乙女ゲーム(同人版)の悪役令嬢に転生した私は、ついてる主人公に付き纏われる

華翔誠

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朝、お父様と叔父様と私の3人で、話し合いが行われた。
何の話だ?
叔父様まで一緒とは?

「実はね、パターゴルフを王家に献上しようと思っているんだ。」

そんな事をお父様に言われた。

「なるほど。」

「それで現在、商会の方で5コース作成しているのだが、そのうち、いくつかを王家に回せないだろうか?」

叔父様が言ってきた。

「いくつ回せばいいでしょうか?」

「そうだね、真っ直ぐの基本は、あった方がいいだろ?」

「はい。」

「では、2コースほど、王家の献上品に。」

「わかりました。では、叔父様、シェリルに伝言をお願いします。基本3コースと、片山のコース3コースに変更するようにと。」

「アウエリア、1コース増えてないか?」

「王家に献上するのです。1コース位、増えても、しょうがないかと。」

「そ、そうだな。」

職人さんは大変かもしれないが、うん、頑張れ。

「お父様、私が王宮へ通う件ですが。」

「もう、展示室のデッサンは、必要ないんだよね?」

「はい。」

宝物庫の方もめぼしい物のデッサンは終わっているが、これは表に出せない話だ。

「申し訳ないが、今まで通り、週に一度は通うようにして欲しい。」

「了解しました。」

そうして、私が王宮へ通う日を迎えた訳だが、王宮では、わざわざ王妃様が私を出迎えた。

「さあ、私の部屋に行きましょう。」

結局、この日は、王妃様とのお茶会だけで時間が過ぎていった。
今後は、こういった感じになるみたいだ。

そして、別の日。
私は、お父様の出勤に併せて、王宮へ向かうことになった。
どうやら、私がパターゴルフを説明するらしい。
いや、散々、練習してたんだから、お父様か叔父様が説明すりゃあ、いいのに。

私とお父様が王宮へ着くと、出迎えてくれたのは、王妃様だった。

「王妃様、どうなされました?」

お父様が、驚いたように言う。
って、事は予定外の事なんだろう。

「陛下が執務室でお待ちよ。さあ行きましょう。」

そう言って、王妃様が私に手を差し出した。

はいはい、手を繋ぐのね。

って、待って?
陛下の執務室?

「お、お父様、陛下に謁見するのですか?」

「安心していい、執務室だからね。問題ないよ。」

いやいやいや、場所は関係ないよね?
えっ・・・。

「心配しなくても、私が側に居るから大丈夫よ。」

おおー、心強い。
持つべきは親戚か。

「パターゴルフって、どんなのかしら、楽しみだわ。」

「陛下の執務室に設置したんですか?」

「ああ。とりあえずね。」

私の問いにお父様が答えてくれた。

それにしても、陛下に謁見する日がこようとは。




「初めましてアウエリア・ピザートと申します。」
礼儀作法でならった、最上級の挨拶をする。

「ここは執務室だ。そう畏まらなくてもよい。」

「アウエリア、こちらに座りましょう。」

そう言って、王妃様が私を長椅子に招いた。

「どうして王妃がここにおる?」

「あら?私がアウエリアの側に居て、何の問題が?」

「王妃としての執務もあろうに。」

「ご不満があれば、いつでも離縁してくださって結構よ。」

「また、それか・・・。」

不穏な空気が流れる。
私、ここに居ていいの?

「陛下が離縁してくだされば、私は遠慮なくアウエリアと過ごせるのよ。」

「もう、その話は、終わっておろう。それに今は、エカテリーナ殿が、手放すとは思えん。なあ、宰相。」

「既にアウエリアを娘以上に思っているようで・・・。」

「エカテリーナ様に渡すべきでは、なかったわ。」

「今更だ。もういい。それよりもだ、今日は話がある。」

そう言って、陛下は私の方を見た。

「パターゴルフのお話ですか?」

「それは後程な。話が終われば呼ぶ故、王妃は席を空けるがよい。」

「私がアウエリアから離れるとでも?」

「・・・。」

「陛下、私が居たら話しにくい話かしら?それなら余計に、話して頂きますわ。」

「宰相、説明を頼む。」

「わ、わかりました。」

お父様が一息ついて説明を始めた。

「実は今になって、またテセウスの涙が話題になっていてね。」

「何ですか、それ?」

「アウエリアが見つけた宝石だよ。」

「ああ、あれ。そんな名前でしたっけ。」

「テセウスの涙が発見されたときに、アウエリアが居たという話が出回っていてね。」

「でも、ドワーフの国に展示してあるんじゃあ?」

「そうだけどね。アウエリアがあの場に居たというのが、バレてしまったようだ。」

まあ、あそこに居たのは確かだし、全員に口止めなんてできないよね。
最後には大層なお迎えまで来てるし。

「それに一体、どういう問題が?」

そう聞いたのは王妃様だ。

「アウエリアに接触を図る者が出てくる可能性があります。」

「もうすぐ社交シーズンですよ?貴族に、そんな暇がありますか?」

「社交シーズン中は問題なかろう。むしろ社交シーズン中に余計に情報が広まるだろうがな。」

そう答えたのは、陛下だった。

「で?アウエリアをどうしようと?まさか国外に?」

「いえ、暫くアーマード伯爵領に居てもらおうかと。」

「いつからですか?」

「社交シーズンが終わってからだよ。」

「では、その間、私もアーマード伯領へ滞在するわ。」

「馬鹿を言うな。王妃の公務はどうするのだ。」

「知った事じゃないわ。」

「「・・・。」」

陛下とお父様が絶句した。

「ちなみにエカテリーナ様は、どうするのかしら?」

「エカテリーナ殿を王都から動かすことはできん。」

「でしょうねえ。」

なんで、お母様が動けないんだろ?

「エカテリーナ様には、もう説明を?」

「いえ、今からです。」

「お母様が動けないってどういうことですか?私がアーマード伯領に行けば、ついてこられると思うのですが?」

「エカテリーナ殿は、わが国でも3本の指に入る魔力量をもっておるのだよ。」

陛下が説明してくれた。

国内で3本指って・・・。
確か、王宮内の屋敷の一つに大賢者が住んでるとか。
ゲームで出てこなかったから知らなかったけど、今までの授業で習った事だ。

3本指って、大賢者って言われる人に匹敵するのか、恐るべし、お母様。

「という事は、私は一人でアーマード伯領へ行けばいいわけですね?」

「サスロが、戻る時に一緒に行けばいいよ。」

「わかりました。お母様への説明は、お父様の方で、お願いします。」

「・・・。」

「では、私もその時に。」

「だから、駄目だと言っておろう。」

険悪なムードだ。
陛下と王妃様でこれだ。
お母様だと、どうなるんだろう。
よし、考えたら負けだ。考えないようにしよう。

「そろそろパターゴルフをしませんか?」

険悪なムードに耐えかねた私が、提案した。

「それがいい。」

真っ先に乗っかったのは陛下だった。

「陛下、後程、話の続きを。」

王妃様は、諦めてないようだ。




さて、簡単にパターゴルフの説明を。
といっても、ドライバーやアイアンと違って、パターに標準な持ち方なんてない。

長尺パターで、あごに付けたり、お腹に付けたりといったスタイルが一時期流行った事もある。
廃れた原因は、アメリカのツアーで禁止されたからだ。
禁止されたって事は、効果があるという事だ。

という事で、パターに関しては、これが正解というものは存在していない。

だから持ち方は自由にしてもらい。

初心者コースで、私が試し打ちをする。
一発でカップインした後、王妃様にやってもらった。

おっ、王妃様も、どストレートだ。
そして・・・。

お母様と同じで、カップ上を通り過ぎていく。

「ねえ、アウエリア。穴が小さいんじゃない?」

言う事まで、お母様と一緒だ。

「王妃様は、真っ直ぐ打てますので、力加減が分かれば、直ぐにカップインするようになりますよ。」

「そうかしら?」

王妃様は、数打打ったところで見事カップインした。

その後、練習をした王様もカップインした。

「ふむ、これは私室にも欲しいな。」

「では、手配しておきましょう。」

「私の部屋にもお願い。」

「畏まりました。」

うーん、頑張れ、アーマード商会の職人たち。
私は心の中で、そっと応援した。
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