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「いらっしゃい」
「お邪魔します」
イラス地区に着いた二人はまず初めに宿を取って、街を見て回ることにした。さすがに夕方になってから宿を取るのが難しいと学習し、着いた直後に準備を済ませておいた。
「三方は山に囲まれていて自然を感じますが、あそこから獣が来ているということでしょうね」
「そうらしいな」
「山に食料がないのでしょうか。行ってみます?」
「そうしたいのは山々だが、危険が多い」
「確かにそうですね。では、猟友会のところに行ってみましょうか。そこに行けば、山に行くことも出来るかもしれません」
山から獣が降りてきたということは山にあった食料が底をついたのかもしれないと山に原因があると思ったアデリーナは安全に山に行くために猟友会のところへ行くことにした。
「こんにちは」
「どうしたんだ?」
猟友会という木の札に書かれた文字を見つけた二人はそこへ入るとそこには屈強な男が沢山いた。壁には銃がぶら下がっていて、この家に猟友会と分かるものがなければ、テロリストの住処とでも勘違いしてしまいそうだ。
「調査するために山へ行きたいのです。ただ、最近獣が多いと聞くので、あなた方の力を借りたいと思いまして」
「そうか、分かった。何人欲しい?」
「三人は欲しい。私たちは山のことについては無知であるし、それくらいは欲しいな」
「分かった。俺と新入りを連れて行く。外で待ってろ」
随分と聞き分けのいい猟友会であった。ここ最近は獣が街に下りてきたせいで猟友会も忙しそうであったが、こんな二人に三人も用意してくれるなんて聞き分けが本当に良い。
外で待っていること数分。準備を終えた猟友会の三人が家から出てきた。
「これって猟銃ですよね?すごく大きいのですね」
「これくらいじゃないと獣を一発で仕留めれないからな」
大きな袋を担いで来た彼にアデリーナは驚く。一般的な銃の代表格は拳銃であるが、その何倍もの大きさに獣の脅威を感じた。
「じゃあ、行くか。」
猟友会の方も準備が終えたということで、早速山の中へ行くことにした。アデリーナのみならず、クロスもまた山に行くことは珍しかった。こんな危険な場所へ自ら行くとは思いもしていなかった。
「随分と木々が枯れているように感じますが、いつもこんな感じなんですか?」
「つい最近のことだな。よく木も倒れるようになってな。大変なんだ」
「なるほど。これも結構関係してそうですね。クロスさん、メモしておいてください」
「分かった」
山を歩いて回る。こうして見ると木は枯れ、冬の時のように木は葉をなくしていた。これが一番の原因であることははっきりした。
「それでは戻りましょうか」
一通り見終えたアデリーナは帰ろうとする。その直後、距離は離れているが、視認できるほどの近さにある大きな草が揺れるのが分かった。
「熊かもしれん」
一人の猟友会の方が言い、すぐに発砲準備をした。山の中で何が起きるのか分からない。彼女たちは猟友会の後ろに隠れて事の顛末をジッと見守った。
「来るぞ」
その言葉と同時に一つの銃声が山に響き渡った。確かに熊はその後、彼女たちを襲いに来た。本来、熊は人を襲うような凶暴なものではなく、どちらかと言うと臆病な生き物だ。しかし、襲ってきたということは、それくらい追い詰められていたのかもしれない。彼女は痩せた熊の体を見てそう思う中で、この森を再び安寧が訪れる場所に変えようと決意した。
「お邪魔します」
イラス地区に着いた二人はまず初めに宿を取って、街を見て回ることにした。さすがに夕方になってから宿を取るのが難しいと学習し、着いた直後に準備を済ませておいた。
「三方は山に囲まれていて自然を感じますが、あそこから獣が来ているということでしょうね」
「そうらしいな」
「山に食料がないのでしょうか。行ってみます?」
「そうしたいのは山々だが、危険が多い」
「確かにそうですね。では、猟友会のところに行ってみましょうか。そこに行けば、山に行くことも出来るかもしれません」
山から獣が降りてきたということは山にあった食料が底をついたのかもしれないと山に原因があると思ったアデリーナは安全に山に行くために猟友会のところへ行くことにした。
「こんにちは」
「どうしたんだ?」
猟友会という木の札に書かれた文字を見つけた二人はそこへ入るとそこには屈強な男が沢山いた。壁には銃がぶら下がっていて、この家に猟友会と分かるものがなければ、テロリストの住処とでも勘違いしてしまいそうだ。
「調査するために山へ行きたいのです。ただ、最近獣が多いと聞くので、あなた方の力を借りたいと思いまして」
「そうか、分かった。何人欲しい?」
「三人は欲しい。私たちは山のことについては無知であるし、それくらいは欲しいな」
「分かった。俺と新入りを連れて行く。外で待ってろ」
随分と聞き分けのいい猟友会であった。ここ最近は獣が街に下りてきたせいで猟友会も忙しそうであったが、こんな二人に三人も用意してくれるなんて聞き分けが本当に良い。
外で待っていること数分。準備を終えた猟友会の三人が家から出てきた。
「これって猟銃ですよね?すごく大きいのですね」
「これくらいじゃないと獣を一発で仕留めれないからな」
大きな袋を担いで来た彼にアデリーナは驚く。一般的な銃の代表格は拳銃であるが、その何倍もの大きさに獣の脅威を感じた。
「じゃあ、行くか。」
猟友会の方も準備が終えたということで、早速山の中へ行くことにした。アデリーナのみならず、クロスもまた山に行くことは珍しかった。こんな危険な場所へ自ら行くとは思いもしていなかった。
「随分と木々が枯れているように感じますが、いつもこんな感じなんですか?」
「つい最近のことだな。よく木も倒れるようになってな。大変なんだ」
「なるほど。これも結構関係してそうですね。クロスさん、メモしておいてください」
「分かった」
山を歩いて回る。こうして見ると木は枯れ、冬の時のように木は葉をなくしていた。これが一番の原因であることははっきりした。
「それでは戻りましょうか」
一通り見終えたアデリーナは帰ろうとする。その直後、距離は離れているが、視認できるほどの近さにある大きな草が揺れるのが分かった。
「熊かもしれん」
一人の猟友会の方が言い、すぐに発砲準備をした。山の中で何が起きるのか分からない。彼女たちは猟友会の後ろに隠れて事の顛末をジッと見守った。
「来るぞ」
その言葉と同時に一つの銃声が山に響き渡った。確かに熊はその後、彼女たちを襲いに来た。本来、熊は人を襲うような凶暴なものではなく、どちらかと言うと臆病な生き物だ。しかし、襲ってきたということは、それくらい追い詰められていたのかもしれない。彼女は痩せた熊の体を見てそう思う中で、この森を再び安寧が訪れる場所に変えようと決意した。
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