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公爵家ご令嬢は悪役になりたい!
29.色々終わったらパーティーでもやるそうですよ?
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あのよく分からない勉強法を行いながら数日が経過して、試験が行われた。試験前のシンシアの勉強はあれしかやっていないとゼイゴから聞いていたのだが、本当に大丈夫だったのだろうかと心配になった。
だけどそれも杞憂に終わる。
試験が終わり一週間後、成績表が張り出された。そこの一番上にシンシアの名前が書かれていたのだ。彼女はない胸を張って「当然です」とドヤ顔をしていた。
この成績には驚かされ、思わず褒めてしまった。別に褒めることが悪いというわけではないんだけど。それでも彼女はとてもうれしそうにして、それがきっかけでリセとイリーナが文句を言ってひと悶着あったのだが、それはどうでもいいことだろう。
テストが終わったら何をするのだろうかと聞いてみると、シンシアはこんなことを言い出した。
「先生っ! パーティーですよパーティー。みんなでわちゃわちゃやるんです。楽しいですよ。楽しみですね」
「パーティー? そんなのやるんだ」
「そうなんですよ。それが終われば長期休みです。お休み、何しようかな~」
なんかすごくふわふわしている。夏休み前の子供のようだ。
もう少し詳しい話を聞いてみると、学期末テストの後は長期休みがあるらしい。その後に、次の学年へ進学するとかしないとか。
その休みに入る前に慰労というか貴族様の交流場を提供するというべきか、まあともかくパーティーをやるそうだ。
俺的にはこんなタイミングでパーティーをやるなど、何かのイベントがこれから始まるよと言っているようにしか思えない。
物語の定番としては、パーティーを行うことは何かしらのイベントを行うに等しい。最近姿を見せない飛鳥に渡されたラノベ的に考えるなら、婚約破棄的なイベントが起こってもいいぐらいだと思う。他の作品だと……パーティー中に敵兵が特攻をしかけてきて学園が崩壊するとか、そのぐらいの出来事は起こったはずだ。
さて、と思いながらシンシアを見る。能天気な笑顔を浮かべていた。もうすでに悪役令嬢のことなんて忘れているのではなかろうかとすら思ってしまう。
そんな俺の心を見透かしたようにシンシアは言った。
「はっ! これは悪役令嬢的にチャンスなのでは?」
いったい何がチャンスなのだろうかと心の中でツッコミを入れつつも、パーティーでシンシアが何かをやらかそうとしている雰囲気がひしひしと感じられたのだ。不味い、これはまずい。
パーティーというのだから、各国の子息令嬢がいるわけで、そんな場所で粗相を起こせばほかの国の人たちになんて思われるか。これが問題になり、お金がもらえなくなってしまったら店を立て直すという俺の目標から遠ざかってしまう。これだけはまずい。なんとしても阻止しなければ。
そう一人決意しているところで、こいつが余計なことを言うのだ。
「こんな衣装来てみたらどうっ! きっと目立ってボッチじゃなくなるよ」
リセだ。どこから取り出したのか、紫色の大人びたドレスをシンシアに見せていた。そしてその衣装がなんと、悪役っぽかったのだ。
紫のドレス、というところまでは大丈夫だと思うのだけど、こう、無駄にぴちぴちで、ザ・悪の組織の幹部と言えばいいのだろうか。そんな雰囲気を感じさせるようなドレスだった。
リセは死んだ魚のような目でぶつぶつという。
「これを着てるとね、周りの人が石を投げてきてね、一人じゃなくなるんだ……」
「だから悲しいこと言うなよ。なんでそういうドレス出すんだよ」
「でも私、こんなものしか持ってないし」
いや、他にもあるだろう。それっぽい服とかさぁ。
『リセは業が深いというかなんというか、諸刃よ。しっかり見ているのじゃぞ』
「のじゃロリに言われなくてもわかってるよ」
リセのことは後で考えよう。しっかり見てろって言われたって、パーティーに出るのはシンシアで俺達じゃないし。最悪給仕の服でも借りて護衛的な仕事をすればいいはずだ、ゼイゴに視線を移すとコクリと頷いてくれたので、たぶんそうなんだろう。
「こんな衣装を用意しました。こっちの方が人気が出ていいと思うんですよっ!」
ゼイゴが取り出したのは、かなりきわどい漆黒のドレスだった。いや、そういう話じゃないから。
そう思ったのだが、ゼイゴは小さく「あなたには負けません」と呟いた。何と戦っているのか分からないが、俺に敵意を向けないでほしい。
シンシアが俺をちらりと見る。上目遣いで実にあざとい。
「先生はどんな衣装を見せてくれるんでしょうか」
そんなことを言われても困ってしまう。
シンシアは天然だろうが、仕草がこう、何か狙っているような雰囲気を感じられた。
俺が回答に戸惑うと、奇妙な静けさが漂う。リセとゼイゴから鋭い視線を受ける。
リセは、たぶんよく分かっていないんだろうが、ゼイゴを見て鋭くしなきゃ適菜ことを思ったからやったんだろう。
ただ今の状況でそれをやられると、俺の心が疲弊してくる。じっと見つめてきて、次第に目尻に涙を浮かべてくるシンシアの姿を見ていると、罪悪感も出てきた。
ここは何かしなければいけない、そう思っているとドヤ顔でイリーナが前に出た。
「任せてください、主殿。この妻であるイリーナにお任せをっ!」
妙に妻であることを強調するイリーナだがこの時ばかりは頼もしかった。
妙に周りからの鋭い視線が向けられているが、きっと気のせいだろう。
いや、気のせいじゃないかもしれない。
周りのことなど気にしても仕方がない。俺はイリーナにすべてを賭けることにした。
「私がお見せする衣装は、この衣装です」
それは白と青の色が絶妙に合ったドレスだった。フリルなどは控えめで、少し大人しい印象を受ける。ただ、フリルがないことによってかわいらしさよりも美しさというか誠実さというか、そういうのが強調されそうなドレスのように見えた。
シンシアがそのドレスを着たところを想像してみる。
天然でかわいいという印象を持つシンシアに少し大人っぽいドレスを着ている姿がミスマッチのように思えてならない。
また、悪役令嬢というより主人公とかその周りのモブが来ていそうな服装であるため、趣旨と少し異なっているように思えた。
だけど……。
「これでいいんじゃないか。俺は凄くいいと思う」
「そうですかっ! これ着ていきます」
ちらりとゼイゴに視線をやった。ゼイゴは親指をぐっと立てて、よくやったとでも言いたげな笑みを浮かべた。
おそらく彼女の満足いくような衣装だったのだろう。少し鼻血が垂れているのを見るに、鼻血が噴き出すのを何とかこらえているようだ。少し、ぷるぷると震えている。
訓練場にははしゃぐシンシアの声だけが響く。学期末試験も終わり、学園でやることはほとんどなくなった。この時期の学生は訓練も何もしないのかもしれない。そう考えるとシンシアが少し真面目で珍しい生徒ともいえるだろう。
そんな彼女を陰ながら様子を窺っている生徒が数人いた。気配で丸わかりだが、こちらに突撃してくる気配がないので放置している。ストーカー行為をしていたら流石に見逃せないが。
アッシュの言うように、この辺りに魔王軍の関係者がいる。そして魔王軍の関係者がこの土地で何かを狙っているという。
何を狙っているかは分からないが、もしいいタイミングがあったらそいつらもついでに討伐してやろう。
ただ、この後のスケジュールを考えると、魔王軍関係者が狙うタイミングはあれしかないよな。このパーティー以外何もないはず……。
そう考えると、パーティーで何かが起こるような気がしてならない。
俺は、様子を見に来ている謎のやつらを警戒しつつ、俺はシンシアの様子を見守ることにした。
だけどそれも杞憂に終わる。
試験が終わり一週間後、成績表が張り出された。そこの一番上にシンシアの名前が書かれていたのだ。彼女はない胸を張って「当然です」とドヤ顔をしていた。
この成績には驚かされ、思わず褒めてしまった。別に褒めることが悪いというわけではないんだけど。それでも彼女はとてもうれしそうにして、それがきっかけでリセとイリーナが文句を言ってひと悶着あったのだが、それはどうでもいいことだろう。
テストが終わったら何をするのだろうかと聞いてみると、シンシアはこんなことを言い出した。
「先生っ! パーティーですよパーティー。みんなでわちゃわちゃやるんです。楽しいですよ。楽しみですね」
「パーティー? そんなのやるんだ」
「そうなんですよ。それが終われば長期休みです。お休み、何しようかな~」
なんかすごくふわふわしている。夏休み前の子供のようだ。
もう少し詳しい話を聞いてみると、学期末テストの後は長期休みがあるらしい。その後に、次の学年へ進学するとかしないとか。
その休みに入る前に慰労というか貴族様の交流場を提供するというべきか、まあともかくパーティーをやるそうだ。
俺的にはこんなタイミングでパーティーをやるなど、何かのイベントがこれから始まるよと言っているようにしか思えない。
物語の定番としては、パーティーを行うことは何かしらのイベントを行うに等しい。最近姿を見せない飛鳥に渡されたラノベ的に考えるなら、婚約破棄的なイベントが起こってもいいぐらいだと思う。他の作品だと……パーティー中に敵兵が特攻をしかけてきて学園が崩壊するとか、そのぐらいの出来事は起こったはずだ。
さて、と思いながらシンシアを見る。能天気な笑顔を浮かべていた。もうすでに悪役令嬢のことなんて忘れているのではなかろうかとすら思ってしまう。
そんな俺の心を見透かしたようにシンシアは言った。
「はっ! これは悪役令嬢的にチャンスなのでは?」
いったい何がチャンスなのだろうかと心の中でツッコミを入れつつも、パーティーでシンシアが何かをやらかそうとしている雰囲気がひしひしと感じられたのだ。不味い、これはまずい。
パーティーというのだから、各国の子息令嬢がいるわけで、そんな場所で粗相を起こせばほかの国の人たちになんて思われるか。これが問題になり、お金がもらえなくなってしまったら店を立て直すという俺の目標から遠ざかってしまう。これだけはまずい。なんとしても阻止しなければ。
そう一人決意しているところで、こいつが余計なことを言うのだ。
「こんな衣装来てみたらどうっ! きっと目立ってボッチじゃなくなるよ」
リセだ。どこから取り出したのか、紫色の大人びたドレスをシンシアに見せていた。そしてその衣装がなんと、悪役っぽかったのだ。
紫のドレス、というところまでは大丈夫だと思うのだけど、こう、無駄にぴちぴちで、ザ・悪の組織の幹部と言えばいいのだろうか。そんな雰囲気を感じさせるようなドレスだった。
リセは死んだ魚のような目でぶつぶつという。
「これを着てるとね、周りの人が石を投げてきてね、一人じゃなくなるんだ……」
「だから悲しいこと言うなよ。なんでそういうドレス出すんだよ」
「でも私、こんなものしか持ってないし」
いや、他にもあるだろう。それっぽい服とかさぁ。
『リセは業が深いというかなんというか、諸刃よ。しっかり見ているのじゃぞ』
「のじゃロリに言われなくてもわかってるよ」
リセのことは後で考えよう。しっかり見てろって言われたって、パーティーに出るのはシンシアで俺達じゃないし。最悪給仕の服でも借りて護衛的な仕事をすればいいはずだ、ゼイゴに視線を移すとコクリと頷いてくれたので、たぶんそうなんだろう。
「こんな衣装を用意しました。こっちの方が人気が出ていいと思うんですよっ!」
ゼイゴが取り出したのは、かなりきわどい漆黒のドレスだった。いや、そういう話じゃないから。
そう思ったのだが、ゼイゴは小さく「あなたには負けません」と呟いた。何と戦っているのか分からないが、俺に敵意を向けないでほしい。
シンシアが俺をちらりと見る。上目遣いで実にあざとい。
「先生はどんな衣装を見せてくれるんでしょうか」
そんなことを言われても困ってしまう。
シンシアは天然だろうが、仕草がこう、何か狙っているような雰囲気を感じられた。
俺が回答に戸惑うと、奇妙な静けさが漂う。リセとゼイゴから鋭い視線を受ける。
リセは、たぶんよく分かっていないんだろうが、ゼイゴを見て鋭くしなきゃ適菜ことを思ったからやったんだろう。
ただ今の状況でそれをやられると、俺の心が疲弊してくる。じっと見つめてきて、次第に目尻に涙を浮かべてくるシンシアの姿を見ていると、罪悪感も出てきた。
ここは何かしなければいけない、そう思っているとドヤ顔でイリーナが前に出た。
「任せてください、主殿。この妻であるイリーナにお任せをっ!」
妙に妻であることを強調するイリーナだがこの時ばかりは頼もしかった。
妙に周りからの鋭い視線が向けられているが、きっと気のせいだろう。
いや、気のせいじゃないかもしれない。
周りのことなど気にしても仕方がない。俺はイリーナにすべてを賭けることにした。
「私がお見せする衣装は、この衣装です」
それは白と青の色が絶妙に合ったドレスだった。フリルなどは控えめで、少し大人しい印象を受ける。ただ、フリルがないことによってかわいらしさよりも美しさというか誠実さというか、そういうのが強調されそうなドレスのように見えた。
シンシアがそのドレスを着たところを想像してみる。
天然でかわいいという印象を持つシンシアに少し大人っぽいドレスを着ている姿がミスマッチのように思えてならない。
また、悪役令嬢というより主人公とかその周りのモブが来ていそうな服装であるため、趣旨と少し異なっているように思えた。
だけど……。
「これでいいんじゃないか。俺は凄くいいと思う」
「そうですかっ! これ着ていきます」
ちらりとゼイゴに視線をやった。ゼイゴは親指をぐっと立てて、よくやったとでも言いたげな笑みを浮かべた。
おそらく彼女の満足いくような衣装だったのだろう。少し鼻血が垂れているのを見るに、鼻血が噴き出すのを何とかこらえているようだ。少し、ぷるぷると震えている。
訓練場にははしゃぐシンシアの声だけが響く。学期末試験も終わり、学園でやることはほとんどなくなった。この時期の学生は訓練も何もしないのかもしれない。そう考えるとシンシアが少し真面目で珍しい生徒ともいえるだろう。
そんな彼女を陰ながら様子を窺っている生徒が数人いた。気配で丸わかりだが、こちらに突撃してくる気配がないので放置している。ストーカー行為をしていたら流石に見逃せないが。
アッシュの言うように、この辺りに魔王軍の関係者がいる。そして魔王軍の関係者がこの土地で何かを狙っているという。
何を狙っているかは分からないが、もしいいタイミングがあったらそいつらもついでに討伐してやろう。
ただ、この後のスケジュールを考えると、魔王軍関係者が狙うタイミングはあれしかないよな。このパーティー以外何もないはず……。
そう考えると、パーティーで何かが起こるような気がしてならない。
俺は、様子を見に来ている謎のやつらを警戒しつつ、俺はシンシアの様子を見守ることにした。
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