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王都ヴァレントの晩餐会場。銀白の月光と燭火が織りなす幻想的な大宴会場には、条約締結の祝賀を兼ねた晩餐会の賑わいが満ちていた。壁沿いには金箔細工の大鏡が並び、絹やレースをまとった貴族たちが艶やかな笑みを交わしている。中央の大理石の踊り場では、音楽隊が優雅な弦楽曲を奏で、静かに足踏みを誘った。
深緑の礼装に身を包んだセリナはアレイスターとともに主賓席へと向かっていた。柔らかなシルクが大理石にかすかな光を落とす中、ガーベル伯爵や高官たちが温かく迎える。
「セリナ様、本日は条約の成功をともに祝えることを、王都一同、心より喜んでおります」
控えめに頭を下げたガーベル伯爵に、セリナは穏やかに微笑み返した。
「伯爵のご尽力なくして、今日の私はなかったでしょう。深く感謝いたします」
伯爵は頷き、再び列席者のもとへ戻って行った。セリナとアレイスターは互いに視線を交わし、微かに笑みを漏らす。
ほどなくして中央の高壇に立っていたレオニス王太子が静かに姿を現した。藍色に金糸の刺繍が施された軍服は、月光に淡く輝き、会場の注目を一身に集める。音楽が止み、王太子の声が大理石の壁に響き渡った。
「諸侯、伯爵、侯爵令嬢、各界の皆様。先刻は条約の承認に厚いご支援を賜り、改めて感謝申し上げます。本日はもう一つ、私から重要なお知らせがあります」
会場の空気が引き締まる。
「リーヴェル領地代理セリナ・リーヴェル殿は、この二日間で辺境リーヴェル領と王都ヴァレントを結ぶ生命線を再建するため、身を粉にして働きました。その功績を称え、私はセリナ殿を『辺境政策担当王都顧問』に任命し、王都政策会議の一員としてお迎えしたいと思います」
拍手が波のように広がり、いまや王都の誰もがセリナの名を称える。セリナは深呼吸し、微笑みをたたえて一礼した。
「王太子殿下、そのお言葉をいただき、身に余る光栄です。辺境再建はまだ道半ばですが、この職を通じて王国全体の安定に寄与できるよう、全力を尽くします」
アレイスターは静かな誇りを胸に、そっと頷いた。
宴も佳境に差し掛かる頃、リーナがセリナに近づいた。
「セリナ様、顧問任命、本当におめでとうございます」
リーナの瞳には、かつての打算を乗り越えた誇りと安堵が浮かんでいた。
「リーナさん、あなたの窓口役なくしては実現しませんでした。本当に感謝しています」
セリナは袖を押さえつつ、丁寧に礼を返す。
リーナは小さく息をつき、胸を撫で下ろすように息を吐いた。
「これで、私自身も社交界での評価を取り戻せました。これからは、あなたを支える“影の助力”として、引き続き頑張らせてくださいませ」
セリナは暖かく笑い、そっと手を差し伸べた。
「ええ、これからも二人三脚で歩みましょう」
宴の喧騒が遠ざかる隅の廊下――
セリナとアレイスターは、夜風が吹き込む大きな窓辺へと移動した。月影が二人の影を床に映し、静かな空間を満たしている。
「アレイスター、あなたと共にこの未来を築けることを、本当に誇りに思います」
セリナはそっと言い、かつて婚約破棄となった日の痛みを胸に呼び起こした。
(あの日の私たちは、まだ何も知らずに夢を語り合っていた……)
その思いを胸に、セリナは改めて隣の彼を見つめた。すると彼もまた、やわらかな光の中で微笑んでいる。
「セリナ、君は辺境の令嬢として、そして今は王都顧問として、多くの責務を背負う存在だ。二つの世界をつなぐ君は、まさに王国の架け橋だろう」
その言葉に、セリナの胸は温かさとともに、わずかな緊張で震えた。二人はその一瞬、目と目で通じ合い、過去のわだかまりが少しずつ溶けていくのを感じている。
大広間へ戻ろうとするセリナの背後から――
静かに扉が開き、レオニス王太子が姿を見せた。
「セリナ、少しだけ話がしたい」
その声は控えめだが、内に秘めた真剣さが伝わる。
「どうしたのですか?」
セリナは驚きと戸惑いを胸に、一歩だけ後ずさる。二人は大広間の外れで並び立ち、華やかな宴の音がかすかに遠くなる中、言葉を交わした。
「婚約破棄のあの日以来、君とこうして落ち着いて話す機会がなかった。今夜、改めて謝罪したくて――」
レオニスの声は時折震え、婚約破棄を決断した自らの未熟さを痛感させる。
「王太子殿下、謝罪など不要です」
セリナは静かに答えたが、その声には過去の痛みを越えた強さがあった。
「君は貴族として、家門の奉仕と王都の安寧を優先した。私もその選択を恨んではいない」
レオニスは苦しげに視線を落とし、続ける。
「ただ……君を守れなかった自分を、いまだに許せない。君の強さと優しさを、もっと早く認められなかったことを、心から悔やんでいる」
セリナはしばらく無言で彼を見つめ、胸の中で言葉をかみしめた。
(あの日の選択は、私自身の成長を促した――今は互いの道を選ぶ時)
やがて深く息を吸い、静かに口を開く。
「殿下の謝罪は受け取ります。ただ、過去は過去として。今は、王都と辺境を結ぶ同志として、共に進みましょう」
レオニスは目に熱いものを浮かべ、感謝の笑みを返した。
「ありがとう、セリナ。君となら、どんな未来も築けると信じている」
二人の視線が最後に交わり、その背中には舞踏会の残り香と月明かりが優しく降り注いでいた。
晩餐会場に戻ったセリナは、再びアレイスターと手を取り合い、夜のヴァレントを後にした。遠くの鐘楼が静かに時を告げ、王都と辺境をつなぐ新たな一歩が、確かに歩み出されたのだった。
深緑の礼装に身を包んだセリナはアレイスターとともに主賓席へと向かっていた。柔らかなシルクが大理石にかすかな光を落とす中、ガーベル伯爵や高官たちが温かく迎える。
「セリナ様、本日は条約の成功をともに祝えることを、王都一同、心より喜んでおります」
控えめに頭を下げたガーベル伯爵に、セリナは穏やかに微笑み返した。
「伯爵のご尽力なくして、今日の私はなかったでしょう。深く感謝いたします」
伯爵は頷き、再び列席者のもとへ戻って行った。セリナとアレイスターは互いに視線を交わし、微かに笑みを漏らす。
ほどなくして中央の高壇に立っていたレオニス王太子が静かに姿を現した。藍色に金糸の刺繍が施された軍服は、月光に淡く輝き、会場の注目を一身に集める。音楽が止み、王太子の声が大理石の壁に響き渡った。
「諸侯、伯爵、侯爵令嬢、各界の皆様。先刻は条約の承認に厚いご支援を賜り、改めて感謝申し上げます。本日はもう一つ、私から重要なお知らせがあります」
会場の空気が引き締まる。
「リーヴェル領地代理セリナ・リーヴェル殿は、この二日間で辺境リーヴェル領と王都ヴァレントを結ぶ生命線を再建するため、身を粉にして働きました。その功績を称え、私はセリナ殿を『辺境政策担当王都顧問』に任命し、王都政策会議の一員としてお迎えしたいと思います」
拍手が波のように広がり、いまや王都の誰もがセリナの名を称える。セリナは深呼吸し、微笑みをたたえて一礼した。
「王太子殿下、そのお言葉をいただき、身に余る光栄です。辺境再建はまだ道半ばですが、この職を通じて王国全体の安定に寄与できるよう、全力を尽くします」
アレイスターは静かな誇りを胸に、そっと頷いた。
宴も佳境に差し掛かる頃、リーナがセリナに近づいた。
「セリナ様、顧問任命、本当におめでとうございます」
リーナの瞳には、かつての打算を乗り越えた誇りと安堵が浮かんでいた。
「リーナさん、あなたの窓口役なくしては実現しませんでした。本当に感謝しています」
セリナは袖を押さえつつ、丁寧に礼を返す。
リーナは小さく息をつき、胸を撫で下ろすように息を吐いた。
「これで、私自身も社交界での評価を取り戻せました。これからは、あなたを支える“影の助力”として、引き続き頑張らせてくださいませ」
セリナは暖かく笑い、そっと手を差し伸べた。
「ええ、これからも二人三脚で歩みましょう」
宴の喧騒が遠ざかる隅の廊下――
セリナとアレイスターは、夜風が吹き込む大きな窓辺へと移動した。月影が二人の影を床に映し、静かな空間を満たしている。
「アレイスター、あなたと共にこの未来を築けることを、本当に誇りに思います」
セリナはそっと言い、かつて婚約破棄となった日の痛みを胸に呼び起こした。
(あの日の私たちは、まだ何も知らずに夢を語り合っていた……)
その思いを胸に、セリナは改めて隣の彼を見つめた。すると彼もまた、やわらかな光の中で微笑んでいる。
「セリナ、君は辺境の令嬢として、そして今は王都顧問として、多くの責務を背負う存在だ。二つの世界をつなぐ君は、まさに王国の架け橋だろう」
その言葉に、セリナの胸は温かさとともに、わずかな緊張で震えた。二人はその一瞬、目と目で通じ合い、過去のわだかまりが少しずつ溶けていくのを感じている。
大広間へ戻ろうとするセリナの背後から――
静かに扉が開き、レオニス王太子が姿を見せた。
「セリナ、少しだけ話がしたい」
その声は控えめだが、内に秘めた真剣さが伝わる。
「どうしたのですか?」
セリナは驚きと戸惑いを胸に、一歩だけ後ずさる。二人は大広間の外れで並び立ち、華やかな宴の音がかすかに遠くなる中、言葉を交わした。
「婚約破棄のあの日以来、君とこうして落ち着いて話す機会がなかった。今夜、改めて謝罪したくて――」
レオニスの声は時折震え、婚約破棄を決断した自らの未熟さを痛感させる。
「王太子殿下、謝罪など不要です」
セリナは静かに答えたが、その声には過去の痛みを越えた強さがあった。
「君は貴族として、家門の奉仕と王都の安寧を優先した。私もその選択を恨んではいない」
レオニスは苦しげに視線を落とし、続ける。
「ただ……君を守れなかった自分を、いまだに許せない。君の強さと優しさを、もっと早く認められなかったことを、心から悔やんでいる」
セリナはしばらく無言で彼を見つめ、胸の中で言葉をかみしめた。
(あの日の選択は、私自身の成長を促した――今は互いの道を選ぶ時)
やがて深く息を吸い、静かに口を開く。
「殿下の謝罪は受け取ります。ただ、過去は過去として。今は、王都と辺境を結ぶ同志として、共に進みましょう」
レオニスは目に熱いものを浮かべ、感謝の笑みを返した。
「ありがとう、セリナ。君となら、どんな未来も築けると信じている」
二人の視線が最後に交わり、その背中には舞踏会の残り香と月明かりが優しく降り注いでいた。
晩餐会場に戻ったセリナは、再びアレイスターと手を取り合い、夜のヴァレントを後にした。遠くの鐘楼が静かに時を告げ、王都と辺境をつなぐ新たな一歩が、確かに歩み出されたのだった。
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