームとは違うということだ。
まあ、乙女ゲームなんて飛鳥に押し付けられて少しやったことがあるだけで、すごく詳しいってわけでもないんだけど、それでも違うと言い切れる。
特になんとか王子とその取り巻き。99股は置いておくとしても、ヒーロー的立ち位置の人物が口では言い表せないとか、目の前にしたら吐きそうとか、その時点でいろいろと間違っているのは確かだ。
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