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公爵家ご令嬢は悪役になりたい!
27.襲撃者の名は……
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平和そのものだった日常が崩れ去るなどこの世界にはよくあることだ。
魔王なんていう存在もいるし、人と魔物が争うことなんて毎日どこかで争っていることだろう。そんな殺伐とした世界だと言えるほどに闘いは日常的なモノだと勝手に思っているのだが、この場所においてそれは非日常であると理解している。だからこそ、今の状況に多少狼狽えてしまったのは仕方がないことだと言えた。
「旦那様。ご報告があります」
現れたのは一匹の老ゴブリンだった。イリーナと同じく見た目はほぼ人間だ。頬に傷があり、鋭い眼光が歴戦の戦士を彷彿とさせるのだが、なにぶん背が小さく、パッと見たところ子供のようにしか見えない。肌の張りも良く、どう見ても老人には見えないのだが、声だけがしわがれた声になっており、なんとなく老いているように感じたので、勝手に老ゴブリンだと思っている。
そんなゴブリンから出てきた言葉は予想の斜め上をはるかに超えたようなものだった。
「我らの姫様とシンシア様が向かわれたお茶会に襲撃者が現れました。姫様がゴブリン帝国精鋭部隊【ロイヤルガード】を召喚したため、お茶会に参加していたものは無事です。それどころか、姫様とシンシア様を筆頭に反撃を開始、リセ様が回復魔法で支援している為、いくら傷ついても倒れることの知らない精鋭たちが襲撃者に対して優勢ですが、まだ決着がついたわけではないので取り急ぎ報告をと思いまして」
あいつら何やっちゃってんのっ! というのが、俺の素直な感想だった。
お茶会に襲撃するものがいたというのにも驚いたが、それを撃退するべく動いてしまった二人、いや、三人には困ったものだ。
まあ襲撃されたのだから、反撃しちゃダメだとは言わないけど、一応ここは各国のお偉いさんの子息令嬢が通う学園。イリーナやリセが戦うのは、まあ護衛としての行動として多めに見るとしても、守られるべきシンシアが前に出るってどういうことだ。
ふと、そば付きメイドであるゼイゴのことが気になった。あいつ何してるんだ?
「ゼイゴは何をしている。シンシアを止めなかったのか」
「……その、非常に報告しにくいのですが、あれはダメです。嬉々として写真を撮って鼻血を出して倒れました。大惨事です」
「あいつ何やってんだよ。マジで……」
ちょっと頭を抱えたくなるほどのことをしでかしていた。そば付きメイドが止めずにそれどころか鼻血出して倒れるなんて、あいつ本当にメイドなのだろうか。疑わしい。
『どうするのじゃ? 助けに行くのじゃ?』
「そりゃ助けに行くだろう。アッシュも回収してさっさと襲撃者というのを倒しに行くぞ」
とりあえずアッシュを探して、シンシア達を助けに行くことにしたのだが、一つだけ気になったことがある。
「そういえば、襲撃者ってどんな奴なんだ」
「その、なんといえばいいのでしょうか、名前の言えない奴です」
ああ、あいつか。あいつらか。あいつら、襲撃しちゃったか……。
どういう理由で襲撃したのか意味不明だな。とりあえず、とっちめればわかるだろうが、きっとミーの目を盗んで襲いに来たに違いない。
俺の感覚的に、ミーではなくその周りがシンシアに対して敵対心を持っているような気がする。あいつらはシンシアのどこが気に入らないのか。正直意味不明だ。あんなにふわふわしたシンシアが問題を起こすとは考えにくいし、そこが気に食わないと攻撃してくるのであればなんて器の小さい奴なんだと思ってしまう。
ぶっちゃけ、視界に入れるだけでつらいあいつらだが、それでも王子を含む各国では爵位が非常に高いお偉いさんの子息だ。下手なことをすれば大きな問題になりかねないのがめんどくさいポイントだ。リセやイリーナが変なことしてなけりゃいいけど。まあ、シンシアも戦っているようだからその辺は大丈夫か?
俺は不安になりつつもアッシュを回収して、現場に向かう。そこはある意味で地獄絵図になっていた。
「汚物は消毒です。皆が怖がってるので問答無用っ! 乙女を害する悪魔め。私が成敗します。一度言ってみたかったんですよね、これ」
と言いつつ、嬉々として敵を倒すシンシア。振り回しているのはひのきの棒だろうか。シンシアに切られたものは、服が破けるだけで大惨事にはなっていなかったが、ひどいミミズ腫れができていた。すごく痛いのか、苦悶の表情を浮かべている。
ただ、あまりにも気持ち悪いというか、こう、胸の内から湧き上がる嫌悪感のせいか、同情する気持ちさえ湧いてこない。
シンシアに続いてイリーナも戦いに参加している。イリーナ率いるゴブリンたち。こんなところでゴブリンを召喚してもいいのだろうかというのもあったが、周りの反応からして問題なさそうだ。
イリーナは、なんというか、なぜか前線に出る召喚魔法使い的な立ち位置になっており、配下のゴブリンたちに指示を出しつつ、あの得体のしれない気持ち悪さを放つ王子の仲間の一人を、これまたひのきの棒で叩いていた。
こちらはシンシアのようなミミズ腫れのようになってはいなかったが、酷い青あざになるような強い打撃を与えている様子がうかがえる。怖いな、あのひのきの棒。
「気持ち悪い野郎どもはお仕置きです。皆さん、やってしまいなさいっ! これ、一度言ってみたかったんですよね」
「「「サー・イエス・サー」」」
こうしてみていると、イリーナもノリノリである。実に楽しそうだと少しだけなごんでしまうが、襲われている側からしたら恐怖以外の何ものでもないだろう。何せゴブリンとはいえ魔物が襲ってきているわけだ。襲撃犯であるあのなんとも言えない気持ちの悪い男達がその気持ち悪さをさらに強めながら泣きわめき、戦っている。まだ学生だからだろうか、やっぱり魔物と戦うのに恐怖があるのだろうが、だったらあの実地演習の時もこうやって泣きわめいていたのだろうと思うと笑える。実際、イリーナとシンシアは笑いをこらえていた。
どうしよう、俺の仲間と生徒がサイコパスになっちゃった件。
闘いは激しくなっていくが、俺が戦い方を教えたシンシアや仲間のイリーナたちであっても無傷で完璧に抑えるのは難しい。襲撃してきた男たちはこの学園の生徒であり大した実力はない。それでもそれなりに大きなグループらしく敵の数もそれなりに多かった。
だけど傷ついた仲間を癒す存在がいた。リセだ。
「いくら傷ついたって直してあげるわ。なんたって女神だからね。頼られるって気持ちいっ!」
仲間に回復をお願いされて癒すリセ。あいつはボッチをこじらせて性格的にとても残念なのだが、回復魔法に関しては超一流だ。俺の勝手な予想だけど、世界でトップのレベルに入るのではと思ってしまう。それなりにすごい魔法なのだが、やっぱりリセは残念な奴だ。
頼られて本当にうれしいようで、口元がだらしなく笑っている。
俺たちが駆け付けたのは良いが、特に割り込む必要のない状況だったので、もう見守るだけでいいのではと思ってしまう。
それどころか、襲ってきた相手の方が大変そうに見えた。こうして見ていると、逆に可愛そうになってくる。
襲撃犯の一人に、あの名前の聞き取れない気持ち悪い王子がいた。あの王子は必死にがんばっているが相手になっていない。ズタボロだ。
「このっ! 悪女シンシアっ、俺はーー」
「悪女、良い響きですっ! 最近、アホの子とかドジっ子とか天然とか言われてショックだったんです。悪女って言ってくれるのはあなただけ。そこだけは褒めてあげましょう。だから地獄に行ってくださいね」
「俺はお前の婚約ーー」
「そんなわけないじゃないですかっ」
笑顔で殴りつけるシンシア。ちなみに直接触れてはいない。だというのに殴った後で手を拭いている徹底ぶりに相手の心が折れてしまったようだ。シンシア、なんて恐ろしい子っ。
「なあ諸刃。アレ、留めなくてもいいのか?」
「あー、そうだな。別に良いんじゃねぇ?」
まさに地獄絵図という感じではあったが、痛めつけられているのはあのなんとも言えない怪しい集団だけ。むしろあれだ、襲われた側の令嬢たちがとても喜んでいるから別にいいのではと思ってしまう。
それにしても、あの王子の名前、結局聞き取れなかったな。
魔王なんていう存在もいるし、人と魔物が争うことなんて毎日どこかで争っていることだろう。そんな殺伐とした世界だと言えるほどに闘いは日常的なモノだと勝手に思っているのだが、この場所においてそれは非日常であると理解している。だからこそ、今の状況に多少狼狽えてしまったのは仕方がないことだと言えた。
「旦那様。ご報告があります」
現れたのは一匹の老ゴブリンだった。イリーナと同じく見た目はほぼ人間だ。頬に傷があり、鋭い眼光が歴戦の戦士を彷彿とさせるのだが、なにぶん背が小さく、パッと見たところ子供のようにしか見えない。肌の張りも良く、どう見ても老人には見えないのだが、声だけがしわがれた声になっており、なんとなく老いているように感じたので、勝手に老ゴブリンだと思っている。
そんなゴブリンから出てきた言葉は予想の斜め上をはるかに超えたようなものだった。
「我らの姫様とシンシア様が向かわれたお茶会に襲撃者が現れました。姫様がゴブリン帝国精鋭部隊【ロイヤルガード】を召喚したため、お茶会に参加していたものは無事です。それどころか、姫様とシンシア様を筆頭に反撃を開始、リセ様が回復魔法で支援している為、いくら傷ついても倒れることの知らない精鋭たちが襲撃者に対して優勢ですが、まだ決着がついたわけではないので取り急ぎ報告をと思いまして」
あいつら何やっちゃってんのっ! というのが、俺の素直な感想だった。
お茶会に襲撃するものがいたというのにも驚いたが、それを撃退するべく動いてしまった二人、いや、三人には困ったものだ。
まあ襲撃されたのだから、反撃しちゃダメだとは言わないけど、一応ここは各国のお偉いさんの子息令嬢が通う学園。イリーナやリセが戦うのは、まあ護衛としての行動として多めに見るとしても、守られるべきシンシアが前に出るってどういうことだ。
ふと、そば付きメイドであるゼイゴのことが気になった。あいつ何してるんだ?
「ゼイゴは何をしている。シンシアを止めなかったのか」
「……その、非常に報告しにくいのですが、あれはダメです。嬉々として写真を撮って鼻血を出して倒れました。大惨事です」
「あいつ何やってんだよ。マジで……」
ちょっと頭を抱えたくなるほどのことをしでかしていた。そば付きメイドが止めずにそれどころか鼻血出して倒れるなんて、あいつ本当にメイドなのだろうか。疑わしい。
『どうするのじゃ? 助けに行くのじゃ?』
「そりゃ助けに行くだろう。アッシュも回収してさっさと襲撃者というのを倒しに行くぞ」
とりあえずアッシュを探して、シンシア達を助けに行くことにしたのだが、一つだけ気になったことがある。
「そういえば、襲撃者ってどんな奴なんだ」
「その、なんといえばいいのでしょうか、名前の言えない奴です」
ああ、あいつか。あいつらか。あいつら、襲撃しちゃったか……。
どういう理由で襲撃したのか意味不明だな。とりあえず、とっちめればわかるだろうが、きっとミーの目を盗んで襲いに来たに違いない。
俺の感覚的に、ミーではなくその周りがシンシアに対して敵対心を持っているような気がする。あいつらはシンシアのどこが気に入らないのか。正直意味不明だ。あんなにふわふわしたシンシアが問題を起こすとは考えにくいし、そこが気に食わないと攻撃してくるのであればなんて器の小さい奴なんだと思ってしまう。
ぶっちゃけ、視界に入れるだけでつらいあいつらだが、それでも王子を含む各国では爵位が非常に高いお偉いさんの子息だ。下手なことをすれば大きな問題になりかねないのがめんどくさいポイントだ。リセやイリーナが変なことしてなけりゃいいけど。まあ、シンシアも戦っているようだからその辺は大丈夫か?
俺は不安になりつつもアッシュを回収して、現場に向かう。そこはある意味で地獄絵図になっていた。
「汚物は消毒です。皆が怖がってるので問答無用っ! 乙女を害する悪魔め。私が成敗します。一度言ってみたかったんですよね、これ」
と言いつつ、嬉々として敵を倒すシンシア。振り回しているのはひのきの棒だろうか。シンシアに切られたものは、服が破けるだけで大惨事にはなっていなかったが、ひどいミミズ腫れができていた。すごく痛いのか、苦悶の表情を浮かべている。
ただ、あまりにも気持ち悪いというか、こう、胸の内から湧き上がる嫌悪感のせいか、同情する気持ちさえ湧いてこない。
シンシアに続いてイリーナも戦いに参加している。イリーナ率いるゴブリンたち。こんなところでゴブリンを召喚してもいいのだろうかというのもあったが、周りの反応からして問題なさそうだ。
イリーナは、なんというか、なぜか前線に出る召喚魔法使い的な立ち位置になっており、配下のゴブリンたちに指示を出しつつ、あの得体のしれない気持ち悪さを放つ王子の仲間の一人を、これまたひのきの棒で叩いていた。
こちらはシンシアのようなミミズ腫れのようになってはいなかったが、酷い青あざになるような強い打撃を与えている様子がうかがえる。怖いな、あのひのきの棒。
「気持ち悪い野郎どもはお仕置きです。皆さん、やってしまいなさいっ! これ、一度言ってみたかったんですよね」
「「「サー・イエス・サー」」」
こうしてみていると、イリーナもノリノリである。実に楽しそうだと少しだけなごんでしまうが、襲われている側からしたら恐怖以外の何ものでもないだろう。何せゴブリンとはいえ魔物が襲ってきているわけだ。襲撃犯であるあのなんとも言えない気持ちの悪い男達がその気持ち悪さをさらに強めながら泣きわめき、戦っている。まだ学生だからだろうか、やっぱり魔物と戦うのに恐怖があるのだろうが、だったらあの実地演習の時もこうやって泣きわめいていたのだろうと思うと笑える。実際、イリーナとシンシアは笑いをこらえていた。
どうしよう、俺の仲間と生徒がサイコパスになっちゃった件。
闘いは激しくなっていくが、俺が戦い方を教えたシンシアや仲間のイリーナたちであっても無傷で完璧に抑えるのは難しい。襲撃してきた男たちはこの学園の生徒であり大した実力はない。それでもそれなりに大きなグループらしく敵の数もそれなりに多かった。
だけど傷ついた仲間を癒す存在がいた。リセだ。
「いくら傷ついたって直してあげるわ。なんたって女神だからね。頼られるって気持ちいっ!」
仲間に回復をお願いされて癒すリセ。あいつはボッチをこじらせて性格的にとても残念なのだが、回復魔法に関しては超一流だ。俺の勝手な予想だけど、世界でトップのレベルに入るのではと思ってしまう。それなりにすごい魔法なのだが、やっぱりリセは残念な奴だ。
頼られて本当にうれしいようで、口元がだらしなく笑っている。
俺たちが駆け付けたのは良いが、特に割り込む必要のない状況だったので、もう見守るだけでいいのではと思ってしまう。
それどころか、襲ってきた相手の方が大変そうに見えた。こうして見ていると、逆に可愛そうになってくる。
襲撃犯の一人に、あの名前の聞き取れない気持ち悪い王子がいた。あの王子は必死にがんばっているが相手になっていない。ズタボロだ。
「このっ! 悪女シンシアっ、俺はーー」
「悪女、良い響きですっ! 最近、アホの子とかドジっ子とか天然とか言われてショックだったんです。悪女って言ってくれるのはあなただけ。そこだけは褒めてあげましょう。だから地獄に行ってくださいね」
「俺はお前の婚約ーー」
「そんなわけないじゃないですかっ」
笑顔で殴りつけるシンシア。ちなみに直接触れてはいない。だというのに殴った後で手を拭いている徹底ぶりに相手の心が折れてしまったようだ。シンシア、なんて恐ろしい子っ。
「なあ諸刃。アレ、留めなくてもいいのか?」
「あー、そうだな。別に良いんじゃねぇ?」
まさに地獄絵図という感じではあったが、痛めつけられているのはあのなんとも言えない怪しい集団だけ。むしろあれだ、襲われた側の令嬢たちがとても喜んでいるから別にいいのではと思ってしまう。
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